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セキララな思考。
安井 文
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2005年09月30日(金)
いつでも夢を

水曜日、女性デーなので映画を1本。
「カーテンコール」を見てきた。

下関市が舞台のこの映画、現在、山口・北九州にて先行ロードショーされている。
全国上映は、10月からなのでこのコラムを読んで興味をもたれた方はぜひ足を運んで欲しい。
もう10月だけど。



昔、TVが普及する前、田舎の小さな町にあった映画館。
今は複合映画館を持つ私の町にも小さな映画館があった。
二階席には畳のブースがあって、そこに座って手すりから身を乗り出して映画を見た記憶が私にはある。
確か見たのは「ゴジラ対ヘドラ」怪獣映画全盛の頃。
でも、TVのせいで映画の興行成績は下降をたどっていた時代。
この映画は、私の記憶にあるその古い記憶よりもう少し前の時代を描いている。

東京の出版社でミスをして福岡のタウン誌に移動してきた女性編集者(伊藤歩)が、手に取ったはがきの内容に興味を持つところから話は始まる。
そこには「昭和30年代終わりから40年代中ごろまで下関の映画館にいた幕間(まくあい)芸人を探して欲しい」と書いてあった。

幕間芸人とは、映画全盛時代に映画と映画の間に形態模写などのちょっとした芸をしてお客さんを楽しませた人たち。TVの普及とともに姿を消した。

主人公 橋本香織(伊藤歩)が下関のみなと劇場という映画館にいた幕間芸人 安川修平(藤井隆/井上堯之)のことをを取材に行く。
そこで、18歳からずっともぎりをやっているという女性(藤村志保)から彼の話を聞く。
その過程で彼の娘 美里(鶴田真由)の存在を知り、彼女のかたくなな態度から父娘の再会を実現するために安川修平を探し始める。

監督は「チルソクの夏」「半落ち」「四日間の奇蹟」と続けてヒット作品を取りつづけている佐々部清さん。本作品を含む3作品が山口県を舞台にしている。
彼自身が下関市出身で、自分が生まれ育ったところを舞台に映画を撮りたいとずっと思っていたそうだ。

まるで実在する人物のように描かれる安川修平。
実話が元になっているのだろうかと少し調べてみたけど、まったくの創作だそうだ。
原案は秋田光彦さんという脚本家の書かれた大阪の幕間芸人のお話で、こちらは実在の幕間芸人を元に描かれていたそうだ。25年前に読んだこの話を監督はずっと暖めてきたそうだ。

安川修平という人物に悲しい現実があったことが劇中少しずつ明かされる。
その現実は香織に苦い青春の思い出を呼び起こす。
彼を探すことは、彼女のその苦い思い出を浄化させ、また、うまく行っていなかった父との関係の修復のためにも必要なことになってゆく。

とにかく映画がたくさん出てくる。

見たことはないけど、TVの回顧番組では必ず名前の挙がる映画ばかり。
これらの映画はプログラムピクチャーと呼ばれるもので、大衆映画として大ヒットした作品ばかりだそうだ。
監督自身も子供の頃、下関の映画館で親に黙って1人でよく見たという。
この作品は、監督自身のそれらの映画への感謝の気持ちもこめられている。

「いつでも夢を」は日本人ならたいてい誰でも知っている名作中の名作。
あらためてそのよさを考えることはなかったけど、この映画のテーマにぴったりで、いい歌だなあとあらためて感じた。

安川修平の青年時代を演じるのは藤井隆くん。
とにかく人を和ませるその笑顔が欲しかったと監督が言うとおり、彼の楽しそうな笑顔を見ていると自然に笑みがこぼれてくるような感じがした。
そして、現在の安川修平を演じるのは、井上堯之さん。
ほとんどセリフはないが、彼の笑顔と涙をこらえる表情に安川修平の辛く苦しかった人生を見ることが出来た。

ぜひ、見て欲しいと思うので、詳しい内容の記述は避けた。

ここに描かれているのは、どこかの町でひっそりと生きている誰かの人生。
だけど、そこには自分の力ではどうすることも出来ない現実があったりする。
この映画はそういうところをさりげなく見せている。
さらっとしているけど、心に残る・・・そんな作品。

ぜひ、足を運んで欲しい。

蛇足。
これは山口県限定のお楽しみなんだけど。
この映画には、山口県のローカルTV局のアナウンサーが出演している。
ちょっとだけ出てくるんだけど、セリフもちゃんとある。
少し悲しいシーンなんだけど、なぜかそのときだけ劇場からは笑い声が聞こえた。

「カーテンコール」
ジャンル : 人間ドラマ
製作年 : 2005年
製作国 : 日本
製作 :「カーテンコール」製作委員会
配給:コムストック
監督・脚本:佐々部清
原案:秋田光彦
音楽:藤原いくろう
出演:伊藤歩、藤井隆、鶴田真由、奥貫薫、津田寛治、井上堯之、夏八木勲、藤村志保、福本清二 他

カーテンコール サントラ「いつでも夢を」
WORDS BY 佐伯孝夫、MUSIC BY 吉田正、PLAY BY 橋幸夫と吉永小百合



2005年09月23日(金)
フラジャイル

の気配がしてきた。
もう少しすると私の大好きな季節がやってくる。
夏と秋、秋と冬の隙間にやってくるちょっと寒くなっている時期が好きなんだ。

温かくなってゆく季節はあまり好きじゃない。
物事が曖昧に感じられていらいらしてしまう。
なんとなく気分が混乱するんだよ。

曖昧だけどはっきりとした意思を持った寒い季節に向かう時期が好きだ。
夏から秋へ
秋から冬へ
確実にそこへ向かっているんだという感じを受けるから。

それを感じて私の思考が覚醒をはじめる。
その感じにうきうきするんだ。

秋から冬に向かい、すっかり冬になるとそんないいい気分は吹き飛んでしまうんだけどね。

とにかく私の好きな季節がやってくる。



「Fragile」
WORDS & MUSIC & PLAY BY STING



2005年09月22日(木)
Prologue-The Thesis

記憶が薄れないうちに書いとかなくっちゃということで、「亡国のイージス」についてその2。

今回はキャスティングなどについて。
(といってもこれで終わりの予定)



特筆すべきは、政府直属の秘密工作部隊ダイスの隊員である如月行役の勝池涼君でしょう。
日本にもまだこういう目付きの出来る若者がいるんだなあ、と素直に感嘆。
実は、見終わってから彼の過去作品について調べたら、私の見てきたいくつかの作品に出演していることが判明。

映画 「リリィ・シュシュのすべて」(監督:、主演:市原隼人、忍成修吾、伊藤歩、蒼井優)
「バトルロワイヤル供廖粉篤帖Э失邨鯊澄⊆膠蕁藤原竜也、前田、忍成修吾 他)
TVドラマ「永遠の仔」(日本テレビ、主演:渡部篤朗、中谷美紀、椎名桔平)
「さとうきび畑の唄」(TBS、主演:明石家さんま、黒木瞳 他)

正直、覚えているのは「さとうきび畑の唄」の志願して兵隊になる次男役のみ。
「永遠の仔」では、渡部篤朗の子供時代を演じていたようなんだけど、記憶にないんだなあ。
この作品は天童荒太という作家の作品にはじめて触れて泣きながら原作を読んで、ドラマも泣きながら見たんだけどなあ。ごめんね、勝池君・・・。


とにかく哀愁を漂った独特の目がいいです。
実は、去年夏に「さとうきび畑の唄」を見た時に「おおっすごくいい感じの子がいるなあ」と思ったんだけど、それきりになってました。
私の中では、市原隼人君(映画「黄泉がえり」、TVドラマ「愛くるしい」「ウォーター・ボーイズ2」など)がそれまで今後が楽しみな若い俳優NO1だったんだけど、この映画を見てそれは勝池涼君に修正^^;

如月行というキャラクターは原作の中でもかなり人気のあるキャラクターらしく、映画公開に先立ってこのキャラクターをメインに据えた写真集も出版されていたようだ。
その中に勝池涼君のインタビューがあるらしいんだけど・・・、まだわざわざ買ってみるほどではないな。
原作は、如月の活躍を知りたいので、今ちょっとかなり読みたいモード。
だけどなあ、長いのよね。
映画1本見て、このキャラクターに興味をもたせたという意味では、彼はなかなかの役者では?

全体的に年齢高めの役者が勢ぞろいのこの映画。
主要キャラクターだけでも真田広之、佐藤浩市、中井貴一、寺尾 聰、原田良雄、岸辺一徳。
これだけのメンバーが揃っているだけでも壮観。

特に印象に残ったのは中井貴一さん。

彼が演じたのは北朝鮮のテロリストリーダー。
(これは先に知っていたので、知らずに見たかったとほんの少し残念。)
映画の中で彼がテロリストになった背景が写真1枚で表現されるのみだったので、想像もしにくく何が彼を自国現政府の壊滅を願わせたのか分からなかった。ちょっと弱い。
それでも、感情のこもらない言葉で、日本人を冷笑するシーンなどは鳥肌モノだった。
とにかく目的を遂行したいと願うラストシーンもなかなか見ものだった。

佐藤浩市さんと掛け合いをする役割の岸辺一徳さんもきらっと光っていたな。
彼の淡々とした物言いが少し熱くなっている佐藤さんの言動に冷や水を浴びせる役割を持っていて、そのバランスが絶妙。

若手では、安藤政信、吉田栄作、豊原功補、松岡俊介、谷原章介など。
ちなみに吉田栄作、豊原功補、谷原章介は暴走した若手エリート自衛官。
安藤正信は北朝鮮テロリスト、松岡俊介は佐藤浩市の部下でおそらくダイスの司令部隊?
名前を見ただけで、なかなかうがったキャスティングだなあと私は思った。

特に、安藤正信くんはすばらしかった。
ラスト近くで、真田広之さんにナイフでアキレス腱を刺されるんだけど、見ているときは速すぎて何が起ったか分からない。
でも、安藤君が真田さんを追いかけようと走るんだけど、走れないでこけてしまう、何度も。
なぜだか分からず振り返ると、足にナイフが・・・。
そして、いよいよ脱出を試みようとする時、歩けない安藤君は中井さんの目の前で拳銃をこめかみに当て引き金をひく。敵役なのになぜだか胸が熱くなった。

これだけたくさんのいい男が出ているってだけでなんとなく胸がわくわくしてくるのは私だけ?
日本もいい役者が揃っているのだから、みんな邦画も映画館に見に行きましょうよ^^;

最後に音楽。
なんでもハリウッドの有名作曲家が担当だとか。
なぜ日本人じゃないのか?という気持ちがあるにはあったけど、オーケストラを使用した壮大な音楽は映画にぴったり嵌っていて悔しいけど大満足。
蛇足になりがちな主題歌がないのも好感が持てた。

この作品は、それほど「おおっ」という特撮シーンもないので、レンタルやDVD購入で見るにもちょうどいいのではないかと思う。
ぜひごらんあれ!

「亡国のイージス」
ジャンル : 人間ドラマ
製作年 : 2005年
製作国 : 日本
配給 : 日本ヘラルド映画=松竹
制作: 日本ヘラルド映画、松竹、電通、バンダイビジュアル、ジェネオン エンタテインメント、IMAGICA、TOKYO FM、産経新聞、デスティニー
原作: 福井晴敏(「亡国のイージス」講談社刊)
監督:阪本順治
脚本:長谷川康夫、飯田健三郎
音楽: トレヴァー・ジョーンズ
編集: ウィリアム・アンダーソン
出演:真田広之、寺尾聰、佐藤浩市、中井貴一、勝地涼、チェ・ミンソ、安藤政信、原田芳雄 ほか
協力:防衛庁・海上自衛隊・航空自衛隊
公開: 2005年07月30日

「Prologue-The Thesis」
Music by トレヴァー・ジョーンズ



2005年09月20日(火)
Remember the Past

先週金曜日、滑り込みセーフで「亡国のイージス」を見た。
チョコレート工場が封切りになった後だったので、チケット販売窓口が長蛇の列。
おかげでほんとに滑り込みセーフだった。
出来れば、大ヒット映画は列を分けて欲しいと思ったね



結構話題になったこの映画、早く見に行きたかったのだけど、なかなかその気になれなかった。

ハリウッド産のこの手の映画には正直辟易していて、この頃は食指も動かず話題作と呼ばれるものには全然行っていない。
あまりに派手な演出でどかんどかん火花が散るのが興ざめなのだ。
どうせアメリカ人が生き残って世界を救うんだし。

ところが、日本が作るとなるとなぜか無償に見たかった。
ハリウッド産みたいな派手な演出だけは避けて欲しいなあと思っていて、もしもそうだったらいやだなあという気持ちがあってなかなか足が向かなかったというのが正直なところ。

大ヒットした原作があるらしいが、私は未読。
映画を見る際は、先に原作を知っている場合はしょうがないけど、そうじゃない場合は原作は読まないことにしている。
映画は映画、原作は原作と考えているから。

この作品は、想像していたものとはかなり違っていた。
イージス艦が盗まれ、日本が危険にさらされる話だけど、人間ドラマに重きが置かれている。
といっても、事が起きてから決着がつくまでだけが切り取られていて、それにいたった経緯や巻き込まれた人間の背景については一切語られない。
それが説明不足でわかりにくく感じるところがあった。
でも、それは想像すればいいことなので、個人的にはそれほど物語をわかりにくくしているとは思わない。

結局、イージス艦は奪回され事なきを得るのだが、その間、国民には何の説明もなく避難勧告もない。

この映画を見て痛切に感じたのは、戦争は知らないところで始まり、知らない間に巻き込まれる恐ろしい出来事なんだということ。
「バトルロワイヤル」を見たときに同じ事を感じた。
あの映画は、奇想天外な設定で奇をてらっているように感じる(原作は奇をてらっているけど)が、テーマはこの映画と大差ないと感じる。

生き残るためにどうすればいいのか?
生き残るためにほかの人を犠牲にしていいのか?
それは恥ずかしいことなのか?
こうなってしまったのは誰のせいなのか?

そんなようなことが見ている最中にぐるぐる駆け巡る。

北朝鮮のテロリストに洗脳された極々小数のエリート自衛官の暴走によって、イージス艦はいとも簡単に盗まれる。あれだけ賢いエリート集団がどうして他国のアナーキストの言うことを簡単に信じるのかがとても不思議だ。
原作ではそのあたりについても細かく設定してあり語られているのだろうか。
気になるところだ。

物語に政府直属の秘密工作部隊ダイスなるものが登場する。
ただひとり、秘密工作員が登場し活躍するのだけど、その秘密工作員がなぜそういう任務につくにいたったかはそれとなく映画の中で語られる。
その理由が悲しいと思ったし、それを盾に人間1人を殺人もいとわない秘密工作員に育てるなんて、おかしいと思った。これは作り話なんだと思っても、悲しくて辛かった。
だって、彼は20歳になったかならないくらいの若者だったから。

北朝鮮のテロリストは、自国の現政権の崩壊をねらっている。
そのためだけに関係ない自衛官達を誘惑し仲間に引き込む。
彼には彼の理由があったのだろうが、なぜそれに日本が巻き込まれなくてはならないのか、ずっと憤りを感じていた。

そして、ただ1人の平凡な自衛官が日本を救う。
自分の任務だけを遂行するため、がむしゃらにイージス艦を守ろうとする。

ご大層な理想があろうが、平凡な国民の窺い知らない現実があろうが、関係ない。
とにかくこの船を守り、危害を最小限に食い止めて生還する。
彼は最後までそう念じて戦った。

会話中心で物語が進んでいく割には時間はあっという間に過ぎた。
ストーリーがしっかりしていたからだろう本当に引き込まれた。
日本もなかなかいい映画を作るじゃないか。

あ、長くなってしまった。
今回はストーリー中心に書いてみた。

キャスティングのことも書きたかったのだけど。
機会があれも書いてみようかなと思う。

「亡国のイージス」
ジャンル : 人間ドラマ
製作年 : 2005年
製作国 : 日本
配給 : 日本ヘラルド映画=松竹
制作: 日本ヘラルド映画、松竹、電通、バンダイビジュアル、ジェネオン エンタテインメント、IMAGICA、TOKYO FM、産経新聞、デスティニー
原作: 福井晴敏(「亡国のイージス」講談社刊)
監督:阪本順治
脚本:長谷川康夫、飯田健三郎
音楽: トレヴァー・ジョーンズ
編集: ウィリアム・アンダーソン
出演:真田広之、寺尾聰、佐藤浩市、中井貴一、勝地涼、チェ・ミンソ、安藤政信、原田芳雄 ほか
協力:防衛庁・海上自衛隊・航空自衛隊
公開: 2005年07月30日

「Remember the Past」
Music by トレヴァー・ジョーンズ



2005年09月15日(木)
朝日のあたる家

昨夜またご機嫌なライブを体験。
やっぱりライブにつきる。
もっと踊りたかったな・・・なんて思ったりして。

めっちゃめちゃご機嫌なライブだったのだ。



今回は、つい先頃の台風14号で足が流されてしまった錦帯橋のある岩国のライブハウスに行った。
ROCK COUNTRYという名前のこのライブハウスは出来たてほやほやだそうで、店内も言われてみればまだまだ新しい感じがした。
どういう由来の名前なのかなあと思ってたんだけど、今回のライブの主役の1人Chikaさんの弁によれば・・・。

岩国なので・・・。
岩→ROCK
国→COUNTRY
・・・で、ROCK COUNTRY

うっ、言われてみればそうだわ。



今回のライブは、岩国在住のヴォーカリストChikaさん(ボーカリスト・CHIKA)のアコースティックライブ。
ゲストに金子マリさんと森園勝敏さん。

Chikaさんは5月に広島へライブをききに行ったばかり。
(5月18日の「sweet berry jam」を読んで欲しいな。)
とにかくかっこいい女性で、目の前を通り過ぎるだけで目が釘付けになってしまう。
ハスキーヴォイスは一度聞いたら耳から離れない。
心のそこから声が出ているというイメージ。

オープニングアクトに岩国で活動しているのかな?
Bluse Workshop
いきなり、ばりばり山口弁のMCが始まり、コミックバンドが出てきたのかと思ってしまった。
いえいえ、ばりばり硬派なブルースバンドでした。
ブロンドのウィングをつけたセクシーなドレスに身を包んだ女の子が真中でキーボードをひいていた。
ブルースのバンドに女の子のヴォーカルというスタイルは私の住んでいる周南地区では見かけないので、それだけでもう新鮮な驚き。
実直そうなギターのおじさまは1曲ごとにギターを持ちかえるスタイル。
そのたび、背の高いちょっとジャン・レノ風味のベーシストに山口弁で突っ込まれる。
ジャン・レノ風味のベーシストは歌もなかなかいけておりました。
そして、かっちりしっかりリズムキープをしていたドラマーはかなり地味目なお方でしたが、彼のリズムでバンド全体がかっちり小気味よいリズムを生み出していました。
ヴォーカルの女の子の歌いっぷりがなんともキュートで、かなり破廉恥な内容を歌っていたらしいのだけど、逆にさわやかに感じた。おじ様2人のコーラスもばっちり。
いやいや、かっこいいミュージシャンは探せばドンドン出てくるものだ。

さわやか系ブルースのあとはお待ちかね、メインアクトの幕開け。
残念ながら、演奏されたほとんどの曲を知らなかったので、セットリストを起こせない。
一緒に行った友人も全曲は分からないと言っていた。
だから演奏された曲の順番もかなりあやふやなことを最初にお断りしておく。

まずは、Chikaさん登場。

数十年ぶりという弾き語りからスタート。
聴いたことのある曲だったのだけど、タイトルは分からない。
いきなり高いキーでの歌い始めに度肝を抜かれましたが、すばらしい声にあっという間に引き込まれてしまった。

2曲目からギターの森園勝敏さんが参加。
森園さんは四人囃子というバンドのメンバー。
私はそのバンド名は知っているんだけど、実際に音楽はきいたことがない。
長髪をきっちり後ろで結わえて、きりりとした表情はギタリストには見えない。
白いストラトキャスターを抱え込んでぽろぽろと弾き始めるも、うまく歌につながらない。
ようやっとのことで滑り出してからは2人の作り出す音の世界に聴き入ってしまった。

そして、金子マリさんの登場。
金子マリさんは、"下北のジャニス・ジョップリン"の異名を持つベテランシンガー。
存在そのものが既に音楽といった雰囲気を持つ人。
ステージに上がった時はちょっと寝起きなのかな?不機嫌なのかな?と思ってしまったのだけど、ひとたび曲が始まるともうすでに自分の世界に入ってしまう。

3人の演奏はまずはChikaさんのオリジナル曲「小さな窓から見上げた空は」から。
4月に発売されたChikaさんのアルバムの曲。
前回のライブで聞いてから気に入っている曲で、詞がとても素敵。
Chikaさんの世界はとても優しいんだけど、ときに辛らつ。
だけど、逆にそれが励まされているようにも感じるとてもあったかい世界を持っている人だと思う。
Chikaさんの声にマリさんの声が重なって、それはもう不思議が世界が広がった。

森園さんは最後までエレキギターで演奏。
はじめてみるスタイルで、彼のギターは歌を邪魔することはなくかといって、バッキングしているという感じでもない。ギターが歌を歌っているような感じ。
ぽろぽろとずっとギターが鳴っていて、なんだかそれが心地よかった。

そして、Chikaさんが急にステージを下りていった。
ずっと3人でやるもんだと思っていたので、あれ?と思ってしまった。
でも、あとでもう一度3人揃っての素敵な演奏を聴くことが出来た。

マリさんと森園さんだけになるとマリさんは立ち上がって歌い始めた。
まずは彼女のオリジナル。
"彼女の体はお金を出して買えない"といったような歌いだしで・・・お?どうなるのだろう?と思わず耳を澄ましてしまった。
つまりは"彼女のすばらしさは俺にしかわからないのさ"といったような歌だった。

マリさんの歌は、体の中から吹き出してくる思いをメロディーにのせているといった感じだ。
歌い上げるというより思いを吐き出すというか・・・。
とにかく、いわゆる歌い上げるという感じではない。
だから、彼女の口から出てくる言葉に耳を傾けてしまう。
最初から最後までそうだったなあ。
そして、1曲ごとにマリさんがなまめかしくなっていったのにびっくり。
あとから一緒に行った友人に聞いたところによると、昔は裸になってしまうこともあったとか・・・。
うう、すごい!

タイトルにした「朝日のあたる家」は、マリさんが今年4月になくなった高田渡さんを思って歌った曲。
まるで父のような存在だったと呟いていたのが印象的。
アニマルズの曲としてあまりにも有名なこの曲は、イギリスのフォークソングなんだそうだ。
聞き知っているメロディーにマリさんは日本語の歌詞をのせた。
あまりにも切ないその内容に思わず涙が落っこちそうになった私である。

今回はほとんどカバー曲だったようで、頭に浮かぶMCのかけらを拾い集めて思い起こしてみると、かなり古い曲のオンパレードだったようす。

そして、再びChikaさんが登場して3人の不思議な世界。
Chikaさんとマリさんは声の感じと見た目の感じがそっくり。
Chikaさんがメインで歌うときはマリさんが気持ちよさそうにまるで鼻歌を歌うごとくコーラスをつけ、逆の時もChikaさんは楽しげにマリさんのほうを見ながらコーラスしていた。

最後は、Blues Workshopのメンバーも登場して大盛り上がりでライブは終わった。

いや・・・楽しかった。
それ以外言葉が出てこない。

楽しい時間をどうもありがとう!
この時間を活力にあと2日仕事を乗り切るぞ〜♪

2005.09.14(WED)金子マリ、森園勝敏、Chika(at 岩国ROCK COUNTRY)
「THE HOUSE OF THE RISING SUN」
(Traditional Folk Song arranged by Animals) 、PLAY BY 金子マリ&森園勝敏(もしくはTHE ANIMALES)



2005年09月14日(水)
本当の世界

メールチェックしたら、鈴木雄大さんのメールマガジン最新号が届いていた。
書き出しは、雄大さんの2人目のお子さんの出産のから数日の出来事から始まっていた。
2001年9月9日から数日間の話。

そうだ、そうだった。
9月11日はグラウンド・ゼロという場所がこの世に出来てしまった日だった。



雄大さんは普段、口数少なくメールマガジンの文章も愉快な感じで書く人なんだけど、今回はかなりシリアスな感じで、思いがつづられている。
でも、雄大さんのそういう思いを知る機会はほとんどないから神妙に読んだ。

内容は、9月11日に東京を中心に開催されたSeptember Concertのレポート。
September Concertというのは、アメリカ同時多発テロが起きた翌年からスミス治子さんという人がN.Y.で始めたコンサート。
この日、悲しみに包まれたN.Y.を音楽でいっぱいにしたいという思いから始まったという。
雄大さんは昨年、このコンサートに参加し、グラウンド・ゼロもその目で見てきたそうだ。
そして、今年、その音楽の輪を日本でも広げたいと各地でSeptember Concertが開催された。

私は今でもあの日の深夜に見た飛行機がビルに激突する瞬間の映像を忘れられない。
ハッピーエンドの映画を見た直後に見たあの映像はまるで映画の1シーンのようだった。
現実感がなく絵空事だった。

グラウンド・ゼロ(ground zero)は、英語で「爆心地」を意味する。
原子爆弾・水素爆弾の爆心地の事を差していると何かの本で読んだことがある。
そういう意味だと知っていたので、同時多発テロの現場をグラウンド・ゼロと呼ぶことに私は少し抵抗がある。
うまく説明できないけど、なんだかちょっと居心地が悪い感じ。
だって、私は2つのグラウンド・ゼロを持っている国に住んでいるので。
悲しみは同じはずなのにしっくりこないんだ。

September Concertの日は、衆議院選挙の投票日だった。
ニュースはこのことでもちきりだったね。
私は、グラウンド・ゼロのある広島でJUDEのライブに行っていた。

9月11日グラウンド・ゼロのすぐ近くでJUDEのライブはあったんだ。

その日、今日は選曲がハードな内容だなあと思ったことを雄大さんのメルマガを読んでいて思い出した。
あれ?と思ったんだけど、思っただけで理由は考えなかった。
ベンジーは何も言わなかった。ほかのメンバーも。
でもきっと、分かっていて選曲していたと思う。

雄大さんの開いたSeptember ConcertとJUDEのライブは何の関係もない。
彼らは友人でもなければ同僚でもない。
でも、同じ思いを抱いてステージで歌ったことは確かだと思うんだ。

思い出しもしなかった自分が恥ずかしい。
でも、それが私なんだ。
だけど、遅くなっても、思い出して考える時間が持ててよかったと思う。



「本当の世界」
WORDS & MUSIC BY 浅井健一、PLAY BY JUDE



2005年09月12日(月)
ROCK SHOW

♪〜ROCK SHOWに行くんだ今日〜
気の合う友達と2人〜♪

ってことで、JUDE ELECTRIC RAINBOW TOUR at 広島CLUB QUATROに行ってきた。
およそ半年振りのJUDE。

jude20050912

絶好調のライブの模様をお伝えしよう・・・なんて。









最初におことわり。
ライブ中はイっちゃってるので、曲順さっぱり覚えてない。
それでも今回は、ライブ後に友人と2人一生懸命演奏曲を思い出し、順番もうろ覚えで並べた後、さっき帰ってきてすでに終了している日程のリストを参考にセットリストを起こしている。
が、ほとんどあやふや。
もしもこれを見かけた広島ライブに参加した人がいたら間違い指摘してくれたらありがたいなあ・・・などと思う。

今まで行った浅井健一さん(以後ベンジー)出演のライブの中では一番開演前に落ち着いていた。(私が)
それまでは、朝から落ち着かなくってライブが始まる頃には疲れ果てているパターンで・・・。
でも今日は朝から選挙に行ってバンドの練習にも行って、通常の日曜日の朝を過ごした後出発したので、普通にライブを迎えることができた。
とか言いながら・・・。
一曲目のイントロが流れると興奮してちょっとだけ残してあったドリンクをひっくり返してしまった。
あれは恥ずかしかったなあ。
おかげでライブ中ジュースまみれで腕の辺りがべとべとしていた。
ま、自業自得ですが。

それ以外は前に立ってる男の子がちょっと邪魔に感じたくらいでライブ中は、めちゃめちゃご機嫌に踊りまくっていた。
ステージよりかなり離れた一段高いところで見ていたので、今回は耳鳴りもほとんどなく、ライブ後もふらふらすることなく帰りつけた。
体力はやっぱり大切だ!

今回のライブはのっけからスピードがあった。
ベンジーは声の調子がよくない感じだったんだけど、ライブが好調に滑り出すとそれもあまり気にならなくなった。
最初、いつもメインギターとして最初から抱えているテネシアンではなかったな。(何のギターだろう?)
でも結局途中からはテネシアンに持ち替えて最後まで爆走。
後ろの割には一段高かったので、メンバー全員が見渡せるのもうれしかったな。
メンバーはみんなかっこいいんだけど、特にベースの渡辺圭一さん、(メンバー中一番私の好みなんだけど)ちょっとやせたのかな?髪もちょっと伸びた感じで、すごくかっこよかった!(いつも以上に)
ベンジーはひげはそっていたけど、髪はそのままの長さでパーマをかけたらしくとてもかわいらしい感じのパーマヘアー。
横に広がっちゃうので、曲の合間は両手で頭を撫で付けてたな。これは彼の癖。
ドラムスのポーテはずいぶんやせちゃって・・・。
でも、ドラミングは冴え渡ってたぜ。
彼は今回、キーボードも弾いていて大変そうだった。
でも彼のピアノ、かなり好きだな。
音がなんというかはっきりしていて男っぽいんだけど優しいという感じ。
3ピースのJUDEでピアノなんてと思ったけど、サウンド的には違和感がなく、ドラムスとのつながりもぜんぜん気にならなかったので、これはこれでありだななどと納得。
SHERBETSの福士久美子さんがサポートで入っている時はまたぜんぜん違う感じ。
好みはあると思うけど、私はポーテのピアノのほうがJUDE的だなと思う。

全体的にスピードのある曲がそろえてあって、ポップなイメージの歌詞のものは避けていた感じがした。
イントロを聞くだけでうひょ〜♪っと飛び上がってしまう曲の連続で、息つく暇などありはしない!
ライブ中多分ずっと頭を振りまくってた。
ベンジーのギターソロになると頭を振りながら目を閉じてその音を見たくなる。
「ああ好きだなあ〜♪ベンジーのギター好きだ〜!」と思いながら。

後半は特に何がなにやら分からないくらいのハイスピードで曲が繰り出されるので、一応曲は始まって終わっての繰り返しなんだけど、感覚的にはほとんどメドレー状態。
ラスト近くでは、もうみんなわけが分からなくなっている。
今日はベンジーがそれを見ながらかなりうれしそうに笑っているのがよく見えた。
もちろん他のメンバーもね。とても楽しそうだった。
それを見てこっちもまたご機嫌度が増すというもの。
おおっベンジーが喜んでる!わ〜い♪ってな感じで。

あっという間に楽しい時間は過ぎ去ってしまったのだけど、メンバーも楽しかった証拠に、アンコール曲は3曲。
気分が乗らないと大体2曲で終わることを考えたら万々歳である!

今回、高速道路が使えなかったので、新幹線で行った。
時間がないので出待ちはなしかなあと思っていたんだけど、名残惜しくて出口付近をうろついていたらな、なんとタクシーが。
これはもしかして?と待つこと5分くらい。
な、なんとメンバーが!

1台目のタクシーの後部座席に乗り込んだベンジーがこっちを向いていたので、友達と2人、小さく手を振ってみたらこっちをじーっと見ていた。うひょひょ♪
そして、タクシーが出発するとあらぬ方向を見ながら手を大きく振ってくれたのだ。
照れくさいのかな、手を振るときは無表情に全然関係ないところ見ていたりする。(見てくれるときもあるけどね。)
そして2台目には圭一さんとポーテが乗っていて、圭一さんは窓を全開にして手を振ってくれた上に「ありがとう!」の一言を残してくれた・・・涙
なんて素敵な人なんだ〜!
ポーテも圭一さんの向こうでニコニコ手を何度も振ってくれた。

楽しい時間をどうもありがとう!
また一緒に遊ぼうぜ!

>>セットリスト<<
1.毒りんご売り
2.Bad Girl
3.愛のChupa Chups
4.ブラックレストラン
5.チェリーソーダ
6.Silvester & Johnny K
7.Brown Bunny
8.DICK DEE
9.シャンプー(新曲)
10.ROCK SHOW
11.Diduri Didura
12.ミニカーで遊んだ思い出
13.Silk
14.まわりくどい喋りかた
15.ロシアビリー
16.カリブの海賊の宴会
17.DEVIL
18.Chiquitita Boots
(EN)
EN1.本当の世界
EN2.シルベット
EN3.Black Hole



2005.09.11(SUN)JUDE ELECTRIC RAINBOW TOUR(at 広島CLUB QUATRO)



「ROCK SHOW」
WORDS & MUSIC BY 浅井健一、PLAY BY JUDE



2005年09月09日(金)
海水浴

もう既に夏の終わり。

今年も結局、海に泳ぎに行かなかったなあ。
おととしくらいまでは年1回は誰かを誘ってシュノーケリングしに行ってたんだけどな。
身軽な友人がめっきり減ったことと海というと二の足を踏む友人が増えてしまったので、なかなかいけなくなってしまった。
キャンプと海水浴は1人では行かないほうがいいので、毎回誰かを誘うことにしている。

その代わりではないけど、いろいろドツボに嵌っていて抜け出したかったので、スポーツクラブ通いを再開。
とりあえずは、プールで泳ぎ始めた。



その代わりではないけど、いろいろドツボに嵌っていて抜け出したかったので、スポーツクラブ通いを再開。
とりあえずは、プールで泳ぎ始めた。

2年位前に、立ち読み1回¥1,000生活(毎日のように本屋で3,4時間立ち読みをするために本屋に申し訳なくて¥1,000程度の本を買って帰る生活のこと)を打破するために通い始めたスポーツクラブ。
昨年は夏中泳ぎに行っていて週最低3回は通っていた。
ところが、10月あたりから仕事が大変になってきて行かなくなってしまい早半年。

ああ、復活しなくちゃなあと思いつつ、ついついまた立ち読み1回¥1,000生活に逆戻りしていた。
これではいかんのだ!
ドツボな心理状態を打破するためにも頭が空っぽになるくらいの運動をするのが一番!
・・・ということで自分自身のお尻を叩いて復活。

ここ1年くらい、最低週1回は運動する生活になって、一人暮らしをしていた間に落ちていた最低限の筋力と体力は取り戻したようで、肩こりもほとんどしなくなったし夜更かしも出来るよう(!)になった。
とはいうものの、体力は年々落ちるばかりなので、過剰な期待を自分自身にするのはやめておこう。

泳ぎ始めは体が重くて、なんだかなあ〜と思いながら泳ぐのだけど、段々体温が上がってきて呼吸が落ち着いてくると、俄然やる気が沸いてくるから不思議。
泳いでいる最中は、悩んでいるもろもろのことは頭からなくなっていて、考えていることといえばひたすら泳ぐ姿が美しく見えるようなフォームをしなくっちゃとか、今何メートル泳いだっけ?ってな切羽詰ったことばかり。

満足してプールから上がる頃には、頭は空っぽですっきり。逆に体は浮力を失ってどっしり^^;
快い疲れが体を包む。

家に帰ってから食事をするんだけど、この頃は韓国焼酎 眞露チャミスル(チャン・ドンゴンがCMしている日本向けのものではなく韓国で販売されているほう)を冷酒用の小さい硝子のグラスに2杯くらい飲んでいる。ぶどうの汁のように甘いんだけど、後味がさっぱりしているのでなかなか気に入っている。
アルコール度数は21%(日本酒よりも高い!だから頑張って4杯が限度)
これが睡眠導入剤代わりになって安眠も出来る。

おかげで少しずつ気分も上向き♪
まずは週1キープを目指そう。(チャミスルではなく泳ぐほうね。)

そういえば、「私の名前はキム・サムスン」の中でサムスンが焼酎飲みながらうんちくたれてたなあ・・・もう一度見直して別の機会に書くことにしよう^^



「海水浴」

WORDS & MUSIC BY 浅井健一、PLAY BY JUDE



2005年09月06日(火)
Fringe

窓の外は台風。

風が雨戸をたたいている。
海岸沿いに続く家の前の道路は多分、昼過ぎには通行禁止になったと思う。
家の中から車が走る気配がぜんぜんしない。

JRは朝からとまったままだし。

会社には自動車で通っているんだけど、帰りが大変なので朝から休んだ。

雨戸を閉め切った真っ暗な部屋の中で、風の音を聞くのは実は大好き。
ベッドに横になってずっと聞いていた。

明日、目が覚めたら台風が通り過ぎていたらいいのに。



「Fringe」

WORDS & MUSIC BY 浅井健一、PLAY BY BLANKEY JET CITY



2005年09月05日(月)
思いがかさなるその前に…

土曜日に「積み木くずし真相〜あの家族、その後の悲劇」を見た。
2夜連続だったようで、残念ながら第1夜は見損ねたけど、そのほうがよかったかもという感じ。

私と同世代の女性の実話に基づいたドラマだったのだけど、なんだかやるせなかった。
ドラマ中最後に明かされた真実がほんとうの真実ならば、考えれば考えるほどやるせなくなる。

正確にはドラマの感想とは言えない表現になってしまったけど。
それだけいろいろ考えたということで・・・。



「積み木くずし」というのは、1980年代にフジ系で放送されたドラマのタイトルとして有名。
実在する俳優一家が娘の非行により崩壊していくまでを描いた作品。
出演した俳優や実在する俳優については、書きたいことと関係ないので記述はしないことにする。
必要なら「積み木くずし」で検索をしてください。
私は当時、社会現象になった「積み木くずし」の原作は読んでいないし、ドラマ自体も見ていなかった。
ニュース等でそのあらましを知っているだけだ。
だから、私が要約するよりもはるかに詳しい内容を見つけることが出来るだろう。

「積み木くずし真相〜あの家族、その後の悲劇」は、文字通りこの親子のその後についてドラマとして描かれている。

正直、どういう視点で書けばよいか混乱しているんだけど・・・。

作り物であるドラマとしては、感動的な作品になっていると思う。
母親役の杉田かおるさんはやっぱりすばらしい演技力を持っていると思ったし、舘ひろしさんにああいう役が出来るとは思わなかったので、新境地発見といった気分だったし。
安達由美ちゃんはいつまでも変わらないなあとか・・・。

でも、これが事実に基づいていると分かってみているとどこまでが脚色でどこまでが真実なのかが曖昧でちょっと気分が悪い。
父親がとてもいい人のように描かれているが、物語の流れからみてもこの父親が何も分かっていなくて何も出来ないで娘の命を縮めてしまったように見えた。それはそのまま見知っている原作者の顔にスライドしてしまうのだ。

何か急激な変化があるとき、どうしても変化だけに目がいってしまって驚いてしまう。
そして、そのときどんな態度を自分が取るかまったく分からない。
ある人は、自己防衛に走りその他を切り捨てるかもしれない。
ある人は、なぜそうなったのか分からないなりに考えてその痛みを受け止めるかもしれない。
ある人は、耐え切れずに命を捨ててしまうかもしれない。

自分がその時どうなるかは、まったくわからないものだ。
女性自身も自己防衛に走ったが、父親までが自己防衛に走ってしまったがために積み木は崩れたのかもしれない。そして、当時、今のように原因をまず知らなくてはという雰囲気も社会的にはなかった。

安達由美ちゃんが演じたその女性には非行に走った決定的な原因があった。
でも誰もそれに気づかず、彼女が負った傷にさえ気がつかず責めることしかしなかった。
父親がその過程を手記として発表したためにそこに描かれた内容のみがショッキングに伝えられ、彼女の真実は以後20数年もこの世に出ることはなかった。

何かが起る時、そこには絶対理由があると思う。
誰もその理由について考えなかった結果が「積み木くずし」という現象だったのではないかと思う。
何か決定的な事件が自分の身に起ったとして、その事件を人に話せないだけど、怒りの矛先がどこにもない・・・。だったら・・・。

恐ろしいのは、彼女に対して何かをした人間がいて、自分のやったことを認識していながらその社会現象を見ていたというもう一つの真実がそこにあるということ。
そういう行動に走った理由はただ一つ「気に入らない」から。

そいつらはもしかしたら、普通に結婚して子供も育てているかもしれない。
自分が親になって、そのときのことを考えてみることがあるんだろうか?
自分たちがしたことが犯罪であるということを今きちんと認識しているんだろうか。
もしも、自分たちのしでかしたことを後悔しているなら・・・。
一生その贖罪を背負っていけ。
謝罪の言葉を誰にも喋るな、書き残すな、絶対に。
家族や子供に決してその罪を着せるな。

自分で持って行くはずだった真実を彼女はなぜ手記として残したんだろう。
ドラマの中では、その手記を預かった編集者が父親にそれについて書くように説得をしていた。
それが彼女の最後の願いなんだと。

父親がそのことについて書くことには確かに意味があると思う。
だけどそれは、ドラマの中で描かれていたような美しい理由ではないように感じる。
その理由はなんだろうね。
私はちょっとだけ想像してみたけど、ここに書くのはやめておこう。

たった一人で戦って逝ってしまった女性の最後が、たくさんの友人に囲まれて幸せだったことがせめてもの救いだ。ドラマの中でそのシーンが出てくるけど、実際のその女性の最後も同じだったと知りほんの少し心が軽くなった。

ドラマの描き方は多少脚色されすぎていて気分が悪い部分もあるが、本当に私たちが知るべきだった真実がきちんと描かれていたと切に願いたい。
そうでなければ、"最終章"とは言えないだろう。

「思いがかさなるその前に…」
WORDS & MUSIC PLAY BY 平井堅