天上天下唯我独尊

2006年10月31日(火) 履修不足問題

埼玉の校長が自殺ですって。
何も死ぬこた無えのに……と私は思ったが、主人は
「こうなったら、全国の履修不足校の校長は、皆自殺するといいよ。俺達のせいにすんなー!って」
と言う。
そして朝から夫婦のお馬鹿な会話。
「遺書は便箋2枚ですって。7枚ぐらい書かないと駄目よね。家族宛と教職員宛と教委宛と、あと同級生宛に」
「7万全部に『死ね死ね死ね死ね』って延々買いたらいいかも」
「誰に宛てての『死ね』なのよ(笑)」
「文部科学大臣かな」
先日も書いたが、高校の履修不足問題の原因は、文部省が出した「教育指導要領」にある。
現在の指導要領は、現場が大反対したのに、強引に押し付けられたものだ。
マスコミとそれに煽られた人民は、学校や教師を悪者にしているけれど、どうしてそこを解ろうとしないのかね。

70時間分の補修でOKとか文部大臣は言ったそうだが、受験前の生徒にとっての70時間は、貴重な時間である。
それを受験に関係ない科目に割けというのは、酷であろう。
「こっちは救済措置を考えてやったんだぜ」と言いたげな文部省の態度だが、巫山けんじゃねえよ。
お前らのせいで学校も生徒も迷惑してるんだっつの。
全く、この関連のニュースを見ると苛々して、チャンネルを変えてしまう。

父兄達にも言っておく。
(今は父兄とは言わず、保護者って言うんだよとのクレームは受け付けない。言い方変えたって中身は同じだろ※)
この件で、学校に文句を言うな。
クレームは文部省に言ってくれ。
よーく考えて、現場の意見も踏まえた上で、指導要領作れよなと。

あー頭痛い。
今日は朝から頭痛が酷いので、家事は全部放棄した。
食べ物が無いので買い物だけは行ったけれどさー。
原因は風邪か、それとも肩凝りか。
昨日は1日中、ミシン踏んでたからなー。
1着出来るとついつい楽しくって、気付いたら肩と首がバリバリ……現在は湿布を貼っている。ババアみたいだ。

※「のだめカンタービレ」を観ていて気付いたが、オケでは今でも「コンマス(=コンサート・マスター)」「コンミス(=コンサート・ミストレス)」を男女で使い分けているよね。
「fireman」「firewoman」を「fire fighter」で統一しようとしたのはアメリカだったか。
日本も「看護婦」「看護士」について「看護師」での統一を図っているが、別に変える必要ないじゃん。
TVで「看護師」と呼んでいるのを聞くと、むずむずする。
あーもうただでさえ頭痛いのに、これ以上苛々させんな。



2006年10月29日(日) 「NHK>民放」の証明

10月3日「同和と差別」
10月22日「年下の男の子」を追加。

フィギュアスケート・アメリカ大会をTVでやっていた。
残念ながら男子は見逃してしまったが、女子の部は2晩連続で、ショート・プログラムとフリーを観た。
毎年グランプリ・シリーズはNHKで放送している筈なのに、何故か今年はTV朝日。
民放かあ……トイレタイム(CM)があるのはいいが、なんだかなあ。
と思ったら、やっぱり酷い番組だった。

まず、番組の構成が酷い。
出場順ではなく切り貼りして放送しているので、演技終了時の順位が滅茶苦茶。これでは視聴者は混乱してしまう。
過去の映像やインタビューなどが入る上、余計なコメンテーターも多過ぎ。
そして、実況が酷い。
他国の選手が滑っている時に、わざわざ日本選手の宣伝をする。演技者に対して失礼だろう。
見ているこちらは解説を聞きたいのに、それを邪魔するかのように、無駄話が多過ぎる。
解説の佐藤有香は慣れているのか、それでもそつなくかわしていたが、とても苛々した。
それと、技術的なものなら責めても仕方ないのかも知れないが、氷の音が音楽に被さってしまい、非常に煩わしく感じた。
もしも臨場感を出すためだけにあの音を入れるのなら、止めて欲しい。
フィギュアスケートはスポーツでもあるが、同時に芸術でもある。
音楽を邪魔するような小細工は、その芸術性を失わせてしまう。

自国選手を応援するのはいいが、TV朝日はやり過ぎだ。
これでは、浅田姉妹の宣伝番組である。
やはり、フィギュアの放送は民放には任せられない。
カナダ大会以降も全てTV朝日がやるらしいが、こんな番組作りをするようでは、是非手を引いて欲しい。

今回のアメリカ大会は、SPで2位だった安藤美姫が優勝を飾った。
浅田真央はSPで1位だったが、私は安藤選手の方が良かったと思う。
浅田選手は完璧だったが、安藤選手の力強さの方に、私は魅力を感じた。
トリノは酷かったが、よく頑張って上がって来たと思う。
健闘を讃える。



2006年10月25日(水) 単位が足りない!

福井を皮切りに全国の高校で、生徒の履修単位が足りないという事が発覚した。
ニュースでもワイドショーでもこの件について取り上げていたが、不思議に思った事がある。
北海道と福岡の苛めによる子供の自殺があって、学校の対応が悪かったのは確かだが、それに便乗して学校だけを悪者にしようとしていないか?

履修偽装なんてのはどこの高校でもやっている事で、今の所一部の学校しか名前が挙がっていないが、穿ればどんどん出て来るだろう。
全ての高校でやっている訳ではないが、カリキュラムには実施用と教育委員会への提出用の2つがあり、それは教育委員会も知っている筈。教育委員会には教員経験者も多いのだから。
それが取材に答えて、知らぬ存ぜぬを決め込むなど、とんでもない。
と、教育関係の仕事に就いている知り合いは言っていた。

確かに、決められた事を守らないというのは、教育者として如何なものかと思う。
しかし、学校側だけのせいには出来ないだろう。
学習指導要領を作るのは、教員ではない。
文部科学省の役人や政治家が決めたものを、現場の教員は押し付けられているのである。
「踊る大捜査線」の「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ!」じゃないが、現在の学習指導要領が余りに現実を無視しているから、こんな事が起こるのだ。
では、現実とは?
それは、ゆとり教育によって、基礎学力が全く無い子供達が高校に入って来るという事である。
小中学校で学ぶ事は減ったが、大学入試のレベルが下がった訳ではない。
その皺寄せが、高校に来るのだ。
学校だけを悪者扱いにするのは、片手落ちというものであろう。
文部科学省の責任をマスコミが突っ込まず、世間がヒステリックに学校と教育委員会だけを責めるのは、明らかにおかしい。



2006年10月22日(日) 年下の男の子♪

TVドラマ「天使の梯子」を観た。
8つも年下の男の子を好きになるという、姉の呪縛から逃れられない妹のお話である。

「天使の卵」も「天使の梯子」も読んでいないが、「卵」の方はむかーしラジオドラマでちらりと聞いた覚えがある。
しかし大して面白いとも思わなかった。
結婚歴もある精神科の若い女医が、実妹の彼氏である8歳下の20歳前後の(もしかしたら未成年)の男の子と恋に落ち、婚前交渉の挙句に妊娠、それが元で胎児と共に死亡するという物語だったからである。
阿呆でしょ。
そこには将来の計画など何も無い。
欲望の赴くままの行いの結果がこれである。
「梯子」はその10年後を描いており、姉の死は自分の責任だと思っている妹が、姉同様に8つ下の大学生に惹かれるという、どう見ても呪いとしか思えない話である。
彼氏を寝取られて「一生恨んでやる」と姉に投げ付けた言葉が、結果的に姉を死に追いやったのではないかと妹は自分を責め続けている訳だが、それは違うだろ。
妊娠が元で死んだのだから、責任は姉を孕ませた元彼と姉自身にあるだろうと思うのだが、和解出来ないままに姉に死なれた妹には、そんな事すら解らないのである。
さて、姉の死後10年が経過、高校教師になったものの学校を辞めてしまった妹は、8つ年下の元教え子と再会して付き合い始める。
余談だが、教員の結婚相手は約半数が学生時代からの恋人で、残りは同業者か教え子、そして約5%がその他という、付き合いの範囲が狭い世界である。
普通の会社に勤めて恋人もいる女が、元とはいえ何故わざわざ教え子に手を出すのか、甚だ不思議だ。
元教え子の方は大人の女の魅力に参ってしまい、同い年の彼女を振って、元女教師にのめり込む有様である。
まあ、若い男の子にはままある事なのかも知れないが、女にしてみればこんな子供のどこがいいのかさっぱり解らない。
行動はいちいち幼いし、演技は大根だし、どう贔屓目に見ればこの子供惹かれるのだろうと考えると、やはり姉の呪いとしか思えないのである。
実に詰まらぬドラマであった。

年下男の魅力は何だろう。
私の友人にも年下の男と結婚したのが何人かいるので話を聞いてみたら、
「自分が知っている事を相手が知らない場合、年上は『年上の癖にそんな事も判らないなんて』と思うけれど、年下なら『判らなくても仕方ないかあ』と許せる」
んだそうで……そうなのか?
私は寧ろ、自分より知識も人生経験も豊富だから安心して人生の舵取りを任せられるし、年上なんだからと相手を立てる事が出来るから、断然年上の男なのだが。
身内を見ても、「亭主の方がうんとこさ年上」のパターンが多く、大体が10歳違い、祖父母と従姉夫婦に至っては年齢差15歳である。
私の妹に言わせると、
「うちの女達はねえ、年下の男なんて皆馬鹿に見えちゃうんだよ」
とか……なるほど、確かにそうかも知れない。
別の視点で見れば、平均寿命から見たら女の方が長生きだから、年上女房の方が死期のバランスが取れている。
しかし、女の方が男よりも早く歳を取る。子作りリミット年齢を考えてもそれは明らかだ。
最近の出生率低下の一因がここにあるとすれば、年上女房禁止令を作るべきである。絶対そうすべきだ。
第一、年上女がしゃしゃり出て来ると、同年代と年下の女達は、狩場を荒らされる事になる。
青田買い断固反対!



2006年10月16日(月) 月曜の光

大好きな「TVのチカラ」がなくなってしまい、私は月曜日の楽しみを失ってしまった。
やはり同番組のファンで、「テレチカ愛好会」(会員数2名)を結成していた友人と、
「この間、テレビ朝日の使途不明金問題で解雇されたプロデューサーが、TVのチカラ担当だったんだって。その煽りで番組も無くなっちゃったんだよ……」
「なぬー! そんな、悪いの番組ではなくてプロデューサーじゃないか。私達の楽しみまで取り上げる事無いのにさ〜」
「だよねえ。後番組は『Qさま!!』だって。つまんね〜」
「あんな深夜番組、ゴールデンに持って来ても、あっという間に潰れそうだわ。バラエティなんてつまんないだけで、全く世間の役に立ちゃしない。事件解決のためにも、困っている人々のためにも、テレチカを無くしてはならない!」
などとメールのやり取りで気炎を上げていた。

週に1度の楽しみを奪われて魂の抜け殻になっていた私だが、それに代わりそうな番組を見付けた。
「のだめカンタービレ」である。
巷で大人気のクラシック漫画らしいが、雑誌でちらりと立ち読みしたものの、何も感じなかったので(途中の1話だけじゃそんなものか)大して興味も無かったが、まあ第1回ぐらいは観てみるか、と思ったのである。
月曜夜9時のフジ系列を観るのは、実に久し振りだ。
これまでの月9は若者の恋愛ドラマばっかり、どうでもいいような実に詰まらない内容で、観る気もしなかったからである。
自分の事も碌に解っていないような餓鬼共が愛だの恋だの、くっ付いたの別れたの言っても、そりゃ己が馬鹿だからじゃ!という感想しか、観ているこっちは抱けない。
しかし今回の月9は違うらしい。
「突き抜けた月9」、一体どんなドラマだ?

正直言って期待はしていなかったが、観てみると、素直に楽しめた。
これは毎週観る!と、普段ドラマを観ない主人も言うほど。
我々2人ともクラシック音楽は好きなので、クラシックを題材にしたドラマは粗が気になって苛々しそうなのだが、気にならない程度に作られているし、コメディーだと思えばどうという事は無い。
サッカーファンが「キャプテン翼」を読んで、「立花兄弟の技は反則ではないか。サッカーへの冒涜だ!」などとは怒らないのと同じである。
それに、ドラマ内の音楽が全てクラシックというのも良い。
勿論全曲ではなく、色々な曲がつまみ食い程度に出て来るが、これ何て曲だっけ?とか、この場面にこの曲を持って来るかー!など、違う角度からも楽しめる。

大学で音楽を学んだ友人は、嫌な事が重なって暫く音楽から遠ざかっていたが、原作の漫画を読んだのが切っ掛けで、最近またピアノに向かえるようになったと言う。
「全巻揃えちゃった。ドラマも観たけれど、あれを観ると、学生やり直したいって思うよ」
と、彼女は笑っていた。



2006年10月12日(木) 安部晋三の滑舌の悪さ

小泉の演説は酷い詭弁に苛々したが、安倍さんの演説には別の意味でストレスを感じる。
何故あんなに発音が悪いのだ。
そして何故マスコミはその事に触れないのだ。
タブーなのか?
言語障害者団体から「差別だ!」とクレームが付くのを恐れているのか。

安倍総理が就任早々韓国に行った時の演説。
キム・ジョンナムさんが、家族と対面し云々」
金正男キム・ジョンナム
あのデブが空港で捕まったのは、大分前だよな。確かマッキーが外相やってた頃だ。
正男ちゃんが家族と対面??
安倍さんが言いたかったのは金正男ではなく、金英男キム・ヨンナム氏の事だったのだと漸く判った時には、演説は大分先に進んでおり、その間の話は全く耳に入っていなかった。
何故この人は、聞く者に余計な負荷をかけるのだ……。

また別の日には、残念ながら単語は忘れてしまったが、彼は「き」を「ち」と発音していた。
その時一緒にTVを見ていた主人と、
「うちの親戚のおじさんが『シンちゃん、大ぐなったなあ〜』と言うのと同じだ! 安倍さんも東北の人なのか!?」
「いや、下関かどこか、本州の端っこだった筈よ。というか、政治家一族だから、普通に東京育ちだろ」
と、2人で大笑いしてしまった。
演説家としての才能は無さそうだが、政治家としての手腕には期待したいところである。
まあ、期待だけはね。



2006年10月05日(木) くじらピュー

大鍋に鶏スープを作った。
これで3日ぐらいは、毎日火を通せば、味を変えて飲めるだろう。
そして最終日、夕食はシチューにしようと思って蓋を開けると、中から危険な匂いが。
前の晩は主人が夕食を作ってくれたのだが、どうやら食べる分だけ小鍋に移して調理したらしい。
あの馬鹿……大鍋にも火を通さんでどうする。
捨てた方が良さそうだとは思ったが、勿体無いし、他の献立にしようにも材料も知恵も無い私は、そのまま危ない橋を渡る事にした。
ええいままよ、何かあったとしても彼のせいだ。
さあ召し上がれ!

しかし咎は彼にあっても、被害は食べた者に平しく及ぶのだ。

翌朝、私は残りのシチューを食べ、習い事に出かけた。
しかし運転しているうちに、酸っぱい唾液が口の中一杯に……。
まずい、これは紛れも無く、嘔吐の前兆である。
ついこの間吐いたばかりなのに、またしても。
もしかして、呪われているのか?
家に引き返そうか、いやしかし中間地点は過ぎてしまった、ここまで来たら突き進んだ方が早い。
私は駐車場に車を入れると、手提げを持ってトイレにダッシュした。
そして、胃の内容物を全部吐いた。
トイレから講師に電話して、今日は体調不良で休む事を詫び、家に帰るために車に戻ろうとすると、また吐き気が。
駐車場のトイレで3回、帰りのスーパーで1回、帰宅しても何回か吐いたのだった。
胃は空っぽなのに、胃液がピューと出るのだ。
勢い余って鼻に入ると痛くて敵わんのだ、これが。
結局夕方まで寝て過ごし、夜も食欲が無く、何か食べなよと主人に言われても、その日はポカリスエットしか受け付けなかった。
そしてポカリもピュー。
折角なので体重を量ってみるといつもの2kg減、そして何と、体年齢は26歳と出た。
これは、過去最高記録である。

翌朝も気持ちが悪くて、漸く復活したのは昼近くになってからだった。
体重を量ってみると、体重は更に減って普段の3kg減だったが、体年齢は27歳に上がっていた。
なるほど、何も食べないから体重は減ったが、脂肪以外のところから減ったという事か。
食べないだけではダイエットにならない事が、証明されたのだった。

今回私は嘔吐で苦しんだが、一方の主人は、1日中腹が下って大変だったらしい。
仕事の合間にもちょくちょくトイレに駆け込んでいたそうで。
同じ物を食べたのに、面白い事に主人は下、私は上に来た訳である。
でも主人は腹が特別に痛かった訳では無いらしいので、私の方がより辛い目に遭ったのは、何だか不公平な気がするのだった。
いや別に、主人にも辛い目にあって欲しいという事ではないのだけれど。決して。



2006年10月03日(火) 同和と差別

TVで、同和利権に絡む不正支出の報道をやっていた。
同和問題については小学校6年生の頃、社会科で習った。
小学生ながら白土三平の「カムイ伝」を読んでいた(同級生達がアイドル歌手に夢中になっている時、私はそんなものには目もくれなかった。カムイの方が断然格好いいからな。見た目も人間的にも)ので穢多非人(変換出来ない上に、旺文社の国語辞典を引いても漢字は載っていなかった。こうして言葉は消されて行くのである)については知っていたが、そんな差別は江戸時代のものだと思っていた私は、昭和の代にも身分差別が残っている事にショックを覚えたものである。
しかし今回のニュースで、平成の代になっても本当にそんなものがまだ存在するのかと、またまた吃驚した。
私は生まれてこの方、そんな差別にお目にかかった事が無いのだ。
主人に訊くと、こう言った。
「僕も実際目にした事は無いな。でも関西では、未だに酷いらしいよ。出張で京都に行った時、タクシーの運転手さんが話してくれたけど、障害があると『部落みたいだ』って言い方をするんだって」
「なるほど、同族結婚を繰り返していて、畸形や障害の率が著しく高いからね。それにしたって酷い言い方だけど」
「だよね。でもそんな風に、日常的にそういう差別はあるんだってさ」
と言い、他にもこんな話をしてくれた。

10年ぐらい前、インターネットが一般市民に普及し始めた頃の話。
音楽好きの主人は、ロック関係のチャットに出入りしており、そこで大阪在住の在日韓国人と知り合った。
彼自身も在日だというだけでまともに就職出来ないでいたが、関西では、同和差別も酷いと言って、こんな話をしたそうだ。
差別を受けて激情に駆られて人を殺した男が、獄中で悔い改めて、人殺しをした自分の指を切り落として僧侶になった。
しかしどこの寺でも受け入れて貰えず、拾ってくれたのは結局部落専門の寺だったという。
御仏の弟子と言いながら、仏教界でも公然と差別は行われているのだ。
宗教なんて所詮その程度のものか、とこの話を聞いて、主人は益々宗教嫌いになったそうである。
暫く在日の彼を見かけなくなったある日、ひょっこり彼がチャットに戻って来た。
久し振り、どうしてたの?と皆が訊くと、PCを売ってしまったので、チャットが出来なかった、今はネットカフェから接続していると言う。
働き口が無くなって生活に困窮したため、ミュージシャン志望だったのに、ギターまで売ってしまった。
今は日雇いで働いており、もうここへも来れなくなるから最後に挨拶に来た、と彼は言った。

「頑張れよ、と皆で声をかけたけれど、どうしようもないもんなあ。何かね、もう本当に遣り切れなかったよ」
話を聞いて、私も、どよ〜んと暗くなってしまった。
「でもさあ、そんな目に遭ってまで、どうして大阪に居続けるのかしら。東北や関東に来たら、そんな差別なんて無いから、もっと生活し易いと思うんだけれど」
「何だろうねえ。兎に角あの話を聞いて、僕は益々関西が嫌いになったよ。でも、そう思っている自分にも矛盾を感じるんだ」
ああ、それはとっても解る。
私は差別主義者だから、反対側からそれを見ている。
差別はいけないと言いながら、その人は、差別する人間を差別するという、自己矛盾を抱える事になるのだ。
色々な意見を認めるべきだと言う人は、1つの事を正しいと断定する人の意見は認めていない。これは矛盾であると私は常々感じていた。
それと同じようなものではないか。
主人にその話をしてみると、同意してくれた。
「うん。そうなんだよね。で、シオンはやっぱり差別主義者なのか」
「そうです。肌の色が違うとか、生まれ付きのものによる差別は駄目だけれど、その人の行動による差別はあってしかるべきです。従って、犯罪者や同性愛者は差別してOKだと思います。私の中では同性愛は犯罪ですから。私は彼等の人権は、断固として認めませんから!」
「……いいよ、シオンはそれで。これからもそのまま邁進して下さい。周囲に迷惑をかけない程度にね」
了承が取れたので、このまま突き進みますよ!



2006年10月02日(月) 大人のお菓子

街に出た序でに、主人の好物をお土産に買った。
中に日本酒が入っている飴である。
和風ウィスキー・ボンボンみたいなものか。
アルコールを受け付けない体質の癖に、何故こんな物を好むのか、不思議である。
それでいて、お酒が嫌いな訳では決してなく、本人曰く、
「ああ、お酒の飲める体に生まれていたら、きっと今頃飲み過ぎて肝臓を壊していただろうなあ。下手すると、もう死んでいるかも知れない」
だそうで。
良かったね、飲めない体質で。

仕事から帰った主人は、お菓子を見て大層喜んだ。
夕食後、PCで遊びながらもちょこちょこ食べていたようで、寝る頃には
「ぷは〜。美味しくて食べ過ぎちゃった」
と言って、顔を赤くしていた……バカ?
しかしごみ箱を覗いてみると、ほんの数個分の包み紙しか無い。
どうやら彼にとっては、3個が限度らしい。
食べ過ぎ防止に、肝油みたいに配給制にするか……。



2006年10月01日(日) 人生の墓場へようこそ

平均初婚年齢が高くなり、出生数は下がっている中、若者の結婚に対する意識調査結果というのをTVでやっていた。
恋人がいなくても別にいいし、恋人がいても結婚はしたくない、という意見が最近は多いらしい。
私はちらりと見ただけだが、結婚したくない理由の上位に来たのが、「結婚すると自由が無くなる」「相手に拘束される」などだった。
「ええー? 好きな人と一緒にいたいという気持ちより、自分の自由の方が優先されるものなの?」
と驚いて、私ははっとした。
「ねえねえ、もしかして貴方も、結婚してから自由がなくなったと思ってる? 独身の方が良かった?」
と主人に訊くと、彼は首を振った。
「ううん、今の方がいい。確かに自分の時間は無くなったけれど、それが惜しいとは思わないよ」
そう言われて、私はほっとした。
「ああ良かった。でも世間の独身者って、そんなに自由気儘に暮らしているものなのかしら。私は今の方が断然自由なんだけれど。独身の頃はずっと実家にいたから、夜更かしもぐうたらも出来なかったんだもん。結婚してから自由を手に入れた!って感じだわ。昼間の時間は私の時間だし、貴方のお蔭で自由を満喫しています」
「まあ、シオンはそうかもね」
色んな意味で今は自由だし、今までの人生で多分1番幸せだ。
結婚は人生の墓場だとよく言うけれど、多少の自由を失っても、得るものの方がずっと多いと思う。


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