こちらは原作の感想です。ネタバレの内容で書きますので、まだ読んでいない方、読んでいる途中の方はここで引き返してください。ホントは年内はネタバレは避けるべきかと思ったんだが、やっぱ熱いうちに感想書きたくって。くれぐれも読了されてない方は読まないで下さいよ(しつこく警告)。 というわけで、ハリー・ポッターシリーズ最新刊。もう5作目なんですねー。あと2作で終わりかあぁ。今回は、読む前からまわりの友達に「なんか暗いよ」と聞かされていたのですが…。確かに前までの巻に比べたら随分とシリアス度が高くなっておりまして。前巻までは、楽しいシーンと緊張するシーン、落ち込むシーンと笑えるシーンが絶妙にいいバランスだったんですが、今回は喜怒哀楽で言えば怒と哀の割合がすいぶん増していて。個人的にはこの作品には楽しく可愛いくちょっとドキドキできるものを求めているのだが…。そうは言っても、話が核心に向かってゆけば全体の雰囲気も緊迫化してくるのがコトワリというもの。本当のクライマックスはあと2巻先ですが、この緊迫はさらに増してゆくのでしょう。 そんなわけで今回のこの話。いつもならダーズリー家でドタバタもめながらも笑える感じで始まるイントロが、初っ端から吸魂鬼が登場してただならぬ雰囲気。前半はハリーがフラストレーションを溜め込んでて妙にイライラ怒りっぽいのが気になりました。何かっちゅうと癇癪起こすし…。理不尽な先生や勝手な記事を鵜呑みにしてる生徒達にムカつくのはわかるけど、理解して味方してくれてるロンやハーマイオニーにまで噛みついてるのを見ると「何でこういう反応になるかな」という違和感が。この癇癪は後半に入るとだいぶ収まるが、最後、罠にまんまと乗せられるあたりはやや短慮だった印象のあるハリー。ま、ハリーだけのせいではありませんが。 犠牲者が出たことに関しては。遠因はいろいろありましたが、誰のせいと言うんでなく組織(不死鳥の騎士団)全体にあったと思います。わしが悪いんじゃーとか僕が行ったりしなければーとか言ってないで、全員が集まって今回の問題点を確認し、それを踏まえた上で今後の対策を検討する必要性があると考える。今回の一番の懸案事項はハリーへの情報の不足だと思いますが。ハリーが戦局を大きく左右する人物である以上、ハリーには状況把握できるだけの情報を提示しておくべきだったんではないではいでしょうか。閉心術をなかなか習得できなかった彼ですが、必要性を十分理解させていれば取り組み姿勢もまるで違ってきたはず(夢が罠に利用される可能性があるとわかれば死ぬ気でやるだろ)。いくらその夢が危険だとだけ言ってみても、その論拠をハリーが知らなければハリーにとってあの夢は「ウィーズリーおじさんを救うことが出来た夢」だろう。スネイプがハリー父&シリウスにいじめられてた記憶もショックでしたが、スネイプも騎士団員でいる限りはそれを乗り越えなければならないと思う。 一方、ハリーと同じ情報量だったのに慎重論を唱えたハーマイオニーは冷静だった。…まあ、それでも彼女も説得材料は与えられていないので、結局はハリーと共に敵地へ乗り込んでしまうんだが。まーね、そこで行動に出るのか、慎重に様子を見ようとするのかで、主人公の資格を持つ人物なのか、脇役として必要とされる人物なのかが分かれるところなんだが。ともかく、今回ハリーが短慮だったり聞き分けがなかったりした分、全編通してなんとなくハーマイオニーに同意しているわたしでした。ハーマイオニーがハリーをたしなめるたびに「ハリー、言うこと聞いとけ」と思ったものよ。ハーマイオニーは子供の頃のこまっしゃくれた感じが可愛いかったが、性格は昔よりまるくなってきたのかな。なんとなく会話してても気を使ってる感じがした。成長して思慮深くなってきた証拠かもしれませんが。で、で、でも、「密告者」の烙印はちょっと…。けっこう怖いこと考るな、ハーマイオニー。それだけDAに対してシビアに真剣に考えていたという現れなのでしょうが、せめてメンバーに密告したらどうなるか告知しておくべきだったのでは。呪いは密告者をあぶり出すためではなく密告者を出さないためのものであるべきだろう。 そーそー、成長っぷりで言えば、ジニーが大きくなったなーと感心しました。前の巻までは「妹分」「小さい子」という印象だったんですが、妙にさばさばとカッコいい性格に育ってきて。ヴォルデモートに関して自分だけが悩んでるみたいな顔をしていたハリーにぴしゃりと言って返したシーンで「おおっ」と見直し、その他要所要所で肝の据わった発言が聞かれ。シーカーとしてもがんばったみたいだし、「新漬け」の詩をハリーに贈って玉砕していた頃とは随分変わったなぁと感心しましたよ。これからが楽しみです。フレッド&ジョージといい、ウィーズリー兄弟妹はみんなカッコいいですな! 今回の巻で兄弟妹のほとんどがクィディッチの選手になったわけだし、もしかして運動神経に優れた血筋なのかな?(アーサーおじさんとモリーおばさん、どっちが…) しかしその兄弟妹の中、肝心のロンがわりと最近目立たない…? 今回はクィディッチのキーパーとなってスリザリンの攻撃を受けたりといろいろあったことはあったんですが、キャラとして前より成長したなと感じられる描きかたをされてないので、激動する状況の中にあって彼だけ印象が薄い感じに…。ロンとハーマイオニーも何かあるかなと思っていましたが、別に普通だし。うーん、ちょっと不満です。今後に彼の活躍シーンが待っているのかな。 そしてチョウ・チャン。3巻から登場して、ずっとハリーの憧れの女の子として書かれてきたが、チョウ・チャン自身を描写したシーンがひとつも無いので「まあ、一過性のキャラだろう」と思っていた。今回、ハリーとデートする仲になったのは予想外だったが…。でも、まあ、やはり一過性の関係で終わったのだった。彼女は良くも悪くも普通の女の子ですね。普通の女の子ですが、それまではちょっと非凡な印象があったので(皆がハリーを中傷する中で彼女だけはハリーを評価してくれたり)、ある意味損なキャラだなあと思いました。普通でがっかりみたいな。ま、それはハリーも同様か。口ゲンかになるとお互い譲らない子供同士って感じで(笑)。ハリーの側も彼女の顔がかわいいから惚れただけのようなので、どっちもどっちのカップルだ。こうしてハリーの初恋はほろ苦く終わったのであった。 あとショックだったのは、先にも述べましたが、ハリー父がイジメっ子だったということ。なんかこう、主人公の親って、既に亡くなってるケースだと「素晴らしい人格者だった」という設定であるのが暗黙のパターンなのだが。しかしポッター父子はこれに該当しなかったようで。息子への遺伝が外見だけでよかったわ。ハリーにも欠点はあるが、イジメなどをやる卑しさは無いもんなー。ダーズリー家でいじめられっ子の境遇だったせいでいじめ因子が中和されたのか、それとも正義の母・リリーの遺伝子とブレンドされたのがよかったのか…。 そして最後にルーナ・ラブグッド。変人ですが、なんか…いいヤツだな。最後の方、際限なく落ち込んでいたハリーを、フツーの会話で平常心に戻していく摩訶不思議な力。妙なオーラのあるキャラだ。ぜひ今後も出てきてハリー達を霍乱して欲しい。 次の巻は…いつ頃発売でしょうかね。今回の執筆は3年くらいかかってるそうですが、それと同じくらいか、それ以上かな。長いなー。次の巻もハードなことになりそうですが、あまり沈んだ話にならないことをひそかに願っているのでした。そして、今度はフクロウ達の登場がいっぱいありますように。長くなりましたが、以上です。
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