まさか実写化される日が来ようとは。この作品のドラマ化の話を聞いた時、誰もが最初に思ったはずだ。「お蝶夫人とか、誰がやるの…?」(笑)。そう、昔の少女漫画は、今のそれとは比べ物にならんくらい現実を超越したお伽話の世界であった。それが許され、またそれが求められていた時代でもあった(…ま、今の女子向漫画も別の意味で非現実お伽の世界だが)。 そんなわけで、このドラマ見始めた時はどっちかというと「こんなのありかよ〜」なツッコミどころ満載なものを期待していた。んが。こ…これが、案外本当におもしろくて…。やはりそこは不朽の名作、30年前だろうが大ヒットして名を残した作品の力は並大抵ではない。「快感の法則」が素直にダイレクトに脳波を刺激するあの構造、細かい文句や「なんだこりゃ」なとこが目立っても、肝心なとこでやっぱり面白いんだよな。そして54分過ぎて続きは次週!になると「こ、ここで終わりか!ああン、続きはどうなるの〜!」と、真剣に楽しみにしている自分が…(原作読んで続き知ってるくせに)。それにドラマ見て気付いたが、「そんなんありか」の超越どころはすべてお蝶や藤堂はじめとするキャラクター描写だけで、それを除けばストーリィ的には常軌を逸したツッコミ所はあんまりない(皆無ではないが、それは普通のドラマにもある)。 で、その夢の産物の際たる存在、お蝶夫人。ヘタすっと主人公の岡ひろみより有名な『エースをねらえ』のシンボルキャラクター。あの髪型、あの貫禄、あのネーミング、あのしゃべり。現実性など鼻にもかけない力強い存在感。「よくって、ひろみ」ああ、わたしは生まれ変わったらお蝶夫人になりたい…。 お蝶は、漫画文化におけるカリスマお嬢様キャラの元祖ですよね。後世へのその影響力は強く、リリーナもこの系譜に入る(リリーナの場合、彼女を取り巻く環境だけの話ですが。本質は叩かれて這い上がるひろみ系)。今回のドラマ化では、彼女のキャラクター設計は原作へのリアリティを追求して下さったようで感謝している。見る側の「こんな高校生おるか!」と突っ込みたい楽しみをちゃんとわかって下さってるみたいで。それだけに、やるならやるでもっと徹底して欲しかった気もするわ。練習中にフツーのジャージをお召しなのが不満と言えば不満です。アニメでは試合の時も練習の時も、1人だけピンクのスコート(しかもレオタードみたいなワンピース型)着てたのに。あと、お屋敷ももうちょっと…。門構えは悪くないのですが、玄関ホールやお部屋の調度品が寂しげな感じです。わたくし達のお蝶夫人はもっともっとゴージャスでなくちゃ! 夢の産物、その2。藤堂さん。…こっちはちょっと…。どうしてこの役が吉沢悠クン? お蝶夫人ほどの高級感は必要ないとはいえ、もうちょっとノーブルな感じが望ましかったカモ。吉沢クンが嫌いではないだけになんかなー…。実は、始終緊張して見ている(←本当)このドラマの中で、藤堂さんとひろみのシーンだけ、テンションが下がっちゃうんです、わたし。いつもひろみを見つめて落ち込んだ時は優しい適格なアドバイスをくれる藤堂さん。でもなんか言葉が平凡。「ベストを尽くせばいいんじゃないかな」そりゃそうだけどさ。 それに対し、宗方コーチの言葉の心に響くことよ! 「そこにボールがある限りお前の足は動く」。ただ元気づける言葉より、本人の資質を知った上での確信に満ちた言葉の何と力強いことか。…まあ、役者の器量の違いも無視できないですが。 来週はいよいよひろみがお蝶夫人とダブルスよ…! 宗方コーチの選手選抜はいつも期待通りの波瀾に満ち溢れ。そう、音羽さんの代わりにひろみを選んだあの日から、いかにみんなが「ヲヲ!」と言ってくれるか否かを想定して決めているとしか思えぬ。うひひ、来週も見逃せなくってよ! そんなわけで、今期のドラマはこの「エースをねらえ」と「白い巨塔」しか見てないわたしですが、充分楽しみに満ち満ちて過ごしているのでした。また後半に入ったら感想書きたいと思います。じゃあ失敬。
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