【読書記録】「本当のうそ」 |
12人の作家による掌編小説。3/4(四分の三)の著者を知っての読書となったのですが、本当のうそってどういうものかなと、不思議な心地で読み始めました。お気に入りだったのは以下三篇。 ・吉田篤弘「イヤリング」ほかの掌編小説にはない第三者的な見解が織り交ぜられていて、そこに介在するうそもソフトで後味もよく読みやすかったです。 ・井上荒野「ダッチオーブン」ダッチオーブンと夫。最後まで主人公の女性が一貫した様子に乾杯。読んでいるととてもやきもきするのですが、その感覚こそよかったように思います。 ・山之口洋「プロパー・タイム」せっかくのうそ。このくらいの展開が掌編であるといいなぁと思ってのこの作品。うそなんてひとつですむものではないのでしょうね…。 それぞれにうそのいろいろな形があってよかったのですが、やはり”うそをつく”という行為に対する何かしらが付きまとっていて、それが手放しでお勧めできるかというと少し難しいかなという気がします。読後がよいものを手に取りたい方は少し敬遠、という感じでしょうか。NO.18■p208/講談社/07/12
+追記 デザイン変更したはいいものの、月ごとの表示をするとおかしな状態になっていたのを正しました。今回もちょっとむりのある書き方をしたのが原因でした。デザインをそのまま、ちゃんと表示するようになったので、もし不都合時に閲覧してしまわれた方は、よろしければご確認くださいませ。
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2008年05月31日(土)
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