**Secret**..miho
思い出
2004年09月19日(日)
凍り付いてしまう思い出なんていらない。
いつだって、不変で永続的な温もりのある
思い出の延長線上に生きていたい・・・
どうかそのままでいてね。
ずっとずっと消えないで存在し続けていてね・・・

今じゃなくちゃ幸せなんて具現化できない。
未来の幸せは思い描くもの。
過去の幸せは思い返すもの。
唯一、現在にのみ実在し得るものだから、
時に盲目となり価値を見過ごしてしまう。
それだからこそ儚くて、記憶に留めようと
必死になっているうちに過去になってしまう。
だから遣り切れなくなって目を閉じたくなる
気持ちにもなっちゃうよね・・・

でも、信じる強い意志があれば・・・
揺るぎない確かなモノがあれば・・・
自ずと心にも安らぎが芽生えてきて
過去に対する恐怖も未来に対する希望に
繋がっていってくれるような気がするよ。

思い出は生きるための支えとなってくれる。
でも、時に傷みとなって人間の心を惑わせ、
足を踏み留まらせてしまう事もあるよね。
そんな時、自分を見失いそうになってしまっても
大丈夫だよ。自分である事には変わりがないから・・・
それは誰もが否定できない事実。
ただ自分が自分であっても良いんだという
確信が揺らいでしまっただけなんだよね。

もしも過去が邪魔をするような事があっても
悩まないで・・・時には厳しい心で貫かなくちゃ
いけない事もあるから。決して逃げるわけじゃなくて
前へ突き進むんだよ。確かな目標へ向けて・・・

時空から逸脱する事はできない。
足跡を残さずには生きられない。
だから割り切らなくちゃいけない時もある。
どこかで一線を引かなくちゃ丸くなれない時もある。
全ては今を生き抜くための事。
未来へと開けた現在を大切に想う気持ち。
たった一度限りの人生だから・・・
自分らしく今を精一杯に胸を張って生きていこう。




自己疎外
2004年09月17日(金)
自己疎外…精神や理念が自己を否定して、自己にとってよそよそしい
     他者となる事。主体としてのあり方を失う状態。

今日ほど痛烈にこの感情に囚われた事はない。
よりによって、なんで今日みたいな重要な日に…??

もう立ち直れる自信がないよ。
涙ばっかり。笑顔の自分を見失っちゃったよ…
自分でいる事に愛想を尽かせちゃったよ。
大嫌い…大嫌い…ばかばか、もう消えちゃえ…
生まれ変わりたい…もうこれ以上、私で生き続けたくない。


今日は卒論に関する口頭試問の日でした。
本当に本当にこれが最後…人生における一度限りの修羅場。
今までの努力や苦悩が全て一瞬にして報われるべき日…
この試練を無事に乗り越えなければ、快く卒業なんてできない。
今日のために今まで苦難の道を耐え忍んで歩んできたと言っても
過言ではない。それなのに・・・

最初から分かっていたよ。いつもと同じ…不安でいっぱいだったの。
もうダメだって…絶対に頑張れないって決め付けちゃっていたよ。
そんな気持ちを押し殺して、昨夜は夜通しで卒論と向き合っていた。
辛かったよ…苦しかったよ…逃避したかった…投げ出したかった…
自分でも理解できなかったよ。なんでこんなにも忌み嫌うの??
今までもそうだった??ううん、何かが違う。異常なまでに…

刻々と本番が近づいていって、私は自分の心を制御できずにいた。
思いも寄らない事をしでかしてしまいそうな恐怖に駆られていた…
自分の能力の範囲内で最大限に精一杯の努力をしてきたはずなのに、
微塵の納得も自信も得られないまま、本番を向かえてしまった。
緊張は毎度の事だけど、こんな極度に不安定な自分で重大な口頭試問に
臨む事になってしまうなんて…その責任さえ自ら持てずにいた。
当たって砕ける…なるようになる…そんな軽率な状態ではなかった。

本気でヤバイと思った。平常心を保っていられる自信がなかった。

主査とも副査とも一度も目を合わせる事はなかった。
ずっとうつむいたまま自分の中にいるもう一人の自分と闘っていた。
そして、心に深い深い傷を負った。初めての経験だった…
これまで生きてきた中で今日ほど自分によって傷付けられた事はない。
今でも戦慄が止まらない…救いの光さえ届かずにいる。
私は一体これから自分の何を信頼して生きていけばいいの??

「この論文で最も言いたかった事を要約して簡単に述べて下さい。」
ありきたりの質問だった。これに答えられなかったら絶対におかしい。
それなのに私は…この質問に対して一言も言葉を発せられずにいた。
その間じゅうずっと…ずっと自分の中で葛藤し続けていたの。
思い出すだけでも恐怖でいっぱいになる…もうこんな自分は嫌だよ。

 最も言いたかった事…なんだろう。いっぱいありすぎて
 何を言えば良いのか分からないよ…まとめ上げなくちゃ!!
 昨日、一気に頭の中に叩き付けた事を思い起こさなくちゃ…
 どうしよう。早く答えなくちゃ、このままずっと沈黙はヤバイよ…

顔面蒼白だった。目前の二人の様子が気になって仕方がなかった。

「ねぇ…もしも、このまま何も言えずにいたらどうなるんだろう??」
 えっ?!そんな事をしたら今までの努力が全て水の泡になっちゃう…
 そんなのダメだよ!!ここまで来て台無しになんてしたくないよ!!
「いいじゃん。どうせ苦しむのは自分なんでしょ??」
 えっ??嫌だよ…今まで何のために頑張ってきたと思っているの??
「もういいよ…思いっきり苦しめばいいじゃん。自分なんだから…

 ワタシ、自分なんて ダイキライだもん・・・。」


自分自身を疑った。誰かに否定してもらいたかった。
これは現実ではないのだと…これは本当の私ではないのだと…
自分自身に失望した。自分自身に落胆した。もうどうしようもない。
今の私はもう一人の自分に打ち勝つ気力さえ持ち合わせていなかった。
一方の自分はどんどん自己喪失して脆く砕け堕ちていくばかりで、
他方の自分はどんどん自己嫌悪が増して自虐的になっていっている。
どちらも悪循環の一途で、相互に悪影響を及ぼし合っている状態…
これを食い止める事のできるモノなんてこの世に存在するのだろうか。


外界の時間はそんな私を待つ事なく容赦なく流れ続けていた。
頭の中は自分自身の事で複雑にこんがらがっていた。
卒論の事なんて入り込む隙間はなかった。口頭試問中なのに…
主査と副査の質問の内容がうまく聞き取れずに理解できなかった。
本当に私が書いた論文に関する口頭試問だったのだろうか…
自分が何を言葉で言い表しているのかさえ意識が定かではなかった。
後悔よりも申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
私はこんな人間です。最後の最後で判明する事になってしまうなんて…
愚かすぎる。情けなさすぎる。もう遣り切れないよ…

最後に「ご苦労様」と笑顔で言われたけれど、笑顔を返せなかった。
必死になって涙を堪え続けていた。落胆を隠し切れずにいた。
こんなはずではなかったのに…その場にいる誰もがそう思っただろう。
道を歩いていても感覚がなかった。全身脱力で宙ぶらりんだった。
日傘の上にドスンと何かが落ちてきて、ふと頭上を見上げてみると、
早くもイチョウの木からギンナンが落下し始めていた。
サクランボみたいに二つ連なっていて可愛いギンナンを見つけたので
かがみ込んで一つ一つ拾い集めていたら、急に涙が込み上げてきて、
そのままずっと立ち上がる事もできずに泣き続けていた。
右手で握り締めていたギンナンの匂いが今でも消えずに残っている。


終わっちゃった…私は自分自身に打ち勝つ事ができなかった敗者だよ。
きっと今後も自分自身との闘いは続いて行くんだろうなぁ・・・
自分自身であり続ける事を決してやめてはならない!!
そう思えるうちに何とか自分自身を再確立する事ができればいいなぁ…




m a i l



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