今日の出来事

2001年09月12日(水) アメリカの事件を見て

昨夜のアメリカの事件には戦慄をおぼえました。
民間人を巻き込んだかつてないほどの規模のテロ。

パレスチナ問題が引き起こした今回の事件。
世界の民族、宗教の軋轢というのは我々日本人には
なかなか理解できないものがあります。
日本人の多くは自分の宗教など無いに等しいんですが、
諸外国の多くは自分の宗教という物を持っています。

これは日本人が、うちは禅宗です、と言うのとはレベルが違います。
生活が宗教を中心に廻っていると言ったら言いすぎですが、
そういった感じで日々を過ごしているのです。

無宗教といわれる日本人は諸外国では異常と思われてるみたいで、
あなたの宗教はなんですか?と外国人に聞かれて無いと言うと
怪訝な顔をされるそうです。

その教えの違い、価値観の違いが各地の紛争に発展していきます。
パレスチナ問題もそうで、イスラム教を信じるパレスチナ人と
ユダヤ教を信じるユダヤ(イスラエル)人との紛争です。

イスラエルのユダヤ教の聖地エルサレムというのは実は
イスラム教とキリスト教にとっても聖地の一つなので、
その辺の奪い合いみたいな争いは昔からあります。
あの十字軍も最初はキリスト教徒による聖地奪回が目的でした。

同じ宗教内でも宗派によっての対立があります。
例えばキリスト教ではカトリックとプロテスタント、
イスラム教ならシーア派、スンニ派、ワッハーブ派の対立など。

カトリックとプロテスタントの対立は、
あの北アイルランド紛争が有名です。
もともとアイルランドはカトリックの国であって、
その北部にプロテスタントのイギリス人が移住してきた事で
争いが始まりました。

カトリックは戒律が厳しく、聖職に就くものは結婚もできません。
プロテスタントは反対に緩いのでそれが対立につながっています。
戒律の厳しい宗派と緩い宗派の対立、
これはイスラム教でも全く同様です。


こういった争いの中でイスラムとアメリカの対立が積み重なって
今回の惨劇になったみたいです。
なにか太平洋戦争時の神風特攻隊を思い浮かべてしまいますが、
当事者の心理的な物は同じような気がします。
自分達の信じる物に命を捧げる異常な心理。
ある意味洗脳されているのでしょう。

今回の出来事は相手に言わせれば「ジハード」(聖戦)
という事になるのでしょうが、
それにしても民間人を巻き込むとは許せません。
自己中心的になって廻りの事が見えなくなっているのでしょうか?
それとも異教徒は人間ではないと思っているのでしょうか?

これからもこういった争いは続くと思います。
昔からの歴史の繰り返しです。
悲観的な考えですが、世界中の人が仲良く一つになることは
永遠にないと思うのですが・・・

今回の事件がきっかけになって、争いが大きくならない事を
願うのですが、このささやかな願いが世界に届くでしょうか?

犠牲者のご冥福をお祈りします。


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DEKI
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