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「やうやうしろくなりゆくやまぎは…」
なにげにポロッとつぶやいた海が、「ぎは…」と、音を確かめるように繰り返した。 それから、眉間にシワを寄せてこちらを見る。
「ね…『ぎは』ってなに?」 「知るか」 「やうやうって、柔らかいって意味だよな?」 「…知らねぇよ」 「柔らかくて白くなるのが『ギハ』ってことか?」 「だから、知らねぇって言ってんだろ」 「あ、そいえばさ、電車の車両に書いてなかったっけ。『キハ』とか『モハ』とか」 「あーあったあった。じゃぁ電車じゃね?」 「なんだよ、ちょっとぐらい考えてくれたっていいじゃん」
むぅ…と、口をとがらかしたが、俺は無視した。 そんなん、意味なんかわかんなくても、覚えろってんだから、丸々覚えておきゃいいじゃねぇかよ。 意味まで考えてたら、あっちゅう間にはげるっつの。
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頭脳班ー!もしくは古典に明るい平安生まれコンビを呼んで来てー! 電車の車両の『キハ』『モハ』、子どもの頃謎で仕方がなく(笑) 今見ると『ミハ!?』とか思ってしまう(おお振りネタ)
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