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2001年09月28日(金) ヨゾラノ ホシ。


仕事が終わって、駐車場に向かうとき
夜空にひときわ輝く月が見えた。
まわりに雲が一つもないからなのだろうか。
いつも以上にひんやりとした輝きを見せる月。
「ぽっかりとうかぶ」っていうのは、
こういうことを言うんだろうな…

なんて考えながら、思わずやすくんにメールする。

+++ 月がひかってるよ +++


そういえば、やすくんと会うようになってから
月や星をよく見るようになった。
初めて伊豆のやすくんの所へ遊びに行ったとき、
部屋から少し離れたやすくんの駐車場が高台にあって、
こぼれ落ちそうな星達が空一面に広がっていた。
その星に感動したのがきっかけ、というと聞こえがいいけど、
本当はその時一緒に歩いて行けることがが嬉しくて、
それと同じくらい、いやそれ以上に照れくさかったから。
手を繋ぐことすらできなかった私たちは、
微妙な距離を保ちながら、車から部屋に向かった。
落ち着かず、きょろきょろしながらふと見上げた空に、
満天の星が輝いていたのがきっかけ。


それから、やすくんの部屋に遊びに行くたびに
私は駐車場で空を見上げ、
季節の星を眺めた。
中学生の頃に習った星座のいくつかを
初めて夜空で見つけることもあった。
カシオペア座 オリオン座 北斗七星 白鳥座・・・
部屋に帰る足を止め、空を見上げて星を見る私を、
やすくんはどう思って見てたんだろうか。

やすくんの新しい部屋も
同じように高台にあるから、
場所は変わったけれどやっぱり夜は星を見上げる。

この前、やすくんの親戚の家から帰ってくるとき、
やすくんのお父さんの運転する車の中から
やすくんが夜空を見上げて、

「あ、もうオリオン座が見える。
 冬が近づいてるんだな」

と、つぶやいたのを聞いたとき、
やすくんも同じように夜空を見上げるようになったんだなあ
なんて、少し嬉しくなったことを思い出した。


…なんて、途中までこの日記を書いていたら
やすくんから電話。

「今日の月はピッカピカだなっ。見た?」

私のメールを見ないで電話してきたみたいだけど、
同じこと言ってるから、思わず吹き出してしまう。

遠く離れたやすくんと私に
同じ月の光が 
ふりそそいでるんだね

また一緒に星を見上げようね。





2001年09月26日(水) ウレシハズカシ…

昨日の夜、なんか急に

「来年の今頃、どうしてるかねえ」

なんていう話になった。

現実的な話。
私は3月に仕事を辞めることは決まっている。
でも、
4月からどこに住んで、どういう仕事をしてるか、
具体的な話は何一つ決まっていない。
仕事の話は、今後決まっていく予定なので
そんなに心配してないのだが、
生活のことは全くの白紙。
漠然とやすくんの働いている会社の側に
住むことが決定してるだけ。

福島に行くようになって覚えた、
近隣の市町村の名前を一つずつ出していって、
やすくんの会社の側から通えるか聞いてみる。

「○○までなら、十分通えるけど
 △△だと、ちょっと辛いなあ。
 でも、△△だったら、俺の実家から通えるよ」

「やすくん、自分の実家から通ってないじゃん」

「たまに帰ってくるよ」

「だったら、自分でアパート借りても同じじゃん。
 今よりはたくさん会えるから、しばらくそうしようか?」

「ダメ、だったらこっちに来る意味ない」

端から見たら他愛のない話だけど、
それがすごく幸せな一つ一つになる。

現実的な話もしなきゃってことで
結局、今やすくんの住んでる部屋の周辺で
新しい部屋を借りようってことになる。
私がやすくんのところに行く日は限られてしまうから、
やすくんが勧めてくれることになるだろう。


「あ、こっち来て仕事するとき、どうする?」

急にこんなことを聞くやすくん。
そして、明るい声で。


「俺の名字で働く?」



 なっ ……… なに?


恥ずかしくて嬉しい。



そうだね。そうしようね。


それがいい。


2001年09月25日(火) 驕レルモノ 久シカラズ

やすくんの所で風邪を拾ってきた。

やすくんは私が来る前の日に、
職場でひどい風邪をもらってきていた。

おかしいなあって思い始めたのが、
3日目の朝、布団の中。
2日目の夜、何となく気配がしたから、
風邪薬をやすくんがいない間に飲んだのに
効かなかったらしい。
背中がゾクゾクするし、何だか息苦しい。
くしゃみも出るし、喉も痛い。

やすくんから、うつったのかな。
そう思うと何となく嬉しいけど。
1日バスに乗り続けて帰る
今日でなければもっと良かったのに。

我慢しようと思っても、勝手に出てくる咳。
気づかれたくないから、布団で口をふさいでみる。
一度出始めたら、なかなか止まらなくなってしまって
結局やすくんを起こしてしまう。


「大丈夫?風邪うつしちゃったかな?」

心配してもらうのは嬉しいけど、
大丈夫、って笑ってみる。

部屋を出る時間も迫ってきた。
布団から出て準備しようと思うけれど
体が思うように動かない。

「今日ね、もし帰らないって言ったら、どうする?」

正直に一緒にいたい、って言う気持ちもあったけど、
この絶不調な体調の中、ひとりぼっちで帰る不安も入り交じって
こんなことを聞いてみる。

やすくんは、きっと笑って「いいよ」って言ってくれる、
そんなことを考えていたのかもしれない。

「明日、仕事休むよ。だから今日は帰らない。
  … って、私が言ったら?」

半分くらい、いや、半分以上
やすくんの「いいよ」って言う言葉を期待して、
そしてその言葉を、自分自身への言い訳にしようとして
やすくんの返事を待つ。

だまってるやすくん。
半分ムキになってしまう私。

「やだ、やっぱりここにいる。
 ずっとやすくんと一緒にいる。
 仕事ももういい。ここにいたいよ」

駄々をこねる赤ちゃんみたいに、
布団にくるまってそういい続ける。
そうすれば
やすくんが困った顔をして
「それは俺も一緒だけど、ダメだよ」って言いながら
ギューッと抱きしめてくれるだろう。
そんなことを考えていたのに。



「ダメ。帰らなきゃ。
 今日は、家に帰るんだろ。
 明日は、仕事に行くんだ。
 そうやってゴネるの、悪いところだぞ」



悲しそうな、怒ったような顔をしてる。
そんなやすくんから
全く当たり前のことを言われてしまう。
喧嘩したときでもそんな顔を見たことなかったから、
少しあわててしまった。


「そんな顔で見ないで」



「今、一番大事なときなんだからな。
 今年で仕事終わるのに、そんないい加減なことしてていいの?
 それに、そんな理由で休んだって、ききの親にばれたら、
 せっかくこれまで頑張ってきたことが
 全部無駄になるんだぞ。」


まるで子どもを叱る親のように、
私に厳しいことを言うやすくん。











体調が悪いのも、ムキになった理由の一つ。
でも、それは理由のたった一つ。

本当の理由は、自分のわがまま。

ここにいたい、という気持ちから出てきたわがまま。
ただ、最低なのは。

自分で「ここにいる」って言い出したくなくて、
やすくんに「いいよ」って言ってもらおうとして、
ムキになってた。
やすくんに責任転嫁しようとしてたこと。



やすくんのやさしさを利用しようとした。
最低な私。


2001年09月23日(日) 手をつないで。

(これを書いてる今はもう10月だけど)

バスを乗り継いで、やすくんの故郷へ。
今日は、やすくんと2人でやすくんの実家に泊まる。
バス停まではやすくんの妹が迎えに来てくれた。
その後、やすくんの家族と
例の(苦笑)やすくんのお母さんの実家へ。
やすくんも夜遅く合流する。
親戚とか、家族の前でやすくんと一緒に過ごす時間が、
よく考えたらこれまで全くなかったから、
何だかとっても恥ずかしい。

短時間だったけど、
やすくんは酔っぱらうくらいお酒を飲んだから
結局、やすくんのお父さんが運転する車に2人で乗せてもらって
やすくんの実家へ戻る。

家の1階はお店。
2人でもう少し話をしながら飲むことになって、
やすくんの家族は、先に2階に戻った。
2人で過ごすのはもう慣れっこになってるのに
2階に家族がいると思うと、それだけで心の奥が
くすぐったいような気分になる。

しばらくして2階へ。
本当は、別々の部屋に眠るらしかったが、
弟さんが突然帰ってきたせいで(おかげで?)
2人同じ部屋に眠ることになった。

微妙に離れた(苦笑)布団が2つ。
薄いドア1枚はさんで、妹さんの部屋。


「ねえねえ、一緒に寝る?(笑)」と、やすくんがささやく。
「!!!!! できるわけないでしょ!(汗)」と私。

でも、よく考えると、やすくんとつきあうようになってから
ずっと一緒に眠っていたから
すぐ側にいるやすくんと、別々に眠るのが
なんだかとっても奇妙に感じてしまう。
近くなのに、遠い。
夏、1人でやすくんの実家に泊まったときも
同じ部屋で眠ったけど、
その時感じなかった寂しさが
心のどこかから爆発しそうなくらい沸いてくる。

「…やすくん」
「…ん?」
「手を繋いでくれない?」

その一言で、わたしの気持ちの全部を
やすくんがわかってくれたみたいだった。

「いいよ」

15cm離れた布団の間に、やすくんが手を出す。
何となく安心して、眠ることができた。

気づくと、朝。
肘が反対側に曲がったみたいに痛い。
やすくんの家族が用意してくれた布団はふかふかで、
おまけにその下にマットレスを引いてあったから、
繋いだ手の肘は、不自然な力が掛かってしまったようだ。
でも、
なんだか嬉しい。


手を繋いで迎えた朝。
やすくんとやすくんの家族と迎えた朝。


2001年09月22日(土) バスの中から。

タイトルの通り、
私は今、新宿行きのバスの中。
これからバスを乗り継いで、約半日の旅。




この前の日記から、もう随分たってしまった。
あの後、やすくんは約束通り来てくれた。
そのことについては、
いつか気が向いたら更新する…つもり。


バスから見える景色は、もうすっかり秋。
コスモスが一番きれいに咲いてる。
ほかにもたくさん。
名前がわからなくて残念だけど、秋色の花々たち。
いい旅行のスタートになったな。


バスに乗る度に見えてくる季節の変化。
愛すべき私のふるさと。

福島にも、もう秋はやってきてるのかな。
こことは違う秋の景色が
見えるんだろうな。

そんなことを考えてたら、
嬉しくて
楽しみで
寂しくなった。

来年の秋は、福島で暮らしてるんだ。
やすくんと一緒に。

それはとても嬉しいことだけど、
目の前のこの景色とは
お別れになる

こうやって、嬉しいのと寂しいのを
乗り越えていくだろうなあ


2001年09月13日(木) …鬼が笑うけど。

(昨日の続きになります)


「年末から2月いっぱいまで
 南紀白浜に行くことになった」




……………え?

一気に、気持ちが急降下する。



やすくんの働いているゴルフ場は、
降雪のため冬季クローズになるらしい。

「だから、冬場は近くの系列ホテルにヘルプに行くんだ」

って、実は伊豆からの異動が決まったときに聞いてた。
だけど、本社の方針が変わったとかで
系列内なら、全国どこでもヘルプに行くことになったらしい。
今年は、南紀白浜。

「南紀白浜って… やっぱり遠いじゃん」

あまりに突然のことで
何だか訳の分からない返事をしてしまう。

「え?今より近いでしょ?」

確かに、地図の上では和歌山県の方が近いけど。
乗り継ぎとか、交通の便で考えると
飛行機を使える今のところの方が時間的には近くなる。
料金的にも電車しか使えない和歌山の方が高くなる。

「まあ、実際には来年の話だから…」

なんて、明るく言ってくれるやすくん。
やすくんが思っていた以上に、
私がショックを受けてしまったことがわかったらしい。

「大丈夫だよ。ヘルプに行くんだって休みはあるんだし、
 いざとなったらどこか途中であえばいいんだしさ」
「たった2ヶ月じゃん。それに、正確には年末からだけど、
 来年の話だぞ。そんなにビックリしてたら、鬼が笑うよ」




やすくん、あのね。
南紀白浜だったからショックを受けたわけじゃないの。
いや、確かに
伊豆から転勤すること聞いた時よりショックだったけど。
あの時は、その前からその可能性がわかっていたからで、
今は突然だったからってのもあるんだけど。


私がショックを受けてるのは。


4月、私がそっちに行って一緒に生活できるようになっても、
やすくんが今の会社で働き続けている間はずっと、
何ヶ月かは離れて生活しなきゃ行けない、って言う事実。
それに気づいたからなんだよ。


そんなことが口をついて出そうになるけど、
言いようによっては、やすくんを傷つけることになると思って
急いで胸の奥にしまいこむ。


「だって…
 南紀白浜って、海がきれいじゃん。うらやましいよ」

更に訳の分からないことを口走って、
余計にやすくんを心配させてしまう。
私の中には、また不安な気持ちが胸一杯に膨らんでしまって
ものすごく孤独になる。



やすくんに早く会いたい。


2001年09月12日(水) 嬉しい話と…

台風のことは、もうそろそろ忘れて、
次、私が福島に行く日のことを考えられるようになった今日。

仕事終わりのやすくんから電話。

「あのさ、実は急に休みが変わって来週また連休もらえたんだ。
 台風で行けなかったから、来週行くよ」

すごく嬉しいんだけど、
せっかく気持ちが切り替わって、先に目標ができたときだったから
ちょっと拍子抜けする。

「でもさ、無理しなくていいよ。
 私、次の連休の時に遊びに行くんだから。」
「うん。
 だけど、転勤してからあんまりそっちに行けなかったから
 雪が降り始める前にできるだけ行きたいなって」

なんて、すごく嬉しいことを言ってくれる。

「そう?嬉しいな。
 なんだか、台風のおかげで得した気分だ」
「なんで?台風で1回ダメになってるのに」

これまでの日記通り、
何だか低空飛行をつづけてた私の心が
すっかり上昇し安定飛行。

いつも以上にいろんな話をして、
月曜日の予定を考えたりして。

そんなとき。

「あのさ、実は仕事のことで決まったことがあるんだよね」


2001年09月11日(火) 苦笑。

昨日、台風のために来れなくなったやすくん。
結局、私もいつも通りの生活。


今頃、一緒にご飯食べてるんだろうなあ。
なんて考えながら、夕食を作る。
今頃、やすくん酔っぱらって寝ちゃってるんだろうなあ。
でも、今日は一人で寝なきゃ。


いつも通り、やすくんから夜電話があって
いつも通り、他愛もない話をして、
いつも通り、眠りにつく。


だけど、そのひとつひとつに
「今頃・・・」って言う想いがまとわりついて
いちいちブルーになる。
そんな風に迎えた、昨日の夜。
眠りにつく頃はかなり蒸し暑かったから、
いつもの掛け布団は足もとにたたんでおいて
タオルケットをかぶって眠った。








たぶん、今日に入ってからだと思うのだけど。





あまりの寒さに、眠りが浅くなる。
眠りが浅くなったから、寒さに気づいたのか。


起きて、足もとの布団を広げればすぐに暖かくなる。
そんな簡単なことなんだけど、
起きることより、寒さに耐えながらでも
眠っていたかった私は
タオルケットにくるまって丸くなる。

ふと。


「あ、やすくん、寒いじゃん」


冬場でもTシャツで眠るやすくんだが、
さすがにこの寒さは耐えられないだろう。
なんて、眠りながらそんなことを考える。

ごめんね、やすくん。
寒かったでしょ。
風邪ひかないでね。

と、タオルケットをやすくんの眠っているところに、
眠りながら広げた。





誰もいないところで空を舞うタオルケットから、
冷たい風が広がって、初めて目がさめる。


あ、やすくんいなかったんだ。

もう、十分わかっている事実なのに、
無意識にそんなことをしてしまった自分に思わず苦笑。
もちろん、普段1人で眠っているときはそんなことはしない。
あらためて、
じぶんがどれだけこの日を待ちわびていたのかを
自分自身の無意識中の動きで実感する。


朝の電話のとき。
この話を、私は笑い話としてやすくんに話した。
やすくんは、少し笑ったけど、
すぐ
「やっぱり、無理してでもそっちに行ったらよかった」
って、
少し低いトーンでつぶやく。

私の本当に気持ちに
一瞬にして気づいてしまったみたい。


2001年09月10日(月) 闇。

朝早く、やすくんから電話。。

「これから出る。今のところ、大丈夫みたいだから」

台風が不思議な進路をたどっていた日。

「飛行機じゃなく、東京から高速バスで行くよ。
 そっちの方が確実だろうから」

一応、ネットで予約状況を確認。
よかった。まだ予約受付してる。
受付してるってことは、バスは走るってことだよね。
そうやって、自分で自分を納得させる。
事実、バスの予約センターの方に電話をしてみたが、
営業時間外のため、直接問い合わせることができない。
普通だったらイライラするはずだけど、
今日に限っては私の安心材料になる。

やすくんの方が私より早く部屋に来るから、と
鍵をいつもの所に置いて会社へ行く。


やすくんが、あの鍵を使って部屋に入っててくれますように

そんなことを思いながら、車で会社に向かう。
仕事はいつも以上に忙しく、
ほとんどデスクに戻ることなく午前中を過ごす。
途中、ふと空を見上げる。
空は暗いけど、普通の雨の日と変わらない降り方。

これなら大丈夫かな。

少し安心しながら、昼過ぎようやく一息ついてメールを見る。
いくつかのメールを見て、その後。

「新宿まで来たけど、今日は全線運休らしい。
 残念だけど、福島に戻るよ」






まだメールが来てた。
やすくんから。
帰りの新幹線に乗る前に。
そして新幹線から降りる前に。

でも。

そんなの読みたくない。
気づいたら、留守電も入っていた。

「了解しました」
というメールを返すのがやっと。

目の前が真っ暗になり、心が闇に閉ざされ動かなくなる。
仕事は午後からも忙しいから、
平静を装いながら何とかこなす。
仕事が忙しいおかげで、何となく冷静になれたような気がするが
無意識的に、普段後回しにするような仕事までやって
帰る時間を遅らせようとしてる自分もいた。

帰るときに、やすくんに電話をする。
わざと声を張り上げて、
全然平気だよって振る舞う自分がイヤ。

「台風、どう?」
「ああ、こっちはまだ全然だよ。」
「そう、よかった」




「あのね…」

しばらく間が空いて、後もう少しで部屋に着くというとき、
恥ずかしながら聞いてしまった。

「あの電話とか、メールとかって、本当?」

「…え?」

やすくんは、やっぱりビックリしてた。

「もうすぐ部屋なんだけど、
 もしかして、いるかなって思ってさ。」







部屋にやすくんはいない。

当然だけど。

やっぱりそれが何だかとっても淋しくて、
ガラにもなく涙がこぼれる。

電話をしながら、やすくんがなんども「ゴメン」っていう。

「やすくんのせいじゃないんだから、あやまらないでよ」

やすくんがわるいんじゃないんだから。


ひとりでご飯を食べて、一人で布団に入る。
いつもの生活。
でも、何だかすごく淋しい。


2001年09月07日(金) 自己嫌悪。

昨日の日記を書き終えてから、
何だか眠れなくなって、気づくと3時。
昨日の日記を書いたのも、正確には今日になってからだった。

今のやすくんの状態はわかってるのに、
わかってるフリをしてるんじゃないか、って自問自答。
疲れてるやすくんを休ませてあげたいという気持ちと、
せっかくの休みにこっちに来て欲しいっていう気持ち。
どちらも私の本音だけど、
優先順位をつけようと思うと難しくて、
どちらを優先させても、なんだかタテマエな感じがして
結局また最初からやりなおす。
そんな堂々巡りをしながら、浅い眠りにつく。







何か物音に気づいて、ふと目が覚める。
ぼんやりした視界の中で時計を見る。


もう夏の暑いときのように
まぶしい朝の光がカーテンの間から入ってこないから
薄暗い部屋でゴソゴソ携帯をさがす。




5:50 という表示。





しまった寝過ごした! と飛び起きる。
昨日の電話の時、
「いいから寝てな」って言うのを聞かないで、
やすくんが起きた時に電話して起こして欲しい、って
お願いしていた。

やすくんが言ってた起床時間は、 5:10 。
30分以上たっている。
もう一度、携帯の表示を見る。

「着信あり 6件」
「未読メールあり 2件」

やすくんだ。

留守電に、
「おはようございます。もう会社につきました。
 今日も1日頑張りましょう」
メールに
「おはよう。いってきます(^^)
 早く気づけばいいけど。
 遅刻しないように。」


いつもこうだ。
やすくんのことだけじゃなく、
家族や友人との関係の中で、
一人で先走っていろんな詮索したり
勝手に最悪なシチュエーションを想像して悲しくなったり
そして最後に
「私はこんなに悩んでるのに、どうしてわかってくれないの」
なんて思ったときに限って
その人の優しさに触れて後悔する。
優しさを受けとめ損ねる。


すぐにごめんなさいのメールを送ろうと思ったけど、
どんな言葉でも、今の私の気持ちを代弁することは難しそうだから
なかなか送ることができない。
留守電もメールも
結局、自分が家を出る頃にやっと1つずつ送っただけ。



ごめんなさい。
ぜんぶごめんなさい。




2001年09月06日(木) バカな女。 

わたしは バカだ。

「今日は疲れたよ」

さっきの電話で開口一番こういったやすくん。
ご飯も食べずにこれまで仕事してたらしい。

大変だったね。疲れたね。
この前の休みは、やすくんの従兄弟の結婚式で
休みとは言いにくいものだったし、
この前の職場の飲み会だって、結局おつき合い。
勤務日はずっと日付が変わる前後まで働いてる。
昨日は、自分で作る従業員食堂に食べ物がなくて
キムチとご飯だけで済ませてしまったらしい。

近くに住んでたらなあ。
少しはマシなご飯で迎えてあげられるのに。
「おつかれさん」って、顔見ていってあげるのに。
疲れたやすくんが少しでも休めるように、
やすくんの部屋を居心地いい場所にすることもできるのに。
こんな時、いつも以上に「距離」を感じてしまう。

今の私にしてあげられることは何だろう。
眠そうなやすくんと会話にならない話を続けながら、
そんなことを考えてた。
それで。

「10日さあ、別に来なくてもいいよ。
 部屋で昼頃までゆっくり眠ってたら?」

心とは裏腹なことを言ってる私。
電話は表情が見えないからこそ言える強がり。
10日・11日はやすくんがこっちに来れる唯一の2連休。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

今朝、なんだか気持ちがずーっと重かった。
仕事のこと。
いつもなら大したことないことの一つ一つが
なんだか全部胸に突き刺さってて、
一晩寝てもとれなかったみたいな感じだった。
思いっきり愚痴を言えばすっきりするんだろうけど、
仕事上あまりオープンにできないこともあったりして
やすくんに仕事の話はあまりしていない。
朝から、そんな話をしてやすくんまでブルーにすることないし。
ま、結局、私の強がり。

「…ごめん。今日の私、ちょっとヤな感じだね」
「大丈夫だよ。…あのさ…」
「ん?」
「俺はききちゃん(とは呼ばないけど、一応ね)の味方だからさ。
 きっとやれるさ。考え込まないでやってみな。
 どんなときでも、おれはききちゃんが大好きだよ」

そんな言葉で私を包んでくれてるやすくんの心が嬉しい。
だけど、強がりな私は、言葉を返すのと一緒に
自分の心の中に押さえ込んでる
「弱さ」があふれ出すような気がして
素直に、嬉しい気持ちが伝えられない。

「…やすくんもがんばってね。」
なんて、話をそらす。
そしたら。

「俺さ、やっぱり10日にそっちに行く。
 なんか、ききちゃんが心配になってきた」

その一言が押さえ込んだ弱さに直撃して、
朝の車の中で涙が一粒こぼれた。

「うん。早く会いたいよ」

私からやっと出てきた一言。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

なのに。
自分の気持ちに素直になれなくて、
強がりをまた言ってしまった。

「私は今会えなくても大丈夫。
 それより、やすくんの体が心配だから」

なんて、言ってる。
バカだ。

心の中じゃ、もう一人で立ってる力もないくらい
弱り切ってるのに。
やすくんが、笑顔で「大丈夫」って言う瞬間を
待ち続けてるというのに。



だけど、今の私にできることはこんなことだけ。
休日はきちんと休日らしく過ごさせてあげること。

遠距離は、辛い。


2001年09月05日(水) 不意うち。

最近、朝晩が寒くて、
なかなか起きられない。
ただでさえ、朝はグダグダしないと起きられない私が、
(正確には、目覚めてから起き出すまでが長いんだけど)
これからやってくる寒い時期では
いつも通り出勤しようと思うと
家を出る1時間以上前に目覚ましをセットしないと
大変なことになる。
はあ。

今朝も、なかなか起き出せなくて
布団の中でモゾモゾしてると
不意に電話のベルが鳴った。

「…もしもし。おはよう」

やすくん。

「…おはよう。どうしたの?こんな朝早く」

「昨日、早く寝過ぎちゃったから、
 勝手に目が覚めちゃったんだよね」
「酔っぱらっちゃって、あんまり話せなかったじゃん?
 起きたら、なんか声を聞きたくなったんだ」



やすくんは、しりとりでも絶対に降参しないくせに
こういうことをすんなり言う。

ありがとね。
ほんの少しの時間で、気持ちがあったかくなったよ。
ほんとはね、私、少しさみしかったんだ。

時々、ムクムク沸いてくる私のわがままから出る不安は
やすくんのこういう一言で、小さく小さくしぼんでしまう。

今日も頑張ろうね。
夜また電話するね。


2001年09月04日(火) ヨッパライ。

やすくんから電話がかかってくる。
今日も飲んでるね。
今日は職場の飲み会だったらしい。

最近、仕事が遅くなった深夜か酔っぱらって早い時間か
そのどちらかに電話がかかって来ることが多い。

どちらにしても、長く話をしてる余裕はないので
早々に電話を切り上げる。
そして、
やすくんはそのどちらでも「…ごめん」っていう。

疲れてるってわかってる。
仕事が大変だってのもわかってる。
お酒だって、途中で寝ちゃうことだって
全部に理由があるから、やすくんを責めることはできない。

私も電話中爆睡したことあるし。
酔っぱらって電話して、迷惑かけたこともあった。

だけど、だけどね。

もう少し話をして欲しいよ。
たくさん話を聞いて欲しいよ。
「ゴメン」はいらない。

ヨッパライじゃないやすくん。
たまには私だけを見てくれるやすくんになって欲しいな。

ヨッパライさんは、夢の中へ。
はあ。。。


2001年09月03日(月) ゲンジツミ 

職場のボスに3月で退職する意志があることを伝える。
どちらにしても今年で転勤が決まっていたし、
やすくんの引越準備に行く前、
結果として彼の両親に会うことになる前に
ボスには相談していたから、
あまり大きな驚きはなかった。

「辞めるのか… そうなるといろいろな手続きがあるから」

そうやって言われたときに、
初めて、少し淋しい気分になる。


++++++++++++++++++++++++++++++

やすくんのところへ行くことを真剣に考え始めたとき、
わずかではあるが信頼の置ける人たちに
何度か相談した。
友達、上司、尊敬する人、違う職場の人。
中には、かなり熱心に
「まだ時間があるから、仕事続けながら2〜3年考えたら?」
って、言ってくれる人もいた。
「向こうへ行ってしばらくしたら、絶対後悔するよ。
 仕事辞めるんじゃなかったって。」

でも、
不思議なくらい穏やかに、
私はやすくんの所に行くことを決めた。
心の中で1度も波が立つことがなかった。

これ以上やすくんと離れて過ごす時間がのびるのは嫌だったし、
何より転勤が決まっていたから、
移動してすぐ、辞めることを考えたくないってのがあった。
相談した、なんて書いたけど、
きっと気持ちは決まっていたんだ。


++++++++++++++++++++++++++++++

事務的な流れを一通り説明してもらって、
自分の机に戻る。
「辞める」って決めてはいるが、
まだ、ボス以外このことを知る人はいない。
やすくんのことすら、知っているのはごくわずか。
来年早々、驚かすことになるだろうな。
そんな風に考えながら周りを見ると、
何だか急に全然知らない人たちのように思えてきた。

やすくんと家族になる。
そのことで、たくさんの出会いを経験するだろう。
でも、これからの1年間は、
圧倒的に別れの方が多いんだと思うと
少し淋しい。

やすくんと一緒にいられることが当たり前になった時、
私は今の選択を後悔するのだろうか。


いいや、ない。
私が決断したんだから。
自分で決めたんだから。


2001年09月02日(日) アノヒトノ コト

「タイタニック」って2日連続放送だったのね。
余計にブルーになった。

恐い、イヤだなんて思いながら、
やっぱり気にはなるので、
ちょこちょこチャンネルを変えて見てた。
合計・・・20分くらい。

ラストもすこし。
もう現代の船の上だったけど、それでも泣けた。
全部見たら、どうなるんだろう、私。

昨日の日記に書いたような、切ない、いやドロドロした
アノ気持ちに、やっぱりなってしまった。
過去のことにしがみつくつもりはない、なんて言うけど
やっぱり気になってる私がイヤ。

今も、アノ人とやすくんと、そしてそれを知ってる私のことを
日記につらつら書いてみたが、
だからって、それが今に関係ある訳じゃないし、
私と出会う前の話だし、
そんなことを書いても、精神的に不細工になるような気がしたので
全部消した。  ははは。

私とやすくんが過ごしてるこれまでの時間と、
写真でしか見てないアノ人とやすくんが過ごした時間。
わたしはまだ、アノ人の半分にも及ばない。
・・・・そんなこと、普段考えることもないけど、
気持ちが弱ってるとき、不安になるとき、
急に大きく私にのしかかる。
きっと、これはアノ人の過ごした時間を超えるまで
見えない鎖になるんだろうな。

私ってバカだな。


きき MAIL

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++優しいココロの おすそわけ++