I think so...
Even if there is tomorrow, and there is nothing, nothing changes now.
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2002年07月20日(土) |
one and only. |
もうそろそろ動き出さなくては。 休息なら充分にとった。
早いとこ動かないと、すぐにダメになる。
急がないと。
「君にはひとつだけ、とても大きな欠点がある。それはなんだと思う?」
いつだったか、あたしがまだバーというものに勤めていた頃によくしてくれた人がいた。 その人はその店の系列の元締めで組織的には会長という肩書きだった。
早くに死んでしまった奥さんにあたしが似てたらしい。 彼はそんなこと一度だって口に出したことは無かったけれど、 お世辞にも親切とは言えない周りの大人達がいろんなことを教えてくれていたんだ。
あたしはその頃、フルで出勤していたからほとんど毎日そこで他愛もない話をしていた。 大体21時過ぎ、まだ店がガラガラの頃にフラっとやってきて、あたしの前に座る。
そうすると、あたしはいつものように慣れた手つきでシェイカーを振った。
ブルームーン。
はじめて話をした時に、なんでもいいからと言われてつくったカクテルを彼はいたく気に入ったみたいだった。
多分、味とかそういうものが気に入った訳ではないんじゃないかな。
ブルームーンには「出来ない相談」という別の名前が付いている。 それが理由だと思うんだけど。
飲んでいる間、なんの話をする訳でもない。 けれど、あたしより二周り以上人生を長く経験していた分、大きく見えた。
ショートカクテルはすぐに空になってしまう。 時間をかけて飲む奴はスマートじゃない。
ある日、いつものようにブルームーンを飲んでいた彼がこう言った。
「君にはひとつだけ、とても大きな欠点がある。それはなんだと思う?」
あまりも突然すぎた。 答えなど見つかりそうも無かった。 その頃のあたしは自分の欠点を見つけられるほど生きてはいなかったから。
しばらくして、彼が席を立った。 それと同時に。
「それはあなたが優しすぎる所だよ」
バーカウンターの上にはカクテルグラスだけが空っぽのまま残っていた。 少しだけ残ったブルームーンの雫は、ゆっくりと落ちて、 それはまるで誰かの涙みたい見えた。
2002年07月16日(火) |
冷たくなんてしてあげない。 |
とりあえず朝は来る。 寝ていても、起きていても、泣いていても、笑っていても、 ごくごくありふれた繰り返しのように朝は来る。
仕事の話はなるべくなら誰にもしたくない。 説明するのが面倒なんだ。 別に難しいことをしてる訳じゃない、 でも、説明っていうもの自体が、なんだか無意味な気がするから。
すこしだけ軽く話す。 やっぱりわからないみたいだ。
食事に誘われた。
でも当分そんな気分にはなれそうにもない。
20:00にアルタ前で待ち合わせる。 可愛い女の子。 そのあと、少しだけお互いの話をして、それからもう一人部屋に呼んだ。
なにかを変えるのはとても簡単なことで、 結局のところ、変化を恐れているうちは何も変わることなんてない。
2002年07月09日(火) |
振りかざして、惑わして。 |
だめだなぁ、と思う。 今の自分はだめだめ、だ。
なにをしたいかを優先しすぎて、 しなければならないことを後回ししすぎた。 そのツケの代償はあまりにも大きい。
考えてみた。
動かないとなにも変わらない。
とりあえず行動をおこしてみる。
後のことはその時になってから考えよう。 とりあえず今は現状を塗り替える努力をして。
なにも考えずに笑ったりしたい。 もう振り回されたくない。
戻りたくない。
だから、週明けまで自分を殺す。 梅雨が明ける頃には真っ白になれるように。
2002年07月07日(日) |
予告までしか演じない。 |
2ヶ月の時間を経て、失ったものを数えてみた。 やっぱり上に上に登りつめて行くほどに息苦しさを感じる。 なにかに向かって走ってる時はそんなに重くない。 けれど、一度立ち止まってしまうともう動けない。 その「なにか」を掴んでしまった時も同じように、動くことが出来なくなってしまう気がする。
もうどれくらいの時間が過ぎたんだろう。 あたしは二十歳になりました。 二十歳になるまでの毎年この日が来る度に憤りを感じ続けていたよ。
過去は消せない。 終わってしまったものを変えることなんて出来ない。
きっと、永遠に夜なんて来なくていい。
頭が割れるような朝の光の中で溶けてしまえばいい。
どんなに願っても、現実は願望以上のものになることはない。
過去は消せない。 未来は汚せない。
あたしに出来るのは、今あるものを壊すことだけ。
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