陶芸家、または陶芸作家という生き方をするならば、これは
読んで字の如く「陶の芸」でありますから、只モノを作れば良い訳
ではありません。
そこが焼き物を作るのと違うところです。
焼き物を作るのは、これは誰でも出来る事です。
苦しみ、苦しみ、また苦しんで、時には狂い、時には人を遠ざけ、
もがきながらでもその先に自分の追求する焼き物がある。
そしてその先に言い様の無い極楽がある。
その極楽を見てしまった時に焼き物屋から陶芸家になるのだと思います。
陶芸に決まり事はありません。「こうあらねばならない」と思ったら
そこで陶芸家生命は終りだと思っています。
只一つ私が守っている事は「土でしか表現出来ないモノを作る」という
一点です。
私は伝統工芸の世界におりますが、伝統とは只受け継ぐものではありません。
むしろ私が後世に残る伝統を作るという心根でおります。
まわりの人から見れば何とも鼻持ちならない輩なのでしょうが
それで良いんです。
さあ、これから死ぬまで狂ってしんぜましょう。

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