とりあな

2004年03月03日(水) 空のオルゴール

出版社:新潮社
著:中島らも

『ガダラの豚』(中島らも・著)のあっさり版。
あっという間に読めます。
「何か色々考えなきゃいけないけど、もう考えるのいやだー!
でも疲れているから長編は無理。現実的なのを読むのはしんどい」
という時の気分転換に最適な1冊かと。

フランスを舞台に手品師集団+合気道使いの大学院生と殺し屋が、ゆかい軽妙少しハレンチほのかにおセンチな対決を繰り広げる。
らもさんお得意の武道解説もしっかり有ります。

ところで中島らもの小説にホ○必須登場のような気がするのですが、これは気のせい??
それとも私のチョイスに問題があるのか・・・。

『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』>『人体模型の夜』>『ガダラの豚』>『今夜、すべてのバ−で』が私の好きならも作品ベスト4。
(きりが悪いが、他は順不同なので)

『こどもの一生』は来週頃読む予定。楽しみ〜うきうき♪



2004年03月02日(火) 難破船バタヴィア号の惨劇

出版社:アスペクト
著:マイク・ダッシュ 、訳:鈴木主税

−時はオランダ東インド会社華やかなりし17世紀。
オランダ東インド会社の商船バタヴィア号が処女航海で難破。
島に残されたのは数百名の乗組員と乗客。
そして自分の残酷な王国をつくろうと目論む副商船員イエロニムスだった−

当初はバトルロワイアル的なものか、カニバリズム的なものかと思っていた。(丁度ホラーが読みたかったもので・汗)
しかしいざ蓋を開けてみると「よく分かる!東オランダ会社と17世紀の航海船内」でした・・・。

いやイエロニムスとその僕たちの残虐非道な行いもしっかり書かれてはおります。
歴史的な背景を説明しないと、イエロニムスが見えづらいという事も分かります。
歴史資料にしっかりと基づいて書かれているので、島での行いがあっさり風味なのも仕様がありません。
面白く興味深い本ですが、エンターティメントな要素はあまり無いので、それを期待して読むと少しがっくりきます。

ですが確実に引き込まれます!!
西洋史が好きなお方にお勧めの1冊ではないでしょうか。
最終章で、犯罪心理学からアプローチしているのが大変興味深かったです。
そう・・・これを「ホラーだ!」と思い読んだ私が間抜けなのです、トホホ。


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