人と同居するという事はいったいいつぶりだろうか 生活時間が違う事もあって、各人の部屋は別なので他人に睡眠の邪魔をされつ事はなく、そこは若干ながら安心できる所でもある しかし、ふと思い起こせばいわゆる通じというものが、ご無沙汰である さほど不便はない生活ながらも、やはり新しい環境での慣れない物音に緊張しているのだろう 一人の時間はあるものの、隣近所の物音と家の鍵が開くときの音の区別がつかず耳を澄ましている自分がいる なんか落ち着かない そう この落ち着かない感じを 落ちつく感じに早くしよう
住まいのお気に入りの点は、部屋やリビングの窓から木が見える所 冬間近なこの張りつめた空気を、さわさわと風が揺らして木の枯れ葉がゆらゆらとそよぐ様はとても風情があって穏やかな気持ちにさせてくれる 広めのベランダはテラコッタの装飾で春になったらひなたぼっこができそう
料理して洗濯して掃除して、日用品の買い出しをする 夫とまだ呼べない人は仕事をして必要なお金はくれる しかし、見知らぬ土地に来て、ごはんは一人で他人と話す事もなく過ごす日々 自分の世界は同居人と今の住居だけなのに、同居人は変わらず友人も仕事もあって社会と繋がっている 主婦が味わう退屈と孤独 酒でも飲まなきゃやってられない ロマンスの一つでもなきゃ退屈に埋もれて死んでしまいそう そのようにのたまう心のうち 確かに明日はきっとやってくる 明日の食事に困る事もなく 飢える心配もないという安心そして安定はある しかしこの鬱屈した息をするのも苦しいほどの窮屈なこの感じ 飽き飽きしつつもその生活に安穏と身を置いてしまう感じ 己が他に変わりなき唯一の存在である事への自信の喪失 心が乾き、揺らいでいくこの不確かさ 自分が他人と交わり、この退屈な暇つぶしの何十年かを過ごす その時間をいかように過ごすのかは己次第である 専業主婦のみなさんはこのような感覚と長年お付き合いしているわけだ すごいなぁ 子育てに幸せを見いだせない人は浮気やお酒というスパイスが欲しくなるのも感覚的にではあるものの、少しわかる気がした
この今の私の孤独をどうにかできるのは他の誰でもなく自分だけ 同居人とこの先どうなろうとも、東京へ来る道を選んだのは他ならぬ自分自身なのだから
深淵なる退屈が人を狂わせる
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