Missing Link

2003年05月31日(土) やさしい気持ち

僕は言葉を書く
疲れていても 熱があっても 死にたくなっても
飽きもせず
頭に浮かぶ言葉達を現していく

頭に在る時それは
どこにも存在しないものなのか

僕の頭は実はどこかのバンクにつながってて
そこを共有するたくさんの意識たち
(それは人であったり 動植物であったり 自然そのものかもしれない)
の中にある『言葉』を借りているのかもしれない

そしてそれを現す時
口とか指が
また勝手に動く
その部分だけが誰とも共有しない僕自身なのかもしれない

僕は言葉を書く
それだけが欲望らしい欲望
幸せになりたい為に
僕は今日も言葉を紡ぐ



2003年05月24日(土) 君を忘れない


『ひとは死んだらどこへ行くの?』

 初めて黒い服を着たひとに聞かれ
 私は数年前失った友人を思い出した

 その悲報を聞いた時
 どうしようもないやるせなさと
 悲しさで、彼を無責任だと責めた
 応えるひとは誰もなく
 そのまま一晩泣いた

 やがて悲しさは風化され、記憶も埋められた

 でもさっき彼を思い出した

 彼の笑顔や不機嫌そうな顔
 彼と交わした会話
 そんなものが
 自分の内から次々と湧き
 目と胸の奥が熱くなった

 あぁそうかと思った

 彼はまだ死んでなかったのだ

 彼はまだ私の中に、
 彼を知る 彼を覚えている
 彼を懐かしむ人々の中に生きている

 人の死は
 その人を懐かしむ人が誰もいなくなった時に
 訪れるものだとようやく
 言葉でなく 感覚で知った

『ひとが死んだらどこに行くの?』

 きっと君の中に還るのだと
 もう少し大きくなったら
 君に教えよう






2003年05月18日(日) ひとりあそび

片思いは
長く続けるものではありません。

いつか実らせようと思うなら、特に。

でも、
実らないものなら
そのままずっと

美しいままで
ずっと・・・



2003年05月16日(金) 風のその先

ふと振り返ると
見たくない場面や

思い出すたび
握りこぶしから
血とも汗ともつかないものが
滴り落ちそうな

そんな事もあったけど

そんな時も
どんな時も
俺は俺であったので

繰り返される
嵐の中
後悔は案外出来ないもんだと
目を細めて
思いました




2003年05月10日(土) 物語は偽りでも そこにこめられた想いは本物だから

まだ誰も見たことのない未来の話を
SF作家なら書くし
その手で殺人を犯したことがなくとも
推理小説は書ける

だからこの世に

たとえ『真実の愛』など存在しなくとも

私は
貴方に

たくさんの美しい
愛の物語を贈ろうと思う




2003年05月06日(火) 夏の日

あの白い花が今年もまた咲き
君の好きだった季節が来ました

降るような小さい花の下で
艶やかな緑の中で
笑う君を思い出すたび
戻せない時を
切なく想います

あの日云えなかった言葉は
君以外に云うつもりはなく
もう
僕の中のどこにもありません

きっと
あの白い花の下に
埋まっているのでしょう

だから花が咲くたび
僕は
君を
切なく想うのです


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翠 [HOMEPAGE]