TALK TO MYSELF IN MIDNIGHT 

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ターミナル

「もう会えないの?」
その一言を飲み込んで

冷たい風の混じる
初秋の街を行く

「はじめから
 分かっていた事だろう?」

ハンドルを握る手も離さずに
わたしを見てくれずに

そう言ったあなたに
何も言えなくて

明日から
あなたを忘れて
生きていく


とりのこされて

喜びも
悲しみも

流れゆく季節に
身を任せ

瞬きする間に
過ぎ去って

残るのは
人の心だけ 


求める者よ

君と
雨が上がるのを
見ていた

浜辺で
砂に
足をとられながら

すこし さびしい
初秋の浜辺

愛って
どこに
あるんだろうね?


問い

旅人よ

神の沈黙は
冷酷ゆえ?


愛ゆえ


血と涙

夏の終わりを告げる
みじかい雷鳴

子供たちは
光の中へ

神は無慈悲だと
人は叫ぶ

神に涙はないと
誰が知るのか?



風の鳴る丘にて

コバルトブルーは
君の色

さえぎるもののない大空を
飛翔する君は

何処へ
帰ってゆくのだろう

その瞳に
深い哀しみと
愛を宿して



author:蒼井冬星 HOME  
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