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「3月のライオン 1」羽海野チカ
2008年02月28日(木)
17歳のプロ棋士、桐山零(れい)。
家族もなく、一人で川沿いの小さな町の一室に暮らす。学校でも友達のいない彼だが、近所に住む三姉妹だけは、彼を暖かく受け入れてくれていた。三姉妹も祖母と母を亡くしているようだが…?

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あー、すごくよかったです。
暖かいのとほっとするのと、生の感情が入ってる感じがするのと。
絵もほのぼのしてて大好きです。三姉妹かわいいし、零くんもひょろひょろしてて好みです(笑)

あの、二海堂くんいいよね。むっちり(笑)
最初はうざキャラと見せておいて、あれはやられるよー。特に屋上のシーンが私は好きでした。こういう風に真理に気づくことって、あるよなあってすごく思わされた。
私(たち)が、漫画や小説などを読むのは、こういう気づかされる瞬間、感情が揺さぶられる瞬間を追体験したり、自分の経験を思い出したりするためなんだよなって思います。

零の過去とトラウマが少しずつ明かされていって…それが癒される物語だといいなと思います。

おまけ漫画の、あかりおねいちゃんのワンピースには笑いました。
★★★★★
「小生物語」乙一
2008年02月27日(水)
Webで公開されていた虚実入り混じった(と思われる)嘘日記を一冊にまとめたもの。
彼はいいですよー。
私の好きなバンドのメンバーが日記を書いていて、私は彼の日記が大好きなのですが、なんだか通じるものがある気がします。淡々としていて時々自虐的でどこから嘘になったんだかよくわからない、というような…。

私も、嘘日記書きたくなりました。影響されやすいんです(笑)
★★★★
「LOVELESS 8」高河ゆん
2008年02月25日(月)
清明が主役を張っている一冊。
なんだかよくわからない話になってきました。いったいどういう話なんだっけ。あ、よくわからないのは最初からか。
前ほど、言葉が響いてこない気がします。
しかし、今まででも一、二を争うほどに好きな絵が多いです。なぜか。
「ランドックの刻印 グイン・サーガ」栗本薫
2008年02月22日(金)
パロで療養するグインの元に、ケイロニアからの迎えがやってきた。敬愛する王との再会に涙するケイロニアの面々であった。
しかし、グインの記憶は一向に戻る気配がない。古代機械が鍵を握っているとみたヨナは、グインを古代機械の元へ連れて行ったが……。

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まあ、ケイロニアのみなさんよかったわねえ、という一冊。
私はこういうの嫌いじゃないです(笑)
もうちょっと話が進んでもいいんじゃないかとは思いますがね!
(でも、その進まなさこそがグイン・サーガでもあるわけですが……)

あとがきを読んだら、入院して手術されるとのことで……心配になってしまいました。
お願いですから、グインは終わらせてください。
タイスにあんな長居してる場合じゃないって。
「あのひととここだけのおしゃべり」よしながふみ対談集
2008年02月21日(木)
いろいろな雑誌に掲載された、漫画家よしながふみ対談集。対談相手は、やまだないと・福田里香・三浦しをん・こだか和麻・羽海野チカ・志村貴子・萩尾望都。

雑誌掲載時から、じっくり読みたいと思っていたものがいくつかあったので、大変おもしろく読みました。
特に羽海野チカとの対談は、自分の漫画がメディア化するということ、について語られていてとてもおもしろかった。
クリエイターたちはどういう気持ちでいるのか、っていうことにとても興味を抱いているのですが、ここまで言葉にしてしゃべってくれる人ってなかなかいないと思います。

自分が好きな漫画の話もたくさん出てくるし(知らないのも多々あれど…)、漫画読みとしても、おもしろく読め…いや、こちらはそうでもなかったかな(笑) こちらは、やはり近い立場であるわけなので、えーそうかなーと思うことも多いですからね。特に、私は24年組が理解できないんで(笑) これでも漫画読み暦はけっこう長いんですけどねー…。
女性観についての話もけっこう多いんですが、こちらはさらにもやもやしましたね…。えーそうなのかなー…私も女性のはずだけど、みたいな(笑)
「愛すべき娘たち」の修道院に入っちゃう女の子の話のこととかね。なんか、違うような…。と、あちこちで違和感もありつつ。

ちなみに私が本書でいちばんウケたのは、ホットロードの話の時の三浦しをんの「蟹食うときは気をつけろ、みたいな(笑)。」でした。懐かしいなー(笑)
「エデンの命題」島田荘司
2008年02月03日(日)
「エデンの命題」「へルター・スケルター」の中篇2本を収録。

「エデンの命題」
アスピー・エデンと呼ばれる、アスペルガー症候群の子どもたちを集めた施設で、ザッカリは暮らしている。
ガールフレンドのティアが、突然いなくなり、彼女からという手紙が届く。そこに書かれていたアスピー・エデンの秘密とは…。

「へルター・スケルター」
ベッドの上で目覚めたトマスは、ひどく記憶が混濁していた。
女医の言葉により、5時間以内にこれまでの記憶を取り戻さなければ、廃人化の未来が待っているという。5時間というのが、記憶を取り戻すために投与された薬の限界なのだ。
女医との会話を通して、トマスはこれまでの自分の人生を振り返るのだが…。

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最近よく読んでいる島田荘司。基本的にこの人の文章好きだし、一定のクオリティが保たれているからね。

2本とも、医学的な薀蓄がたんまりでした。
展開は、なんとなーくこのまま行かないんだろうなあと予想はつきつつ、ああ、そうなるのかー…という感じで。(どんなだ) それなりに楽しかったです。

「へルター・スケルター」って、ビートルズの曲にあるんですね。ネジ式でも、ビートルズの曲の解釈がどーのこーとのやってましたっけね。
★★☆
「CRAZY FOR YOU 全6巻」椎名軽穂
2008年02月02日(土)
女子高で、彼氏いない暦17年の幸(さち)は、初めて参加した合コンで遭遇した男の子に「かわいい」と声をかけられて舞い上がる。すっかり幸浩(ユキちゃん)にメロメロの幸だったが、親友の朱美に「ユキだけはやめな。泣かされるよ」と忠告されてしまう。
それでも真っ直ぐユキに飛び込んでいく幸だったが…。

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「君に届け」が大好評な椎名軽穂。他の作品も読んでみたいね、ってことで買ってみました。
素直にかわいい学園ラブコメ(コメではないか?)でした。
幸と、幸の親友の朱美、朱美の彼の雄平、雄平と同じ男子校のユキと赤星、という5人の恋模様がピュア〜な感じで描かれてます。

ユキがダメ男っぽく描かれてるけど、え〜全然こんなのダメじゃないよ、正直で真っ直ぐじゃん!とか思っちゃいましたが(笑)
でも、絶対、赤星の方がいいと思うよ! 合間に書かれてる作者のコメントとか読んでも、赤星の読者人気高そうでしたね。うん、だって赤星がすごくいい男に描かれてるんだよ(笑) 私、黒髪好きだし(笑)
まあ、恋は理屈じゃないんですよねー。
どの子も素直で純粋で、それが嫌味なく後味よく描かれていて、この人の漫画は安心して読めると思いました。

そんな感じで、私はこの子がヒイキーとか思いながら読むと、より一層楽しめると思います。
ちなみに私が男だったら朱美の方がいいです(笑)
★★★
「理由」宮部みゆき
2008年02月01日(金)
荒川の高層マンションで起きた、一家四人の惨殺事件。
この事件の被害者は誰で、加害者は誰だったのか、そしてなぜ起きてしまったのか…。
ルポ形式で、事件の背景をたどる。

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まだ私が学生だった頃、どの先生だったかどんな授業だったのかも忘れましたが、「理由」はいいから読んだ方がいい、と言っていた先生がいて、いつか読もうと思っていた作品でした。あれから何年経ったかわかりませんが、ようやく読みました。特に理由はないんですが、なんとなく気が向いてね。

本書はルポ形式ということで、小説的に描かれている部分と、事件の関係者からのインタビューとして描かれている部分とありましたが、そのせいか、ほんとにどこかにあった事件のような感じがしますね。
事件の背景なんかも、すごくありそうだなと思わせる説得力があって。「事実は小説より奇なり」という言葉もありますが、この小説は現実より現実っぽいなと。
その反面、あまりにも現実的すぎるのか、感情移入はほとんどしませんね。すごく他人事という感じがする。

でも、おもしろかったですよ。
毎日お昼休みにちょっとずつ読んでたんですが、それぞれの関係者にそれぞれの事情があって、複雑にそれらが絡み合った事件の全容が少しずつわかっていく…というね。いろんな人生があって、いろんなやむにやまれぬ事情ってあるんだよなーと思わされます。
ひとつひとつ丁寧に描かれているのが、やっぱりこの人すごいなと思います。

ただ一人、「彼」の過去は簡単にしか描かれてませんね。それはあまりにもありふれているからなのか…?

あと、これって実は「擬似家族もの」なんですよね。失敗した「擬似家族」、壊れてしまった「家族」の話なんですよね。
私は擬似家族ものが好きなんですが…。うん、でも「失敗した擬似家族もの」が好きなわけではないなあ、と思いました(笑)
★★★☆


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