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2005年総括
2005年12月31日(土)
■2005年読んだ本
小説・エッセイ・ノンフィクション89冊
漫画91冊

■今年読んだ小説でおもしろかったもの
「博士の愛した数式」小川洋子
「九十九十九」舞城王太郎
「グッドラックららばい」平安寿子

「博士の愛した数式」は、今まで読んだ本の中でもベスト5に入るくらい大好きな本になりました。文庫がこの間出たので早速購入して、ぱらぱら読んでまた大泣きしてしまいました。
「九十九十九」も意外におもしろかったなあ。万人向けではないけど、私はすごく好きだった。
恩田陸は今年も精力的に新刊が出てたので、たくさん読みました。「夜のピクニック」はよかったよなあ。あと「夏の名残りの薔薇」「ユージニア」「 「恐怖の報酬」日記 」「蒲公英草紙―常野物語―」「ネクロポリス」を読みました。

■漫画でおもしろかったもの
「監督不行届」安野モヨコ
「夏目友人帳 1」緑川ゆき
「不思議な少年 4」山下和美

連載中の「PLUTO」「DEATH NOTE(7巻まで)」「フラワー・オブ・ライフ」「ハチミツとクローバー」「きみはペット(連載終了)」はどれもおもしろかった。
「太夫1 鬼外カルテ其ノ拾参」(碧也ぴんく)も次巻が楽しみです。
「Bランクの恋人」平安寿子
2005年12月28日(水)
出版社 / 著者からの内容紹介
この世の中、愛にもいろいろありまして─恋人、夫婦、親子など様々な「愛しあう人達」の姿をユーモラスに描く、注目作家の短編集!
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山本文緒の短編集を読んでいるような気がしつつも、それよりはもっとユーモラスではあるかな?
読んでいる時は、けっこう登場人物に共感して絶望を感じたり、希望を感じたりします。人生いろいろだよねーって。悲しくはあっても、そんなに捨てたもんじゃないよねって、ふっと笑えるような話ばかりだと思います。
「はずれっ子」が好きな女性とかは、共感はしないけどおもしろかった。なるほどそういう人もいるかもしれないなーと思う。(はずれっ子とは、外見にコンプレックスがあって鬱屈している男性です)

読後にあまり印象が残らないのが、ちょっと物足りないんですが、それがこの人の持ち味でもあるのかな。
★★★
「LOVELESS 6」高河ゆん
2005年12月27日(火)
高河ゆんの醍醐味は、モノローグの秀逸さ。6巻も冴えてます。
絵もすごく好きだなあ。手は下手だけど、キメの絵の目と口の美しさは素晴らしいです。

立夏と草灯の弱さと強さはまったく違うもの。それがおもしろい。
あの人が登場して、これからどうなるんでしょう?
「サマー/タイム/トラベラー 1・2」新城カズマ
2005年12月26日(月)
3秒だけ未来へ跳べるようになった幼なじみの少女。本だらけの喫茶店に、地理研、放火犯、さまざまなプロジェクト。ひと夏の思い出。

ジャケ買いしました。鶴田謙二さんのイラストが好きなんです。それに、ワクワクする単語が散りばめられてて、おもしろそうかなーって思って。
でも、ダメだった…。好きな人は好きかもしれないけど。
全然中に入れませんでした。

よく、伊坂幸太郎の小説は、「こんな会話する人いない」みたいに言われるわけですけど。
私にとっては、この小説の方が、「こんな高校生いない」と思ってしまう…。こういう文体っていうのはアリなんですかね。気取りすぎてて私は受け付けなかった。
ストーリー自体も、なんだかなあ。文章が好きだったらそれなりに読めていたのかもしれないけど…。
やはりジャケ買いはするもんじゃない。
★☆
「精霊探偵」梶尾真治
2005年12月24日(土)
事故で妻を亡くし、茫然自失の日々を送る深海。事故以来、人の背後に守護霊が見えるようになった彼は、その能力を使って人探しを始めることになる。

人探しが、なにやら予想しない方向に話が進んでいってしまって、驚きました。そういう話だとは思わなかったよ。
侵略SFとでも言うんでしょうか。
時にコミカルでもありつつ、忍び寄る謎の存在にぞっとしたりも。

想像していたのとはちょっと違うけれど、これはこれでおもしろかった…かな?
★★★
「ネクロポリス 上・下」恩田陸
2005年12月23日(金)
出版社 / 著者からの内容紹介
 死者が現われる土地――V.ファーで起こる連続殺人、そして「ヒガン」という不可思議な儀式。東洋と西洋、過去と現在、生と死、あらゆる境界線が揺らぐ世界観を、いまだかつてないスケールで描き、ミステリーとファンタジーの融合を果たした恩田陸の最高傑作!

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予想外の大雪のために、旅先で足止めくらいまして、駅で一夜を過ごすことに。でも持っててよかったネクロポリス! 厚いので待ち時間も退屈することなく過ごせました。ちょうど帰りの駅に着く時に上巻読み終わりましたよ。

本書は、架空の国の架空の儀式を描いたもの。死者と会うことができるアナザー・ヒルでのヒガン。
あらすじなどに散りばめられた単語を見ていると、もっとどろどろと暗い雰囲気の話かと思っていたんですが、雰囲気はけっこうやわらかく、死者とのひと時をエンターテインメントとしてとらえているために、ワクワクさせられるアイテムが盛りだくさんでした。
鳥居に吊るされた遺体、魅力的な先住民、片割れが邪悪な双子、夫が次々と死んでいる黒夫人、ハンドレッド・テールズ(百物語)、ガッチ(クガタチ)、などなど。
ほんとにいろんなものを詰め込んだなーという印象です。

イギリスと日本の文化が交じり合ったような国が描かれていて、それぞれの文化についての考察なども随所に織り込まれているのがおもしろかった。「『恐怖の報酬』日記」とつながってますね。

うん…悪くない。悪くないけど、イマイチのめり込めませんでした。細部はほんとに魅力的なんですが、読んでいて周りが見えなくなるほどの全体的な圧倒さがなくて残念。終わり方も、で?っていう(笑)
装丁といい、登場人物や細部のイベントやなにやも、とても雰囲気があって好きなんです。だから残念でした。いつもは読んでる時ももっと浸れるんですけどねー。
★★★
「イヴの眠り 5」吉田秋生
2005年12月21日(水)
いやあ、終盤、これじゃ話が終わっちゃうよ!と思ったら、最終巻だったんですね…。
昨今、二桁は当たり前な長期連載ばかり読んでるもので、まさかもう終わると思わなかった。でも、これ以上続いてもマンネリになっちゃうもんね。
なんていうか、結局YASHAのおまけ的な話で終わってしまった感じです。
「ボクを包む月の光 2」日渡早紀
2005年12月17日(土)
ちょっと、イライラしてまいりましたよ(笑)
輪と亜梨子の子どもの蓮くんが主人公なんですが、お父さんは空飛べる!とか言って、みんなに嘘吐きよばわりされてるんですよ。お母さんに見せちゃダメって言われたものも平気で人に見せるし。もーう、そういうのがほんと嫌なんです。
でも、輪くんはかわいいなあ。
「きみはペット 14」小川彌生
2005年12月16日(金)
ついに最終巻!
最後の1冊では、周辺の人たちの状況を整理…という感じでしたね。
当初の、「男がペット」という設定自体と、モモとスミレちゃんの仲は、もう13巻でケリがついちゃってたし…。
でも、細やかな情感を描くのがうまい人なので、ところどころでジーンときました。ユリちゃんの話とか。最終話のモモの回想とか。
笑ったり泣いたりで、おおいに楽しませてもらいました。
お疲れ様でした!


ちなみに、「ホテルのスリッパ」は、私もやりかけたことがある…(笑)
朝、部屋を出て、エレベーターに乗って下まで降りたところで気づいたので、あわてて部屋に戻りました。いやあ、気づいてよかったよ。エレベーターで誰かと乗り合わせた気がするんだけど、気づいてたかなあ…。
「砂漠の王 金の髪のフェンリル」榎田尤利
2005年12月12日(月)
「神話の子供たち」のシリーズ…の姉妹編と呼んだらいいのかな? あちらはサラのお話で、これはフェンリルのお話。ちょっと時間を遡って、フェンリルがレジスタンスと共に動き始めた頃のお話でした。
キナたちと別れ、単身で砂漠の王に会うためにとある部族を訪れたフェンリル。
サイ・パワーが安定しないフェンリルは、コントロールする術を見につけるべく、聖者であるタウバと共に砂漠へ。そこで毎夜襲われる悪夢、そして蠍…。

そんなに奇をてらった展開はないんですが、なんとなく読んでいて気持ちがいいなあと思うファンタジーです。
さてさて、今後どんな風にストーリーがからんでいくのでしょう。
フェンリルとサラは自分の運命にどう立ち向かうのでしょうか。
「蹴りたい背中」綿矢りさ
2005年12月10日(土)
出版社/著者からの内容紹介
高校に入ったばかりの蜷川とハツはクラスの余り者同士。やがてハツは、あるアイドルに夢中の蜷川の存在が気になってゆく…いびつな友情? それとも臆病な恋!? 不器用さゆえに孤独な二人の関係を描く、待望の文藝賞受賞第一作。第130回芥川賞受賞。

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話題の本というのは、とかく期待外れだったりしますが、けっこうおもしろかったです。
斜に構えている女の子の苛立ちや矛盾や虚勢などが瑞々しく描かれていると思います。男の子の方も、背伸びせずおもしろい。
二人に対して嫌悪感を感じる人もいるかとは思いますが、私はすんなり読めました。(それは私がひねくれているから?) 文章も綺麗で読みやすい。
純文学というと、だからなんなの?と言いたくなるような作品が多い気がするのは私の偏見かもしれませんが、これはわかりやすいのでは?
恋と言ってしまえば簡単だけど、それを拒否してるところがいいですね。
「天空聖龍〜イノセント・ドラゴン〜 1」山口美由紀
2005年12月06日(火)
天の遣いと言われる飛蛇なる生き物が空を舞い、暗黒龍と闘い地上に身を沈めたという聖龍の伝説が残る世界を舞台にした異世界ファンタジー。
行き倒れて青年に拾われ、サンワの庄へやってきた少女カナン。カナンを拾ったラムカは、不思議な力を持っていた。猛毒だと言われる飛蛇の内臓によるものらしい。カナンも怪我を負い…というお話。
さてさて、これから二人はどうなっていくんでしょう?
ひよこ娘なカナンがかわいいです。
「DEATH NOTE 9」小畑健・大場つぐみ
2005年12月05日(月)
もうなにがなにやら。序盤の盛り上がりを読んじゃうと、これ以上なにをされてももう不満しか出ない気がします。
早いところ決着つけて欲しいと思うのだけど、人気出ちゃった漫画は、どこまでも引っ張られるんだろうなあ…。
…どこまで引っ張られるんだろ?
「星のズンダコタ 1・2」ひらのあゆ
2005年12月04日(日)
「復刊しました!」ってことで、購入しちゃいました!
いやあ、懐かしいな〜。
飄々としたお話で、くすっと笑える感じが好きだったのです。4コマなんですけどね。

あらすじとしては、空港でお弁当買いに行ったまま行方知れずの森本博士…を探す香神さんと、博士の息子で香神さんを慕う幹夫くん、博士の年の離れた妻、香神さんの後輩で成金なのに貧乏性な時沢さん…などなど。みんな個性的で、憎めない人たちばかり。
絵は好き嫌いあるかもしれないけど、読んでる間に愛らしく思えてくるのじゃないかなあ。
「ラヴミーテンダー 3」木々
2005年12月03日(土)
「トライアングルラブコメディ」の最新刊です。
性別不明な人たちが織り成すラブコメ。川原由美子好きな人はきっと好きだと思います。女装の似合う男とかね(笑)
絵がすごくかわいいんですよ。髪とか触ってみたくなります。ナオが髪切っちゃったのが残念だな。
お話の方はトライアングル…じゃなくて四角…はなんていうのスクエア?スクエアラブコメディになりつつあります。
「邪魔 上・下」奥田英朗
2005年12月02日(金)
出版社/著者からの内容紹介
この小さな幸せは、誰にも壊させない
2002年版「このミステリーがすごい!」第2位
第4回大藪春彦賞受賞
及川恭子、34歳。サラリーマンの夫、子供2人と東京郊外の建売り住宅に住む。スーパーのパート歴1年。平凡だが幸福な生活が、夫の勤務先の放火事件を機に足元から揺らぎ始める。恭子の心に夫への疑惑が兆し、不信は波紋のように広がる。日常に潜む悪夢、やりきれない思いを疾走するドラマに織りこんだ傑作。

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最初は平凡な日常が描かれていくだけで、別にドキドキもしないんですが、後半のドキドキはすごい。
続いていくはずだった平凡な日常が、少しずつ戻れなくなっていく感じが、とても怖い。
登場人物というのは、なにをバカなと思う行動を取ったりするものですが、そこでどれだけ説得力があるかですよね。これは読みながら身につまされて、それで怖かった。電車で読んでて、ドキドキしすぎて気持ち悪くなりそうでした。ブラックホールに吸い込まれるように、思いもつかない行動に出てしまう時って、人間あるかもしれないなと思いました。
主人公は主婦の恭子なんだと思いますが、もう一人の主人公とも言うべき刑事とその周辺の話もおもしろかった。
★★★☆


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