のいばらにっき
たき



 訃報。

今日、猫が死んでいました。

とはいっても、ウチで飼ってるとかいうのではないです。
うちペット禁止なんですよ。ふぅ。
で。その猫というのはノラなんです。
とはいえ、仕事の関係で毎日のように伺う会社周辺に住んでるコだったんですよ。
今日も午後からそこに用があって出かけたんですけど、まじそのビルの真ん前に猫が、雨に打たれて横たわっておりました。
一瞥したところ身体に目立った外傷はなかったのですが、顔が、ね……。
車かな、バイクかな。流石にそこまではわかんないんですけどね。
雨に血が滲んで、頭の辺りに赤い色がぼんやりしてて、思わず神に祈りました。(人生最初に触れた宗教がカソリックだったんですよ/苦笑)
小さく十字をきって、マリア様に。
後ろ足に気になるクセのあるコではあったんですけどね。
でも大人だったし。ずっとそこに住んでたみたいだったんだけどなぁ。
年取ってるって風でもなかったのに。
まぁ、事故ってのは、そんなもんでしょうけどね。
ある日突然。
なんだろ。うーん……。
でも、『わざわい』ってそういうものなのかもなぁ。
ある日突然。
やだな。アタシ絶対後悔しそう。いや、するね。確実に。間違いなく。
あああ。難しいやね。生き死にってのはさ。
猫だけどね。でも、それはきっかけになりうるでしょ。
ものを考える上での、きっかけ。
猫かぁ。すっげ大好きなんですけどね。
先に逝かれちゃうのがきつくてね(苦笑)
ま、それ以前に、今現在は状況的に飼えないんですけど(苦笑)

↓で、独り語りを、ちょっと。


猫。
多分ノラだった、白黒の猫。
エアコンの室外機の上でよく丸まっていた。
左の後ろ足をちょっと引きずる感じで、だけど猫特有の軽快さで路地に滑り込んでいくのを何度か見たよ。
名前もあったんだろうか。仲間もご飯くれるニンゲンもいたっけね。
声の割に目つきが悪かったのはノラだったからかい?
仔猫を連れて歩いていたのは歳の始めか去年の暮れか。
黒い尻尾を真っ直ぐ立てて、仔猫と一緒に細い道を何度となく横切っていた。
道に面したビルの階段で、昼寝をするのは晴れた日の日課だったのだろうか。

白と黒のツートンカラーの猫は、降るというには余りに弱い雨の中、多分、事故で、死んだ。
猫。
お前は最期に何を見て、何を、思ったんだろう。
自由気ままで、だけど、ホントはいつも死と隣り合わせだったんだろうか。
心残りがあるとするなら、それは、屍をさらした事だろうか?
猫。
お前の屍が、鴉に荒らされなかったのが、アタシにとっては救いだったよ。


や、屍を晒すのは、猫族にとって最大の恥辱らしいから。(苦笑)

2002年04月25日(木)
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