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旧あとりの本棚 〜 SFブックレヴュー 〜
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著者:オースン・スコット・カード 出版:早川書房 [SF] bk1
【あらすじ】(目録より) 【ヒューゴー賞/ネビュラ賞受賞】 捕らえた人間を情容赦なく殺戮する昆虫型異星人バガーの攻撃にそなえるべく、バトル・スクールが設立された。そこに入校したエンダーは、コンピュータ・ゲームから模擬戦闘まで、あらゆる訓練で優秀な成績をおさめるが……天才少年エンダーの戦いと成長を鮮やかに描く傑作長篇。
【内容と感想】 蟻のような異星人バガーとの戦いが長引く地球。バガーの第3次侵攻に備え、これを阻止するための司令官養成学校として開校されたバトル・スクールに、エンダーは適性を見い出されて若干6歳で入学する。そこでの戦闘訓練でエンダーは天才ぶりを発揮する。しかし戦闘訓練はある意味陰惨とも言える心理作戦が仕掛けられていて、教官はこれでもかとエンダーに難題をぶつけてくる。また同じ立場の訓練生どうしの間にも色々と力関係があり、成績の良いエンダーは何かと目の敵にされる。エンダーが天才ぶりを発揮すればするほど、仲間が彼に一目置くことにより溝が深まり、彼の孤独感はいっそうつのっていく。
またエンダーは3人兄弟の末っ子で、残忍な兄と優しい姉の影響をずっと受けてきた。特に兄の心理的な攻撃からずっと抜けだせず、それが後々まで尾を引いている。カードの作品は、心理描写に主眼を置いたものが多い気がする。この二人の兄姉はエンダー同様かまたはそれ以上に優秀である。物語の重要な位置も占めていて、地球の将来に大きな影響を与えることになる。
ラストあたりのエンダーの「訓練」は非常に過酷で重い。しかも大きくどんでん返しが待っていて、見事でとても楽しめる。けれども、本当にあんな訓練で効果があったんだろうかとは思う(笑)。
- 関連作品:
『死者の代弁者』(未読)『ゼノサイド』(未読)『エンダーの子どもたち』(下巻未読)『エンダーズ・シャドウ』他
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