★ 夏海の日記 ★

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2006年12月29日(金) 自分の世界、自分のルール

しろがねさんの書き込みをみて、やっと解かったこと。
また一つ 私の中の真理に気が付きました。

『どうして人を殺しちゃいけないの?』のお題に、しろがねさんが書き込んでくれました。



◎しろがね(448) 題名:Re: どうして人を殺してはいけないの? 投稿日 : 2006年12月28日<木>07時05分

私はそういう質問が来ても
「殺しちゃいけないから殺しちゃいけない」としか答えようがありません。
そんな質問タブーです。
数学で「0で割ったら答えは何になりますか」と聞いているようなもので。
(ちょっと意味が違うかもしれないけれど…)

「己の欲せざるところを人に施すなかれ」「自分がされて嫌なことを他人にするな」とはいいますが「じゃあ、自殺志願者は人を殺していいの?」なんてパラドックスに陥っちゃいますし。
それ以前に自殺は「自分を殺す」ということで殺人の一種になっていると考えます。
かくいう私も自殺を考えたことあるのですが…。
憎い人を「死んじまえ!」と考えたこともあります…。

しかしながら、わいて来て当然の質問かもしれません。
わいて来ること自体に怒りをもった知識人がいましたが、私としてはわいて来て当然の質問だと思います。
こんな世の中ですから、というより人の歴史が始まって以来いつでも存在しうる質問だと思います。



クリスチャンではないけれど、クリスマスに教会へミサに出掛けたのだそうです。
『キリスト教でとかれる神の愛には共感するところがあります』
なのだそうです。

んっと。
キリスト教の『愛』って、物凄く勝手な愛だと思う。
迫害を与えた人の命を海に飲み込ませ(モーゼの話)
ソドムとゴモラを一夜で滅ぼし、
ノアの箱舟でもあるように、ノア一家と一対の動物以外を全滅させてしまった。
バビルの塔を人間の驕りとし、その罰として共通の言葉を失わせたんだと。
だから、人は色んな国の言葉を喋り、チリジリ バラバラに散っていったんだと。
それも全て 神の意志に従わなかったが為に です。
私達の祖先をアダムとイブだと言うけれど、神のみ名において、エデンを追放された存在だし、
神への貢物として羊を殺して捧げる その羊の命は、殺しても良いものですか?

イエスが祝福されて生まれた影に、何人の子供の命がヘロデ王によって消されてしまったか。
それを救えなかった神には罪はないのでしょうか?

『右の頬を打たれたら 左の頬を差し出せ』
『隣人を愛しなさい』
その教えが広まっている 教会へ毎週通っているであろう人々が沢山いるアメリカは、
左の頬の代わりに、爆弾を相手に浴びせた。
それも 何の罪も無い民間の家に向かって。
多くの兵士が死に、愛と平和を謳っているのに、空爆し続けているのは、何を信仰している人なの?
何を信仰している国なの?


私達が飲んでいる牛乳は、牛のお母さんのおっぱいであり、
牛乳を出す それだけのために、牛は妊娠、出産させられる。
出産は命がけであるのに、その命がけの出産のお陰で 私達は牛乳を飲むことができ、
生まれた子牛は、メスならば乳牛に、オスならばソーセージになると教えられた。
乳牛を買っている農家のおばさんの口から。
この世の無常を教えられたのは、私が小学校4年生でした。
「この生まれた子は、オスだから、ソーセージになるの。」
その深い意味も考えずに、そういうものなんだと思った。

ソーセージは ソーセージとしてそこにあるものではなく、
生まれたばかりの子牛や 大人になった牛のなれの果てであって、
それはかまぼこや竹輪だって同じこと。
切り身の魚にも、大海で『生き物』として泳いでいた時期があって、
その命を貰って 私達は生きている。


昔読んだ大好きだった漫画の主人公はロボットだった。
金持ちの女性が作らせた男前のロボット。
一緒にベッドに入り、一緒に食事を楽しめるようにと、人間そっくりに作られたもの。
食事をすることはできるが、それは『食事をする為』にそう造られただけであって、
実際にエネルギーにはならい。
食べることはできるが、食べなくても死なない。
食事をエネルギーに変える機能が実装されていないから。
ただ、一緒に食事をすることが目的なのだから、お腹が空くし、お腹が空いたらお腹も鳴く。
そういう風に作られた死なないロボットが主人公だった。

その主人公がある星に降り立ち、その星の人にあなたの子供を産ませてくれと言われる。
オレ(彼女はまだ未成人で、自分をオレと呼んでいた)はまだ子供だから、大人になるまでこの星にいろと言って。

その星では、他の星からの遭難者から種を貰い、繁殖している生物がいて、
生まれた時は雌雄同体で、相手(おもに男)に合わせて変化をする。
カップルが その星の生物同士の場合は、力関係によって男になるのか 女になるのか が決まる。

妊娠すると男は出産のためのエネルギーとして、食べられる運命にあり、
病気以外で死んだ者も食べられる。
食べられることは、永遠を意味し、その生物にとっては誇りであり、
食べて貰えないで朽ち果てていくことは、恐怖なのだそうな。
罪を犯した者は食べられずに朽ち果てる。当然の報いである。
大丈夫、骨も髪の毛も食ってやる。
お前のことが好きだからな。
そう言って元気に笑う男の子のような女の子。

その二人が事件に合い、遭難をした。
主人公は食べなくても生きていける。(ロボットに対して生きるを使うことが適切なのかどうかは置いておいて)
オレが食べるまでは、お前は生きろと 自分の腕を切り落として主人公に渡し、
これを食べて生き延びろと言って、男前な彼女は助けを呼びに言った。
後日助けられた主人公に彼女は聞いた。オレの腕は食べたのか?と。
哀しいけれど、食べることはしなかった。なぜなら、食べなくても死なない体だからだ。
自分がロボットであり、死なない体であることを彼女は知らない。
そして、どれだけ一緒にいても、生殖行為をしても、彼女の望む子供を作ってあげることはできない。
片腕しかなくなった彼女を残して、主人公はその星を出た。

その哀しい思い出の後、主人公は食欲を機能から削除した。
二度と食事をしないために。


世界中には、色んな国があり、色んな宗教があり、色んな習慣がある。
国以前に、部族という単体もあって、部族以前に家族という単体があり、
その中での習慣で、死んだ者を食べるという風習があったとして、誰がそれを止める権利があるんだろう?
『やがて命につながるもの』というキャッチフレーズではないけれど、
命の連鎖の中に自分があることが『普通』で『憧れ』であるなら、食べられると言うことは願いですらある。


死にたい人を殺す場合は、悪なのか?
掲示板には、パラドクスに陥ると書いてあったが、死にたいのは、その精神であって、
その器である何億もの細胞ひとつひとつに問うてみたのか?
お前は死にたいのか?と。
意識以外の細胞たちは、生きることを望んでいる。
それが 『生きている』という証拠なのだ。

teaの父親が ガンで、夏は越せないかも知れないと言われた。
死に行く人を殺すのは、悪なのか?
1週間後、1ヵ月後に 死ぬと宣言されてても?
私は答える。
それは悪であると。

意識がなくなり、自発呼吸だけであっても、尿の排泄があり、心臓は動いていた。
痰が絡むと苦しげになり、手足を動かして布団をはだけた。

心臓を含む内臓も ちゃんと機能していて、その臓器たちは死ぬ気などなかった。
1ヶ月間、teaパパの身体は頑張り、そして死を迎えた。

死に行く人に私達ができることと言えば、見守ることだけであり、
その細胞が生きたがっているのであれば、その意思を止めることは悪である。

豚は食べられる為に生まれ、死に行く。
養殖の魚も、野菜も果物も。

一生卵を産む為だけにゲージの中で生かされている雌鳥。
自分の子孫は そこからは生まれないのに、毎日毎日卵を産みつづけている。

それらを食べてでないと生きていけない私なのであれば、
それらの命の上に成り立っている私なのであれば、
私の命は 私のものであって、私のものではない。

世界中で色んな習慣や独自のルールがあり、
その中において、自分の位置をちゃんとしっかり持っていないといけない。
どこにいても、どんな時も、道に迷わない為に。
そうしたら、どの世界でだって胸を張って生きていける。
他者を排除するのではなく、自分はこうであると主張すること。

何となく ではなく、きちんと説明することができますか?
「どうして人を殺しちゃいけないの?」

そう本気で質問する 心が貧しい人を納得させてあげることができますか?
きちんと納得いく説明をすることは、その人を救うことでもあると思うの。


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