★ 夏海の日記 ★

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2006年12月07日(木) これだけは!

友達が言ってました。
「私は色んなことを中途半端で止めて来たから、この仕事だけは頑張って続けようと思ってる」って。
友達は、美容室の店長をしていて、
私には自立していて、素敵な人だと思っているのだけど、
でも友達は自分的には何も努力しないでのほほ〜んと生きて来たから、
人生ブラマイ(プラスとマイナス)ゼロだとしたら、
これから今まで楽した分、大変なことがいっぱいあるって怖いんだって。

いや
店長をやっていて、お客様を不快にさせないとか、
満足のいくサービスや技術など、
そういう接客術を身に付けた人を育てて行くには、苦労がない訳がなく、
私には十分頑張っていると思うんだけどなぁ。
接客業だから、上質な客ばかりじゃないだろうし、
その時のお客さんの気分もあるだろうし。
接客業って、結構大変な仕事だと思うぞ?
店長である以上部下の失敗も引き受けなきゃいけないだろうし、
自分は何も悪くないのに、平謝りしなきゃいけないこともあるだろうに。

結局は「好き」だから、全てを楽しんでやってるから、苦労だと思ってないのかもねって話で落ち着いたんだけどね。
だから、きっとこのまま何も不幸や苦労はなく、このまま続いていくから大丈夫だよって。
そう言ったら、「そうかなぁ。なら良いなぁ」って笑ってました。

以前、友達と常連さんの会話を隣で聞いていて、笑っちゃったって話はしたよね。
「私、努力とか頑張るって言葉、大嫌いなんです〜」
「あら!私もよ!」
こう、あっけらかんと言ってしまえる人がいることにびっくりし、
そう言ってしまっても良いんだーって安心しました。
でも、友達は頑張ってない訳でも努力していない訳でもない。
カットの腕も磨くのは当然だし、
人をまとめたり育てたりするのにも なぁんにも考えないで、のっほほ〜んとしていちゃ無理だもの。

では、キチキチに頑張ってる人と何が違うんだろう?

まず、仕事が好き、接客が好き。
これはとても大きいと思う。
で、キーワード。
「この仕事だけは辞めないで続けようと思う」の言葉。

人は、一つだけ「これ!」ってものがあれば良いと思うの。
『この仕事だけは 辞めないでやっていこう』
これだけを守れば、それ以外は気にしない。
でも、これだけでもかなり大変なんだけどね。
自分が心地よく働く為には、一緒に働いている人も心地よくないとギスギスして楽しくない。
お客様を接待して、気持ち良く帰ってもらうには、自分は、自分の部下はどうしたら良いのか?
人に接するのはパワーがいるので、元気に働く為にはきちんとした生活をしないといけない。
風邪を引いてばかりいて、お客様に移すわけにはいかないもんね。
自然な笑顔でいられるように、プライベートでもストレスを溜めない工夫をしないといけない。
前のお客様が不愉快なお客様だとしても、その気持ちを引きずって次のお客様を接待する訳にはいかないから、上手に気分転換ができることも必須。
お客様は、結構ストレス解消に 自分の愚痴を言って帰るから、その愚痴の『負』の感情に負けてはいけない。

で、その中心にあるのが、この仕事を辞めないで 長く続けること。
何かを我慢したり 無理していたら、長くは続かないもんね。
上手に息抜きをしたり、発散したり、仕事以外の何かを持っていないと。

『何を一番に持っていくか』は人それぞれで、
でも『何』を分かっている人と いない人では 大きく違うと思うの。
何でもかんでも 全てを完璧にすることは無理。
『これだけは!』をまず決めて、それ以外は適当に それで良いんじゃないかなって思う。


teaがね、お手手つないで ゴール!っていう 今どきの幼稚園の運動会を気持ち悪いって言うの。
私も馬鹿じゃない?!って思う。
一等賞になって何が悪い?
最後になって何が悪い?
『競争』は世間にはゴロゴロあり、
『順位付け』は普通に行われる。
入試だって、その学校へ入れる人と入れない人 ふるいに掛けられる訳だし、
会社への入社だって、選ばれる人と 断られる人がいる。

「運動会だけ 輝いている子がいたって良いじゃん!その子の人権を無視してる」ってteaは怒る。
ベンジョンソンは ベンジョンソンとして育てられて、
カールルイスは カールルイスとして育てられて、
数学の秋山先生は 秋山先生として育てられ、
私は私であって 他の誰にもなれない。

「足の速さだけは誰にも負けない。」
そんな子供の唯一輝ける日を 取り上げてしまって良いの?
一日だけスーパースターになって、
そしたら嬉しくってもっと早くなれるように頑張って、将来金メダル選手になれるかもよ?
みんなが一緒の横並びって、不気味だと思うぞ?
スーパーの野菜や果物じゃないんだから。

何か『これだけは』があれば良いと思う。
それが、『人の話を聞くのが好き』であっても、
『掃除をするのが好き』であっても、
『宴会を企画・演出するのが好き』であっても、
『子育てが好き』であっても。

みんなが同じである必要なんてなく、
みんながそれぞれオリジナルな存在だって気が付いて、自分の物差しで人に指図しなくなれば、
日本はもっと楽しい国になるだろうなって思う。


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