★ 夏海の日記 ★

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2006年05月19日(金) 『人間』 が 『物体』 に なっていました

昨日は、意識ははっきりしているけど、喋れない状態だと聞き、
会社帰りに 病院へお見舞いに行きました。
呼びかけに対して 何度か薄目は開けたけど...意識はないのかも。
青白い顔をしていて、前会った人ではなく、『物体』になっていました。

祖母の時は病室に入れず(たぶん 病室の『気』が合わなかったんだと思う)
伯父の時は、集中治療室で微笑みを見せてあげることができ、
今日は 何もしてあげられません。

病室に これから泊り込むかもと聞いていたので、
おはぎやら 大福やらを買い込んで差し入れしました。
お腹が空いたら、イライラもするし、気が滅入ります。
甘いものでも食べて 気分が和らいでくれたら。
雨 やんでくれないかな
これから ずっと 晴れててくれないかな
せめて よく晴れた日に 旅立たせてあげたいな...
 
 
友達の恋人のお通夜は、嵐でした。
酔っ払いの たぶん居眠り運転で、だから ご機嫌なまま 即死
まるで自分が死んだことに気が付いて、大泣きしているようでした。
大粒の雨と 風と 雷まで鳴り出して

その朝、会社から電話があって、すぐさま友達のことを思いました。
家へ帰ったと聞いたので、速攻電話をして、今すぐ行くから!と。
喪服を持っていないから、買い物に付き合ってと言われて、一緒に買い物へ。
しばらく買い物に没頭し、
こっちの方が可愛いって鞄を選びながら、
「一体 何を可愛いって買ってんだか...」って言って少し笑いました。
服や靴や鞄を買うことは 日常で、
買う『もの』は 非日常のお葬式用のもの。
感情が麻痺したみたいな 不思議な感覚でした。
 
 
黒い靴がないなぁ。買わなきゃってつぶやいたのを聞いて、
その時のことを思い出しました。

私も実家へ 鞄とネックレスを借りれるように連絡をしました。
きちんと正装し、お化粧をし、送り出すのが死者への礼儀だそうです。
亡くなってからの忙しさで 1週間なんて あっという間です。
1週間後に初七日が来て
1週間毎に法事があり、七七日で1ヵ月半
やるべき『何か』がある時は、何とかやり過ごせるけれど、
人の出入りがなくなって、ぽっかり空いてしまう時間と空間が現れたとき
そばにいたいなぁって思います。
何もできないけれど


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