moonshine  エミ




2007年01月11日(木)  生ぬるい若者であってはだめだ。

ゆうべは東京の友だちが出張でこちらへ来ていたので、遅い時間からではあったが飲みに行った。彼の出張で私も都合のよいとき、だいたい、年に2−3回のペースで飲んでいる。大人になって久しい今、近くに住んでいてもそんなに会わない友人も数多くいることを思うと、私たちはだいぶ仲がいいと考えていいだろう。しかも20歳になる前から知り合い、長く続いている友情なのである。焼き鳥を食べながらいいペースで飲み、けっこう年の離れている彼に向かって、いつものように、好き勝手な意見をえらそうに語り続ける。

今月の日経新聞「私の履歴書」は、ノーベル物理賞学者たる江崎玲於奈氏が連載している。誠に失礼ながら、まだご存命とは思わなかった。物理を一度も学んだことのない私にとって(文系人間らしく、高校では必修の化学のほかは、生物を選択しておりました。)彼の名は、現代史の教科書に出てくる偉人でしかなかったのだ。

今は彼の青春期が語られている。今朝は東京大空襲の日のことが書かれていた。10万人が亡くなったという空襲で、彼の下宿先も焼けてしまった。しかし翌朝、罹災を免れた東大に行ってみると、いつもと全く同じ調子で、教授が授業をしていた。彼は東大アカデミズムの強さというものをひしひしと感じ、鬱蒼とした思いを勉学にぶつけたという。

「私の履歴書」の筆者たちは、たいてい皆なにがしかの形で戦争を経験している。誰の文章であっても、その経験を読むたびに、彼らの人生観の根底にあるものを想像して、慄然とせざるを得ない。平和な時代に生まれた私たちは幸せである。その幸せがどこに由来しているのか、せめてそれは知らなければならないだろう。

20代の前半、山田風太郎の『戦中派不戦日記』を読んだ。彼もまた、空襲の頃、東大で学ぶ学生だった。あの本、確か売ってしまった。なんて馬鹿なことを・・・。いつかまた読もう。

今日は22時退社。一日じゅう頭を使ってぐったり。帰宅後、洗濯、明日のお弁当のおかず作り。
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