| moonshine エミ |
| 2003年11月13日(木) 確かに革命を喉もとに突きつけた | ||||
| しず友優待券を使って、今週も会社帰りに1000円で映画を見に行く木曜日。 今回はスポンサー・しずりんと一緒に、『マトリックス・レボリューションズ』。 リローテッドも一緒に見た我々である。 前作までに広げられた大風呂敷を、いったいどうやって収束させるのか・・・ なんて、そんなこと、もはや、期待しちゃいません。 だって難しいんだもん。 それでも一応、前作の内容を復習すべく、ちら、と上映前に話すも、 「あそこでトムがさ・・・」 とキアヌ(ネオ)の名前まで既に間違える始末。 そう、我々、トム部(もちろんトム・クルーズ様ですよ)の部員なのだ。 来月は『ラスト・サムライ』を亥の一番に見に行きますよ。 さて、レボリューションズ。 ぷ、と思わず噴き出すことが何度あったでしょう。 そんなときは隣のしずりんの肩も揺れている。 笑いどころ満載です。 コンピュータプログラムやキリスト教や哲学の思想が全編に蔦のように張りめぐらされているがゆえの難解さはもちろんのことだが、 この映画にどうしても入り込めないのは、世界観の緻密さとは裏腹に、人間の描き方がどうも大雑把だからであるような気がする。 命も投げ出す強さでネオを愛するトリニティー、盲信じゃないの?と思わずにいられないモーフィアスの救世主への期待、救世主としてのネオの葛藤、中心人物三人の誰にも、いまいち感情移入できない。 脇役も、どうも一面的。頭が固かったり、離れ離れの恋心や、英雄への心酔や、特攻精神や、一人につき一つの感情だけがやたらとクローズアップされてて、なんか立体的じゃないっていうか・・・。 ネオをつけ狙い続けるスミスの、愛憎入り混じってるような姿がむしろいちばん人間的かも。 でも、息をのむ斬新なCGで世界中の人の目を奪いつつ、 簡単に答えなんか教えてあげないよ、すっきりさせてあげないよ、 禅問答、定点の無い舞台設定、 見ながらも見たあとも考えれば考えるほど面白いよ、 というハリウッド映画を作って派手に売ったウォシャウスキー兄弟(だっけ名前?)は、やっぱりすごいと思う。 カルトなものをカルト好き以外のこんなにも多くの人に見させた、そのやりくちがね。 わからんなりにイロイロ考えてはみるし、わからんでも、好みじゃなくても、面白いもんね。 「なぜ戦い続けるんだ?! 愛か? 理想か?」 というような質問に対する答えが好きだった。 「選択したいからだ」 でもすべては必然に向かって動いている。 この、選択と必然に関する問答のあれこれを整理してみたい、と思ったな。(しないけど・・・) 席を立ったあと「ナウシカ・・・」と二人とも思ったことを確認。 しずりんは、「ドラゴンボールの実写版は、だいたい見えたね」と言った。然り然り。 人生で初めてフレッシュネスバーガーに行って、でも頼んだのはポテトだけだったけど、 オンナ25歳の近況について、またも熱くトーク。 いろんな展開がありますな。 『ボクの音楽武者修行』を読み終わり、次なる読書は初めましての嵐山光三郎。 『ざぶん』(講談社文庫)です。 サブタイトルには、“文士温泉放蕩録”とある。 明治の文豪たちが何十人と出てきて、短い章でそれぞれが取り上げられ、絡み合い、物語が進んでいく。 もちろんどの章にも、温泉とか町の銭湯とか、家の風呂とかが出てきます。 鷗外も漱石も紅葉も露伴も子規も一葉も鏡花も、風呂ではもちろん、すっぱだか。 面白い。はまってます。 |
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