moonshine  エミ




2003年06月27日(金)  繰り返しトリップ

 あーやっぱり行ってよかった。
 ちょっと体調が悪かったので、直帰しようかなーとも思ったのだが。

 フラッシュさんの一人ユニット“フラッシュ・ザ・徒歩5分”@JAJA。
 すごく、よかった。ちょっと言葉を失うくらい。
 前からそういうとこあったけど、最近のフラッシュさんは見るたびに印象が違って、目が離せん。
 ご本人は不安定・・・なんて自嘲してるのかもしれないけど、私としては、けっこうそれが面白かったりする。
 
 ギターを携えたフラッシュさん、ステージにけっこう年季の入ったラジカセを置いて、
 ライブの間中、ラジオを流しぱなし。。
 最初4曲くらい、あいだに一言も挟まずやったんだけど、
 それがすごく良かったりした。
「ツーアウト一塁・・・いやー今日の○○は調子が・・・」
 なんて、内容なんて全然きいてないけど、平和な野球中継。
 そこにフラッシュさんのギターが、歌が入る。
 じんと、ぐっと、せつない、強い歌が。
 ラジオはまったく聞こえなくなる。
 そして、曲が終わると、さっきと全く変わらない調子で、アナウンサーがしゃべってる。
 球場のざわめきを伝えながら。
(あー・・・・ラジオ、ついてたんだ。)
 と、気づく。
 吸い込まれるように聞いていた自分に気づく。
 世界は、と突然に大仰な語彙を用いるのもなんだが、同じように続いている。
 誰かの悲しみや、誰かの興奮や、そんなものおかまいなしに。
 野球もまだ続いてる。
 でも、私たちは、その場所で、ひとりの男が歌う歌に、耳を傾けている。
 20人とか30人とかだけど、その場のみんなが、何かを感じ取っている。

 もう、コミカルでハッピーなフラッシュさんの歌を聴かなくてもいい。
「キスミー」も「のびた」も「メガネ」もしなくてもいい。
 楽しさまじりの新曲「118」で泣けそうになった。
 一見たのしそうだから、実はすごい剥きだしなのが滲みる。
 今のフラッシュさんの歌はとてもダイレクトだ。
 今日のフラッシュさんの歌う顔はことさらステキやった・・・。
 お客さんの拍手にも心がこもってた。
 私の近くに座ってた、たぶん対バンを見に来た男の人、
 フラッシュさんのトークや、小さな演出のたびごとに声を出して笑っていた。
 でも、この人の音楽は面白いだけじゃないってこと、きっと、その人にもみんなにも伝わっただろうな。

 フラッシュさん後、ゆうきちゃんとゆるりと話したかったので、お茶。

 えっと、きのう年下の人について書いたけど、今日は年上、ってことについてつらつら考えた。
 体育会系出身の私だし、年上の人には、フツーに敬意を払いたい。
 年が上であるということは、基本的に、経験が多いということ。
 でも、それはある意味、当然のことでもある。
「いいよねー若いって。」
「自分も若い頃はさー・・・・」
「今のうちに遊んどきー。」
 という常套句は(確かに、ある意味正しいし、実感のこもった言葉なんだけど)、私は自分より年下の人に、あんまりそれだけを言いたくないなあ、と思っている。
 前にHPのトップにも載せていたんだけど、

『子供が勉強している以上に、自分は仕事をしようと思う。
 子供が遊んでいる以上に楽しく遊んで、
 「早く大人になって自由に遊びたいな」
 と彼らに思わせよう、と考えている。』

 という森博嗣(『臨機応答・変問自在』)の文章。
 こういう態度の大人ってすごくステキだなあ、と思う。
 理想論ではあるけれども、
 これから大変だよー、とか、楽しいのは若いうちだけだよー、とか、
 そういう空気が蔓延しないようになったら、日本ももっと浮上するんじゃないかなーと思うし、私もステキな年上の人をたくさん見ると、自分の今後にも前向きになれるし。
 極端に前向きでなくても、かっこ悪いみっともないとこも、でもやっぱりかっこいいとこも、年上の人には全部見せて欲しい。
 コドモ扱いしないって、そういうことだと思うなあ。
 なんかうまく書けないなぁやっぱり。





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