| moonshine エミ |
| 2003年05月07日(水) めぐりて夏が | ||||
| 夏の夜です。 むしむしむしむし。 村上春樹の『風の歌を聴け』(文春文庫)のあと、次は何を読もうかなーと少し考えて、新しい本を仕入れに行くヒマもないので、ひとまず部屋の本棚を物色して、読み返しを。 保坂和志『草の上の朝食』(中公文庫)。 '90年代前半に、 「意味なんて何もないのさ」 とフリッパーズ・ギターが歌ったことを思い出すようなこの本は、ちょうどその曲が入ったアルバムと発表年が同じの、いっぷう変わった青春小説だ。 軽い。そして、ぜーんぜん一生懸命じゃない。かといって、ふざけてない。青みもない。それでいて、青春としか言いようのない雰囲気が漂っているのだから、好きだ。 濃厚な夏の夜が、だんだん涼しくなっていく季節の感じもいい。 一種哲学的ともいえるような思索や会話が繰り返されるのが特徴のこの著者なので、苦手な人は苦手だろうが、 面白いのは、そんなこの本の中に出てくるゴンタという青年である。 彼は、四六時中一年中、日常の中で8mmビデオを回し続けている。 しかも、人の行動とか、しゃべってる人にカメラを向けるのではなく、 ただその場の雰囲気を撮り続けるんだ。 アキラがしゃべってる声はテープに入ってるけど、画面に映るのは全然関係ない部屋の壁、みたいな、そんな撮り方。 そのゴンタが言う言葉。 「映像を抜きにして言葉をつなげてっちゃうと、 言葉っていうのは本当に都合のいい方に流れていっちゃう、 って、最近よく思うから」 なんか、この言葉にぴかっと小さな真実の明かりみたいなのを感じて、 そのページに栞をはさんだ。 言葉を扱う職業でありながら、こういう姿勢がこの作者にはある。 そこが好きなんだと思う。 言葉だけじゃ都合のいいほうにばかり。 ・・・・だからというわけじゃないけど、 ◆空と光と緑と ![]() 本来の写真日記「a day with camera」で借りてるサーバーが、調子が悪くて落ちっぱなしなので、最近は日記本体のほうに写真をのっけています。 ・・・これはこれで面白いかも。 今朝、起きてもゆうべのやる気は衰えていなかった。 今日はなかなかシャキッと働いた。がんばった、おれ。 夜、9時半に会社を出て、10時前に家に着いた(電車にうまく乗れたのさ。)のも、うれしかった。 なんか大変ー忙しくなりそー、と言いながらも、どこか弾んだ声で電話してくるしん氏もかわいかった。仕事に希望をもっている、そんな時期だなー、と思った。 九州でのゴールデンウィークがものすごく楽しかったらしく、 愛知に戻ったすぐは福岡シックにかかっていたようだけど、仕事は仕事で、きついながらも面白そうだもんね。 そういえば、今朝はMDウォークマンで「熱帯夜」を聴いたな。 |
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