| moonshine エミ |
| 2002年09月23日(月) 二人のドライブはスリルがいっぱい | ||||
| きのうのチョイ旅。 車を借りて熊本の山鹿までドライブしようという計画だ。 しんちゃんと付き合ってもうすぐ丸5年、二人で県外までドライブするのは(競馬場を除くと)、ななんと、初めて! そもそも車を運転すること自体、半年ぶりになる。 目覚まし時計のセットを間違えて、予定より1時間近く起こされる。得意の二度寝に入ろうとしたが、車をコスッたり自転車に接触したりするイヤ〜な想像がぐるぐる頭をまわりだして、起きてしまう(←この辺、まさに小心者。) 何はともあれ出発! 最初の運転は、しんちゃん。この人も、「ごく時々のドライバー」。私ほどではないが、最初は緊張して妙に口数多く、ハイテンション。 しかしそこは男の子、徐々に感覚を取り戻し、ソツなく運転。 途中、癖で思わず34号線方面に行きそうになりつつも(その先には佐賀競馬場がある)、国道3号線をひたすら下り、久留米まで。 ここで、「日本へなちょこドライバーの会」代表、エミがハンドルを奪う。意外にもけっこう落ち着いている。・・・それも当然で、相変わらずルート3をひたすら下るのみ。右折、左折、わき道、バック、いっさいナシ。オートマってすばらしい。 出発後2時間半ほど、山鹿に着く。 温泉地というにはちょっと押しの弱い、でもその辺が私らにぴったりマッチしているのではないかということで選出された目的地、しかし、手ごろな駐車場が見つからない。 「・・・このまま菊池まで行く?」 という話になる。 旅の計画もあってないようなものだったので、すぐさま山鹿にオサラバ。 熊本の内陸部に向かって進む、へっぽこドライバーエミリー。 菊池は山鹿よりも、やや名の知れた温泉地。 おー、着いた。しかし、地図も持っていない私たち。 ここで、中心地におとなしく車を止めればいいのに、なぜか温泉街をややはずれた民宿へ向かってしまう。 別に、『中心地なんて、ケッ』なんて屈折したこと思ってるわけでもないのに、気がついたらちょっと離れたところに行ってしまっているのが、私たちらしい間の悪さだ。 しかし、久留米から2時間弱くらいか、ともかくも無事に着いたのである。なんちゃってドライバーえみちゃん、大満足。 とりあえず温泉に入る。日曜日の真昼間、利用客はモロに地元のおじいちゃん、おばあちゃんが多い。 とりあえず露天風呂もためす。とりあえず気持ちがいい。 とりあえずそこで食事もとる。 菊池というところは、めっきり海から遠い内陸部なのに、何をどうトチ狂ったか『刺身定食』なるものを頼んでしまう私。でも、肉厚で普通においしかった。 そして、ようやくここで、車のアンテナを伸ばす。 妙にラジオの入りが悪かったのはこのせいだったのだ。早く気づきなさいよ、お二人さん。 菊池渓谷へ。菊池の町から20キロくらい離れている。 菊池阿蘇スカイライン?というところだったのか、山道に入ると、エミのダメダメっぷりが遺憾なく発揮される。 カーブに続くカーブ・・・カーブで対向車線に大きなトラックでもいようものなら、「こ、こわい〜〜〜」と叫んでしかし右に寄り過ぎるダメエミ。 スピードに乗り切れず、後続の車たちはイライラ(してたはず。) 「ハンドルを切るのが早いよ」 「カーブの真ん中でブレーキを踏みすぎ」 「なんで今ブレーキ踏んだの?」 等、気の長いしんちゃんは(というか、こんな私に慣れてるだけか?)呆れる様子もなく優しく諭すも、すっかり自信喪失のエミちゃん、ショボン。 「もう、運転せん・・・」 とちょっと頭を垂れつつ、渓谷へと歩き出す。 涼しい。この日はけっこう暑かったのだが、さすが森林、さすが渓谷、涼しい顔をしている。 苔、滝、苔、滝、苔。 苔っていいよね!と絶賛するしんちゃん。 ここには、目の不自由な方々の団体も来ていた。足場の悪い山道だけど、杖を持って、サポートの人たちと一緒にしっかり歩いている。そして、笑い声が絶えない団体だった。 実はこの辺で、既に危機は始まっていたのだ・・・。 気持ちがいいので、つい渓谷に留まりすぎたのがこの後のスリルショーの元凶?でも予定通りの16時半に現地を出発したのだが。 もちろん、ドライバーはしんちゃん。 この頃になると、未来のグッドドライバーの片鱗を見せ始める。しょせん、私とは別世界の人なのよ・・・。と、スネるわけでもなく、CDやラジオを楽しく聴きながらドライブは続く。 が、が、一つの問題にぶち当たるふたり。 今日のレンタカーは、20時までに博多駅近くに返さなければならないのだった。そして、20時でその営業所は閉まってしまう。 「・・・間に合うとかいな?」 そう、帰りの山鹿は大渋滞! 私たちがプイッと菊池まで行ったことに腹を立てたのか、山鹿ったら二人を全然進めてくれないのである。 「ま、大宰府から都市高に乗れば、間に合うやろ」 なんて、楽観的に構えていたのだが・・・。 山鹿に追従したのか、その後の八女も大渋滞! 「・・・広川から、高速に乗っちゃう?」 という案も出されるが、「筑紫野IC出口付近 2kmの渋滞」と電光掲示板(?というのかな? あっそれは競馬場にあるもの?)に知らされ、断念。筑紫野で混むんじゃー、わざわざお金を払って高速に乗る意味もたいしてないのである。 日はとっぷりと暮れ、久留米を過ぎて、ようやく渋滞は解消。 山鹿の怒りも、鳥栖までは追ってこれなかったようである。 「なんか、もしかして、間に合うんじゃない?」 華麗なドライビングを続けるしんちゃん、希望を口にする。 「うん・・・これは、もしかしたら、ギリギリ8時に間に合うかも」 19時半の時点で筑紫野。 このまま太宰府から都市高を飛ばせば、何だか間に合いそうな気もするものの、一応レンタカー会社に電話をしておくことにする。 レンタカー会社のお姉さん、明らかに不機嫌そう。 お姉さん「今日は8時で閉めちゃうんですよ」 エミ 「そこを何とか!」 結局、8時半までは待ってくれる、と言う。 しかし、約束の時間を遅れると、1時間ごとに1000円の遅延金を払わなければならない。それはご免こうむりたい。何より、しんちゃんはスピードを出しすぎるわけでもないのに、妙に集中力あふれる気合の運転で、かなりのスパートをかけている! これは、間に合うかもしれない! 望みを託して太宰府から都市高に乗る。料金所も、5年付き合ってる二人ならではのア・ウンの呼吸で(←言いすぎ。)最短時間で切り抜ける。 都市高速は快適な乗り心地! 60km制限だが、100km出してるだろ〜、という勢いで滑ってく車も多い。私たちも急ぎつつ、しかしここで事故っては元も子もないので、80kmくらいで走る。 「さて、都市高ってどこで降りるんだっけ?」 「え? 考えてなかったの?」 「いや、大丈夫。榎田だ」 「大丈夫?」 「大丈夫! 俺についてこい!」 「ついてくわ!!」 (以上、脚色ぎみの会話でした) しかし、これが痛恨のミスだった! 半道橋の出口を過ぎ、さあ、次が榎田・・・と思ったら 『次の出口は 千代』 という無情な標識。 「し、しまった!! 榎田は入り口だけで出口はないんだった!!」 と嘆いても、もう遅い。次の出口まで都市高速を空しく走り続けるしかないのだ。 「千代・・・千代じゃ行き過ぎだ・・・だめだ・・・もうダメだ・・・決定的過ちだ・・・」 しんちゃん、がっくり。 劇的ゴールインが目の前だっただけに、落胆を隠しきれない。 しかし、よく考えたら、たかがレンタカーの返却が間に合わないくらい、長い人生、どうってことない傷なのだ。 待っていてくれる営業所の人々には悪いが、都市高速1個分の出口くらい、4−5分の差だろう。 「もう、いいよ。よく頑張ったよ。さあ、事故らないように帰ろう」 と慰めつつ、千代にて都市高を降りる。(しかし、案外、私のほうもこの時間との格闘にエキサイトしていた) すると、何だか千代から博多までは意外と近い。 普段ここは、自転車や路線バスで通っていたので距離があるものと思い込んでいたが、車で走るとあっという間だ。 「も、も、もしかして、これって、間にあうんじゃ・・・」 また希望の芽がふくらんでくる。 最後の関所はガソリンだ。19時半にレンタカー会社に電話したとき、 「遅れても、燃料は満タンで返してくださいね」 と、お姉さんに釘をさされていたのだ。 しかし、レンタカー営業所の、ほんのすぐそばにスタンドがあったことは確認済。 こ、これは・・・。 鼓動は高鳴り、目が血走って、テンションが上がる私たち。 さあ、そこを左に曲がって、右に曲がって、スタンドはもう、もうすぐそこだ、ガソリンをたっぷり、満腹になるまで注入してやるのだ!! 「なにっ?!」 それは19時58分。 信じられないことにスタンドの明かりが消えている。ま、まさか、こんな博多駅のすぐ近くで、もう営業時間が終わっているのか?! そう、そのまさかだったのだ。 「ハハ、ハハハ、ハハハハ・・・」 脱力に思わず笑いがこぼれた。 「・・・しかたがない。とりあえず、着いたことを報告して、近くにスタンドがないか、営業所の人に聞こう」 そう言って、営業所前に車を停め、私が助手席から降りるのと、営業所のお兄さんが駆け寄ってきたのは、ほぼ同時だった。 車中のデジタル時計は、“19:59”と煌々と光っていた・・・。 「少々割高になりますが、ガソリンはキロ計算もできますよ」 とお兄さん、提案。ぐったりした私たちは、言われるがままに割高の料金を払った。遅延金は取られなかった。居酒屋でビールと焼酎を飲んで、ささやかな今日の打ち上げとした・・・。 ふたり一緒だと、ただのドライブもこんなスリル・ショーになる。この、意味の無い波乱万丈さ。 愉快な一日でありました。 最後に、この日の車中でのBGM。 ・ビートルズの通称ホワイト・アルバム ・スマッシング・パンプキンズのアルバム2枚 ・スピッツの大昔時代のカセットテープ ・フラッシュバック9「とある男どもの熱情」 ・EGO-WRAPPIN'「満ち汐のロマンス」 ・FM DJ:うたいびと はね、福山雅治、松任谷由実 など |
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