500文字のスポーツコラム(平日更新)
密かにスポーツライターを目指す「でんちゅ」の500字コラムです。

2002年05月01日(水) 投手は9人目の・・・

 投手は9人目の野手だという言葉がある。主に投球後の守備について使う表現だが、DH制でない限り、打撃についても同じ事が言える。通常プロ野球では、バッターとしての投手はいわば「おみそ」扱い。イニングの先頭打者の時など、フォアボールででも出塁できればもうけものといった風情である。
 しかし、好調阪神の投手陣は違う。気のない態度で打席に立つ者は一人もいないと言っていい。たとえ終盤でリードしている時でさえ積極的に振りにいく姿が見られる。ある時は藪の2塁打が得点のきっかけになり、またある時は井川のタイムリーヒットが大量点の呼び水になった。新外国人ムーアに至っては、1試合3安打したこともある。とにかく見ていても迫力があるのだ。
 マウンド上の投手は、打席に相手投手を迎えた時に一息つきたい。だが、どんなに確率が低くとも振り回してこられると、それなりに警戒せざるを得ない。これが余分な球数を放らせる事になったり、精神的な蓄積疲労が終盤ボディブローのように効いてきたりする。長距離砲の陰で目立たないが、こんなところにも阪神が強い理由があるのではないだろうか。

「エースで4番」だったのに(5/1)

 プロ野球の投手の中には、高校時代はエースで4番を打っていたという選手がかなりいる。それなのにプロ入りした途端「オレの仕事は投げる事」とばかりに、素振りさえしなくなってしまう。投手が打席に立たないパの場合はそれでもよかろう(いや、正確に言えば立っても構わないのだが…)。しかしセの場合、先発して完投しようと思えば、最低2〜3回は打席が回ってくるのだ。時には自分が打って決めなければならない場面も出てくる。
 かつて江夏は投げてはノーヒットノーラン、打っては決勝ホームランを放ち「野球は一人でもできる」と豪語した。金田正一は、登板しない日はしばしば代打でも起用された。堀内は1試合3ホームラン、稲尾も日本シリーズで劇的な一撃を放った。元々打撃センスがいいはずの今の投手たちにも、こうしたドラマの担い手になって欲しいものだ。


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