時々思い出す歌は、古い歌謡曲だったり母が口ずさんでいた 歌だったり。ふと思い出して帰り道に歌ってみたり 口笛吹いてみたりする。口笛は夜吹くと蛇が出ると子供の 頃よく怒られていた。今でも実家に帰ると口笛を吹いては 怒られて。何だか子供の頃とちっとも変わらない。 なぜ家族といる自分はずっと変わらずにいられるんだろう。 学校の話が仕事の話に変わり、友達の話が好きな人の話に 変わっただけ。いつだって母は不出来な子供の心配をするし いつだって私は親の前ではただの普通の子供にかえる。 そしてやっぱり父は変わらず強くて格好いいままでいる。 お盆やお正月くらいしか会えなくて。 考えると不思議な感じがする。家族なのに。 子供の頃は一緒に住んでて毎日会っていたのに。 今は別の家に帰っている。でも実家に帰ればただ今という。 それが。たったそれだけが嬉しく思える。本当はもっと一緒に いたいと思う。でももう大人だから。子供は親を乗り越えていく もので。私はもう大人だから。少しずつ自分の生活というものが 出来て来ていて。それでもつないだ手をずっと離したくないと思う。 顔を見て。幼い頃につないだ手をみれば、この人は確実に 自分より先に逝く人なんだと。その思いに決心を何度も固める。 もっと頑張ろうと。もっと頑張ってもっといい子になりたいと。 この人の子でよかったと自分が思うのと同じくらい、 誇りだと思われる子でありたい。そして今更ながら、 もっとそう思われる子になりたいと決心を改める。 きっと本当はとっくにそんな愛情をもらっているのだけれど。
|