快賊日記「funnyface」

2002年11月30日(土) 夢の住人

それは決して覚めない夢。
覚醒、はなくていい。目覚めの時は終わりの時。
甘い言葉で囁いて、慣れた仕草で誘われて。
瞼が少し揺れる時もあるかもしれない。
それでもこのまま覚めずに夢の中。
目指すは終わらない夢のその向こう側。
例えば誰かの夢でもかまわない。
その誰かが目を開ければ消えてなくなってしまうほど
儚く清いこの物語。その物語こそが僕らの夢。
どうか、目を覚まさないで。僕らはずっとここにいるから。
例えばその夢とは僕らの船。必死で漕いで夢を紡いで行く。
例えば覚醒は現実という名の社会。
そろそろ諦めきれない夢を引きちぎれと優しい人が僕を諭す。
例えば誰かの夢は仲間の誰か。
同じ夢を持つその仲間の夢の中になら喜んで溶けて行こう。
そして僕の夢もまた、君のために喜んで捧げよう。
これは覚めない夢だから。覚める必要のない夢を
いつまでもいつまでもこの胸に抱きしめて。
一つ一つ叶えてまた終わらない夢を見る。
だって僕らは夢の住人。


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