せっかく人と出会うなら、いい出会いをしたいなと思う。 出会えてよかったと言える出会い。そして別れる時は 「ありがとう」と「またね」が言いたいし、言われたい。 どうしても傷つけあったりしちゃうし、我侭がすぎて喧嘩にもなる。 言いたくない事言わなくちゃいけない時もあるし、逆もまたしかりで。 ふと振り返ってみたら、長い付き合いの中、いい事なんてあったっけ? でも、一緒に笑ったよね。ほんの短い間だったかもしれない。 でもその時は同じ事で笑い合ったよね。 一緒に泣いたりもしたでしょ?同じ痛みで泣いて悔しくて。 それから理不尽な人の世のいたずらに怒って叫んで、やっぱり 泣いて。そうやって出来た少しの思い出は忘れてないから。 思い出なんか必要ないといってたあの子も今は知ってる。 思い出は過去に引きずられる事じゃない。寂しくなった自分を 慰めるすべでもないし、望郷のための道具でもない。 それは自分が生きた証。そこにいた証拠。今の自分のための 大事な足跡。そこに浮かぶのは一緒にいた誰か。 それは友達だったりする。 だから、やっぱり駆け抜けていった一緒の時代は大事で。 騙すみたいな言葉でもって心を絡め取ってるみたいだけど、 それでも辛い思いごと忘れないで。別れる時はちょっと切なくて。 思い出してみるとまるで一夏の事みたいに切なくて。 だけど初めて会った日とか駅まで迎えに行った時みたいに… そう、伸ばした手を振って笑ったら、また友達なんだ。 遠くに遠くに手を振っていつかまた会える日を思ったりして。 そうやって一つ別れを告げる頃には日が落ちて。 もうそろそろ季節は秋に色を変えて行く。
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