衛澤のどーでもよさげ。
2005年09月19日(月) 本望だ。

行ってきました「LIVE-GYM 2005 "CIRCLE OF ROCK"」!
今日の当記事はとても長いですよ。お読みの方は覚悟してくださいね。

今年参加したのは9月18日(日)。大阪ドーム公演2日め、3daysの真ん中の日です。大阪ドーム公演に参加するときは大抵この日程です。ドームツアーはいつも大阪が最終地で、千秋楽が一番盛り上がるのだろうなというのは判ってはいるのですが、手に入るチケットがいつも中日なのですよ。

ここで大阪ドーム基本情報。
アリーナ面積約13200平方メートル、容積は約120万立方メートル。大阪城がすっぽり入ってしまう大きさだそうな。
1997年開業。ここで公演したアーティスト概ねすべての手形が2階に展示されています。勿論、ギターの親方や歌の兄貴の手形もあります。ぼくはまだ見たことがないけど。
収容人数は約55000人。野球のときは48000人と言いますから、グラウンド部分(アリーナ席)が7000席ということになりますね。
1日借りるだけで1400万円かかるそうです。ここにトラスを組んだり特効で火を燃やしたり火薬を爆発させたり50000人超の観客を誘導整理する人を雇ったりすると、最早や天文学的な金額が必要になります。ここで公演する人は大変なお金持ちなのですね。

さて、その大阪ドーム前で同行の友人に写真を撮って貰いました。

開場5分前第6ゲート前

真ん中のおじさんがぼくですが、それは気にしなくていいです。御覧頂きたいのは立地条件です。直ぐ傍に巨大なガスタンクがある素敵なヴューですよ。
ここでテロリストに爆弾のひとつも爆発させられたらひとたまりもありません。最寄り駅はJR大阪環状線大正駅。環状線も大阪の中心地を走っていますし、ドームも50000人以上の人が入れる施設ですし、呼べば聞こえそうなほど近くにガスタンクが鎮座していて、これは「テロを起こしてください」と言わんばかりの配置です。大正駅からドームまでの途上でタンクを眺めながら、いつもぼくはちょっと怖いなあと思うのです。

また、55000人が音楽に合わせてジャンプをすると周辺地域はちょっとした地震になってしまうそうで地域住民からの苦情が相次ぎ、一時は「大阪ドームでのコンサートは禁止」ということになっていました。でも、いまこうしてライヴが開かれているということは、ここを本拠地としていた在阪球団がなくなって赤……むにゃむにゃ。

開場1600時、開演1800時。丁度開場時間にドーム到着。
会場内は空調が効いていると言っても暑いし可能な限り動きやすくするため、当日の服装は半袖半丈。但し足許は足首を保護し疲れにくく脱げにくいハイカットのトレッキングシューズ着用。開演2時間ほど前に消化しやすく直ぐに熱量に変わる軽い食事を摂ってから(腹一杯喰ってはいけない)、こまめに水分補給ができるように飲みもの持参で入場。水分は最低500ml以上確保しておくべきだ。会場や会場周辺で必要物資を購入できることは当てにしない方がいい。50000人以上が集まる場所なのだから購入には時間が掛かってしまうし、品物にありつけないかもしれない。
たかだかライヴ、たかだか2時間と侮ってはいけない。ちょっとした登山くらいの運動量と過酷さを覚悟していくべき。事前の体力づくりは当然のこと。特に心肺機能の向上は心掛けておく方がよい。
……というのが、ぼくが過去10年間に経験したライヴから学んだことです。

席は一塁側スタンド席9列249番。これまでの大阪ドーム公演ではアリーナ席にしかすわったことがないので、スタンド席はあまりステージがよく見えないのだろうなとチケットを手にしたときには少々がっかりしましたが、実際にすわってみるとなかなかどうして、視界良好です。
いつもステージ傍に設置されているオーロラヴィジョンもこれまでのプロジェクタとは違ってLEDなので画質がクリアー。席についてステージを眺め次第に埋まってゆく客席を眺めているとテンションのゲージがどんどん上がっていきます。
今回も変わったトラスを組んであるなと思ったら、よくよく見ると円形のステージ上で巨大な人がふたり向かい合って、互いの両手を繋ぎ合わせて輪っかをつくっている姿を模している様子。開演前にオーロラヴィジョンに流れていた映像でもそれが判る。映像の、ステージを歩く人型がかわいかった。でもね、手前の「人」の片脚がステージを隠してくれていたよ。透けてるけど。

グラウンドのど真ん中に円形のステージがどんと据えられていて、今回のセットはそのセンターステージだけ。ぼくがよく参加していた5年くらい前のライヴではフロントステージとセンターステージのふたつを設置してあって、歌の兄貴たちがあっちこっち移動してくれてその移動も見ものだったのだけど、眺める限り花道やセリも見当たらなくて入退場などの移動はどうするのだろうとわくわく。
観客の頭上には機雷(トゲトゲが出っぱった球状の爆弾)が幾つか浮いていて、「あれが破裂して中から親方(松本さん)たちが出てくるに違いない」「あんなところで待機してるんだね、大変だね」というネタを友人と披露し合う。……それくらいのことをして笑かしてくれるだろうな、という予想も希望も含めて。毎回真面目に笑かしてくれるから。

開演時間5分遅れで開演。客電(客席の照明)が半分だけ落ちて「THE CIRCLE」が流れる中、バックスクリーン直近の入口からB'z&サポーター御一行がグラウンドを歩いて入場。
……と。
ステージの内容を書いてしまっても大丈夫ですよね? 今日が千秋楽だし。
客席と彼等が歩く通路スペースとの間をフェンスと警備員が隔てているとは言え、そんなに観客の近くをゆっくり歩いてよく暴動が起きないなと感心。アイドルファンと違ってB'zファンはオトナだなと思う。みんな手を振るだけで満足している。さわろうとか叩こうとか狙撃しようって人はいないんだね。

いつものように両の拳を頭上に挙げて声援に応える松本親方の笑顔とがっしりした体格に惚れ惚れする。あの筋肉の付き方はとてもうらやましい。ギタリストなのにどうしてドラマーのようにごつい身体つきなのかいつも不思議に思う。
続くイナバ兄貴はやっぱり変な衣装で笑かしてくれる。スーツはいいのですが、そのつやつや光沢の生地とムラサキって色はないでしょ、って。いつも何処かひとつ外してくれるところが好きだ。取り立て屋みたいで恰好いいぞ(誉めている)。
シェーンさんの身体の何処かに必ず「大阪」の文字があるはずだと探してみるが、このときは見つからず。後のメンバー紹介のときにシャツを脱いだ背中一杯に大書されていました。流石だ。
徳ちゃん細! 大田くんはもっと自分をアピールしなさい。この若者ふたりを見た後に増田さんの姿を見ると何だかほっとするのでした。

全員がステージに上がると客電がすべて落ちて、第1曲め「X」、続いて「パルス」。「パルス」でアドレナリン分泌量がMAXまで引き上げられてしまう。
ぼくは今月4日に開腹手術を受けました。手術創がくっついたばかりです。執刀医師から「向こう2箇月間ははげしい運動は控えるように。重いものを持ったり、ジャンプも駄目」と言われていましたが、そんなことは既に忘却の彼方ですよ。痛みも怖れも感じている場合ではなく、ステージから全力をぶつけてくる彼等との対決に精一杯です。
大阪ドームの屋内各所には「ジャンピング禁止」と書いてあるのでジャンプはしないように、またストンピングも可能な限りしないように気を付けましたが、じっとしているのは無理って話です。

メニューは先月末の福岡ドーム公演から変わっていないようです。途中から夢中で正しく憶えているかどうか定かでないのですが、こんな感じでした。

(入場:THE CIRCLE)
1.X
2.パルス
(暗転)
3.Fever(ステージ火を噴く)
4.イカロス
(MC)
5.アクアブルー
6.睡蓮
(暗転)
7.Mannequin Village(マネキン多数登場、イナバ兄貴マネキンにセクハラ)
8.哀しきdreamer
9.BLACK AND WHITE(松明一杯、ステージが何だかバースデーケーキのよう)
(MC)
10.ALONE
11.今夜月の見える丘に
(MC)
12.誕生日のうた
(メンバー紹介)
13.love me, I love you
14.ねがい
15.juice(ステージ大回転。まわり過ぎ)
16.IT'S SHOWTIME!(火薬爆発)
17.愛のバクダン(飛行船登場、愛のバクダンばらまく)
------- encore -----------
(MC)
1.OCEAN
2.BANZAI
3.ultra soul
(おつかれー!)
(退場:Dear my lovely pain)

3曲め「Fever」でジャケットを脱いだイナバ兄貴、下のシャツはノースリーブでまた笑かしてくれる。袖なしでネクタイか……(ぷ)。露わになった三角筋(肩口の筋肉)と、シャツ越しに窺える向背筋(背中の筋肉)の発達具合いに「それ、狡いわ」と呟いてしまいました。済みません筋肉フェチで。
TVに出演したときにはよくマグネシウム発火(どかーん!と大音量で爆発するやつ)を使用していますが、今回は爆発でなく炎がステージの端っこから高く噴き上がりましたよ。後で「IT'S SHOWTIME!」でどかーん!とやりますが。
火を噴き上げるために消防法上の許可を取るのが大変だったんだろうななんて思ったり。

MCは1回ずつはそれほど時間を取らず、小分けに沢山、という感じ。MCに入るたびに「どうも有難う」と言ってくれるのは、かなりめずらしいのでは? こんなに沢山「有難う」を言うアーティストを、ぼくはほかに知りません。
デビュー16年、CD売上記録保持、発売CDすべてランキング1位と輝かしい記録と実力とキャリアを持つ彼等ですが、少しも驕ることなくいつも謙虚なのがさわやかですらあります。終演時には毎回、深々と腰の位置くらいまで頭を下げて御辞儀してくれますしね。
「今日は空っぽになっていってください」と淡々と、そして毎度の如く咬みながら話すその口調は、相変わらず教師口調。ホームルームみたいです。10年以上やっていても喋りだけはあんまり上手にならないのは御愛嬌。流暢にならないでほしいな、とも思います。
声を出したのがイナバ兄貴だけだったのが、ちょっと寂しかったですね。メンバー紹介のときだけでも松本親方やサポーターのみなさんの声を聞かせてほしかったなあ。

アルバム「THE CIRCLE」を聴いていて、「睡蓮」の出だし部分のイナバ兄貴の声に毎度毎度とろけそうになってしまうぼくですが、この日の生音では松本親方のギターの色っぽさに魂を抜かれました。頭頂部から魂がすう……っと抜けていくのが判りました。だもんで、虚空に両手を伸ばして「待ってー返してー」とあわあわやってしまいました。
弦楽器一本で人の動きを封じてしまう。すごいや親方。

「Mannequin Village」ではステージの周囲にずらりとスタイルのよろしい女性マネキンが並び、その間を縫って歩きながら、そしてその胸や尻をさわりながらイナバ兄貴が歌います。きちんと「エロい」さわり方を心得ているところが憎い。こういうエロ演出をさせたら日本一なのかもしれない。
「Mannequin Village」だからマネキンが並んだのですよね。違う曲で同じ演出をするとすれば、やはり生お姉さんが並んだのだろうか、と「RISKY」の頃に水着のお姉さんがステージ上に大量に現れたことを思い出しました。同行の友人は「これがほんとの"LADY-GO-ROUND"だね」と言っていました。ステージが回転鮨のようにくるくるまわっていたので。

「BLACK AND WHITE」の曲はじめに、ほんものの炎が点った松明を掲げた人が何人もステージに上がり、例のステージのくるくるまわる部分(円形ステージの真ん中は固定されていて、縁の部分だけが回転する)に松明を立てて、ステージからぞろぞろ降りていきました。客電が落ちた闇の中に真っ赤な炎が幾つも点って揺らいでいるのを見ていると、怪しい気分になります。
円形のステージにぽつぽつと火が並んでいるさまは、ろうそくが立ったケーキのようでもありました。この曲のときにこそステージを高速でまわして火を消してみればよかったのに(笑)。

「誕生日のうた」は未発表曲。「BUZZ!」(95年)の「LOVE PHANTOM」、「FIREBALL」(97年)の「DO ME」みたいなものですね。後にアルバムに収録されるとうれしい。
「よく考えてみると僕たちの曲には御誕生日を御祝いする歌がないので、つくってみました」とのイナバ兄貴のコメント。兄貴が「今日、誕生日の人」と片手を挙げて客席を見渡すと「はーい、今日誕生日!」と挙手する乙女たちが何と沢山沢山いることいること。今年だけ9月18日が誕生日になった人も多数。
「それじゃ、今日が誕生日の人のために。今日誕生日じゃない人も赤の他人のために御祝いできる広い心を持って、一緒に歌いましょう」とやっぱり先生口調で導かれ、55000人大合唱。とてもかわいい詩の、歌いやすく憶えやすい曲です。「Wonderful Opportunity」や「恋心(KOI-GOKORO)」に続く観客参加型の定番曲になるといいな。

「love me, I love you」以降はノンストップ。どんどんはげしい曲になっていくので昂奮も最高潮に達します。ここで特筆すべきは「juice」ですよね。これはきっと語り種になると思うのですよ。
えー、あのですね。
これまで何回か「ステージが回転する」と書きましたよね。その回転速度は、一定ではないのですよ。曲のテンポや演出に合わせて変わるのです。で、「juice」。……尋常でない速度でまわります。どれくらい速いかというと、ステージ上に立てている旗(かなり大きい)がたなびくくらい。ここは笑うところですよね。……ね?

曲に対しては勿論ノリノリなのですが、ステージに対しては「そんなに猛烈にまわらんでええやろ」と突っ込まずにはいられません。この回転体上に立っていたのはイナバ兄貴だけだったのですが、よく立っていられるものだと思いました。立っているだけでなく、確かな歌唱もします。これがプロかと、笑いながらも惜しみなく賞賛の拍手を贈りましたよワタクシ。
あんな猛速度の回転体の上に、捕まるものがあったとしても、ぼくならきっと立っていられないと思います。くるくるくるくるまわりながらも声がびびることも息が切れることも歌い損じることもないイナバ兄貴。素敵だ。「IN THE LIFE」(94年)のときは自力で回転して目をまわしていたのに(しかもその様子がライヴビデオに収録されてしまっている←蒸し返してやるなよ)。

ラスト曲「愛のバクダン」で、客席上に浮いている機雷の正体が明かされます。演奏中に飛行船が2機現れて、観客の頭上を旋回して、機雷に次々と体当たりしてゆきます。すると機雷が破裂して中から「愛のバクダン」(ハート形の風船)が沢山、紙吹雪とともに飛び出して、観客の許に落っこちてゆくのです。勿論、このときは客電が点いています。
ステージや飛行船の行方を見るとともに、このときぼくは客席も見まわしてみました。眼に入るどの顔もどの顔も、例外なくとてもうれしそうな満面の笑顔で、きっと55000人のみんなが笑っていたのだと思います。ぼくはその笑顔のひとつひとつがとてもうれしくて、こんな場にぼくを招いてくれたステージ上の彼等に感謝せずにはいられませんでした。何度も何度も「有難う」を言ってくれたけれど、ぼくたちはお金を支払った上で時間を割いてここに来ているのだけれど、それでもほんとうに心から有難う。そういう気持ちになりました。

アンコール待ちの間は恒例のウェーブ。手拍子よりもウェーブ。アリーナ席とスタンド席では別々にウェーブが発生して順序よくまわっていくのだけど、スタンド席のウェーブは些か不調で途中でたびたび消えたりしていました。
そこで、ぼくがすわっていた席の周辺の人が「つくりましょう!」と団結。見知らぬ人同志が数十人単位で気持ちを合わせて一斉に身体を動かします。こういうのもライヴの醍醐味ですよね。

アンコールは「OCEAN」でコーラスのうつくしさを堪能した後に、拳を振り上げる曲が2曲続きます。思いきり諸手を挙げて、高く拳を突き上げて、完全燃焼。大満足です。
終演後、ぼく等の後ろの席にいた若いお嬢さんが「B'zって元気なおじさんたちだね」と言っているのが聞こえました。
ほんまやね。
でも、「ただの」元気なおじさんじゃないんだと、ぼくは思います。無駄な年の取り方を決してしていない、素敵に年令と経験を重ねた、尊敬できる大人ですよ。だから姿もうつくしいんだろうな。うん。飾り立てたうつくしさじゃなくて、内面から滲み出るうつくしさ。

近頃いろいろと振るわなくて腐っていたりもしたけれど、そんなことしている場合じゃないと、もっとがんばらなくてはいけないと、がんばれるのだと、元気が湧いてきました。「魂に火が点く」ってこういうことか、と。
一ト晩で55000人を相手にしてひとり残らず満足させた上に、生命力を焚きつけてしまう親方や兄貴たちは、ほんとうに「いい男」なのだと思います。こういう男にならなきゃだよねえ。……目標にするくらいは、許されるでしょう?

帰宅してから手術部位に少し痛みを感じたのでそこを見てみたら、少しだけですが内出血が見られ、前日よりも少し腫れているようでした。身体の表面の傷はくっついているけど内側はまだくっついていないから気を付けるようにと言われたのをそのときにやっと思い出しました。派手に動きすぎたかなとちょっとひやりともしました。でも。
もしもライヴに参加したために何か身体に不具合が表れたとしても、ぼくは本望ですよ。決して誰にも文句は言いません。むしろ「有難う」です。


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