浅間日記

2015年07月15日(水) 一見さんおことわり

信濃川の河口近くで仕事。
湿った川風が、心地よい。



最近では、どこの新幹線に乗っても、どこの地方都市の駅へ降り立っても、
観光観光、喰う寝る遊ぶで飾り立てられている。
わざとらしい演出に、もういささか、うんざりしている。



演出するほどには、地域は魅力を放ってはいない。
むしろ、地方都市は拍子抜けするほど空虚で、平坦で、
一部のスポットだけ不自然に、テーマパークのようになっている。
テーマパークと違うのは、過剰気味の観光客に住民が疲弊していることだ。



私達は、「おもてなし」という言葉にすっかり幻惑されている。

かつて「観光地化」という言葉は、ある地域が陳腐化するというニュアンスを含んでいた。
その本質は変わっていないと思う。

生活者の空間を一見さんが踏み荒らし、物見遊山し、
プライベートに近いコミュニティ空間が奪われる。

交通は過剰になり、物価は上がり、祭りは神聖さを失い、
不特定多数の人間の出入りによって、治安や迷惑行為に無用な用心が必要になる。



そのうち、観光地における地域住民の生活環境を守るための、
地方条例が必要になるんじゃないか、と思うのである。

2008年07月15日(火) ケッヘル様


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