浅間日記

2015年05月27日(水)

熊野にて仕事。
仕事、といってもほとんどボランティアのような対価の用事なんである。

そうだからもう、仕事がはねたあとは、
宵越しの金は持たねえ、の意気込みで消費に勤しむ。

そもそもこの土地は、そうした処なのらしい。

紀伊山地の杣人は、伐り出した木を川で運び、
河口のこの街で市に出すと、一晩豪遊して、また山へ帰っていく。

今でも熊野川上流の街からやってきて、
一晩に十万単位でお金を使う輩もいるのらしい。

しかしそうはいっても、新宮の街は明らかに衰退している。

かつて栄華を誇った形跡がみられるだけ、物悲しい。

自分が考える以上に、経済のグローバル化は-ひどい爪痕を残しながら-、

地方の小都市を侵食し、焼き払い、文化も記憶も根こぎ奪っている。

そのことに、腹の底から湧き上がるようなやりきれない気分を、

小さな酒場ののれんをくぐることで、どうにかしようとする。

2014年05月27日(火) 背徳の猫達
2007年05月27日(日) お受験母
2006年05月27日(土) 
2005年05月27日(金) 梅涼
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