浅間日記

2008年05月21日(水) 春ゼミと白昼夢

春ゼミの鳴く声が、林の中から聞こえてくる。
ふいに深い山の中へ分け入りたい気持ちが込み上げる。

谷間の沢も、尾根筋を抜ける風も林の木陰も、
手を伸ばせば届きそうな場所に確かにあるのだが、今は遠い。



最近は専ら、24時間、文字通りの哺乳類として生きている。

赤ん坊は突然、ニカーと笑う。かにわらい、という。
これは単なる顔面の筋肉が反射する現象であって、
別に母親への愛想で笑っている訳ではないそうである。

そうはいっても、そうは思えないのが人情であるし、
筋肉の反射にしておくにはもったいない、表情ある笑みである。



春ゼミが鳴り響く昼下がり、ひんやりした家の中で、
赤ん坊のかにわらいを凝視する。

この人はどこか別の場所で、人の子の親として生きていて、
自分の腕に抱いた赤ん坊の寝顔をみて微笑んでいるんじゃないだろうか。
その微笑が今ここにあるのではないか。
そんな白昼夢にかられる。

ということは、私もどこか別の場所で赤ん坊として生きていて、
母親に抱かれながら謎の笑みを浮かべているのかもしれない。

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