浅間日記

2006年04月27日(木) 天国はいらない、故郷をくれ

お腹が痛いといって、Aは家にいる。

仕方がなく、観たかった写真展へ、一緒に連れて行く。
チェルノブイリ原発事故の後も、放射能に汚染された故郷に住み続ける、
ベラルーシ共和国のドゥヂチ村、ブジシチェ村の人々を撮影したもの。


難しい写真展だ。
ベラルーシの人々の、大地とともに生きる姿。
ベラルーシの人々の、原発事故という被災の、大変な経験。
この両方についてバランスよく所感をもつことが難しいのだ。

農村や、大地とともに生きるという感覚は、
自分で畑や山林を所有し、かつそこで暮らし、
畑や山林で生計をたてたことがない私には、正直わかりにくい。

豊かで素晴らしい、と口にするのは簡単だが、
その前に「多分本質は理解できないけど」と断りを入れるのが、
その人たちへの礼儀である気がする。

度々、避難勧告にやってくる役人に向って、
「天国は要らない、故郷をくれ」という、ある詩人の詩をそらんじるという、
男性の写真。

大地と共に淡々と日々を送る彼らの姿は、
原爆投下後の広島を描いた「黒い雨」を思い出させる。

本当に、私には大変に難しい。
何とも思いが至らない。

2004年04月27日(火) よい子馬鹿


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