浅間日記

2004年09月10日(金) 雑踏行進

上京。

新宿駅の雑踏を、Aは緊張した面持ちで歩く。
手と足を伸ばし、小走りで行進するみたいに歩く。

周囲の大人たちの迷いのない歩き方と
同じにしなければならないと思っているようだ。
時々、これで間違ってないか、とでもいうように、辺りをきょろきょろする。

手を引きながら、いいよいいよやめとき、と思う。

頑張ってみても、この雑踏はあなたが期待しているような
視線は返ってこないのだから、と。
えらいねーとか大人みたいだねーとか遠くから来たんだねーとか。

小さいコミュニティから都会に出てくる若者は、
まずここのところでぶつかるのだろうな、とふと思った。
「この街では自分を誰も気にしない」、ということに気がついた時、
それはそれは寂しい思いをするか、あるいは、開放感を味わうかなのだろう。

Aは雑踏に流されて歩くなんて、まだ10年以上早い。


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