浅間日記

2004年03月30日(火) 噴火と出産

2000年に、有珠山と三宅島雄岳という二つの火山で噴火があった。
自然の摂理の前に、人間、特に男の人達が
まだか、もうかと騒いでいるのを見て、
それ以来、噴火には出産と同じような
イメージを持つようになってしまった。

噴火という百年単位のこの地球規模の活動に対して、人は
本来ならば十年ぐらい途方にくれているのがいいのだと思う。
しかしながらそれでは社会生活が成り立たないので、
必要な部分だけ、人為を加えて安全と快適性を確保する、
というのが、まあ妥当な道筋なのではないかと思う。

東京都が発表した「三宅島緑化ガイドライン」には、
植物、土壌、菌類、生態系など、
あらゆる自然環境分野におけるエキスパート達の
そうした思いが込められている。よい仕上がりだ。

島の復興は、帰島する島民の
生活の質を保証するものでなくてはならない。
同じ島に帰ってきたと思えることが重要だと思う。

彼らは、都市生活者には全く考えが及ばないほど
自然や風土と共に人生を生きている。
あだや外来種の緑で覆うなどということを
軽々しく行ってはいけない。
それは島民にとって、留守中の自宅に
外国人が違法侵入しているような違和感なのだ。

おそらくきっと、
噴火により荒れ果てた故郷を見るほうがずっとましだと思う。
誕生とは、痛みを伴ってもそれは豊かさの象徴なのだ。


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