浅間日記

2004年01月25日(日) 国民総ガス抜き表現者

「若者もすなる日記というものを我もしてみんと欲せし」の心境で始めた日記だけど、本当に沢山の人がWEB上で日記を書いているのに驚く。

皆それぞれに自分を軸とした思いの丈を語っている。
もちろんアブナイ日記や稚拙な内容のものもある。
反対に、実は著名な人が書いているのでは?と驚くほど
はっとさせられるものもある。

そういう「日記群現象」を俯瞰していると、執筆者はみな、一方的に押し付けられる情報でパンパンになり消化不良になりそうな自分の、ガス抜きをしているようにみえる。
学校の授業、テレビ、新聞、本・・・インタラティブを謳いつつ、そこには権力の浸透圧が存在する。そういうものの束縛から解放されたところで自分を見て欲しい、人々とつながりたい、という気持ちが伝わる。

市井の人々の話には、もともと真実と味わいが含まれているものだと思う。
優れたものは、カンタベリ物語やら、○○鏡とか、名作古典になるまでだ。尊重に値すべきものだと思う。印税いくら、ページいくらの欲目で書かれた駄文とは、魂の入り方が違う。

興味があるのは、このガス抜き段階の後、私たちがどこへ行くかだ。
自分のガス抜きが果たせた後、もう少し力の抜けた表現になるときが楽しみである。

上手く整理できないのだけれど、そういうガス抜きの結果で、
見知らぬ人どうしの会話が豊かになっていくといいなと思う。
昔のむかしの小説や書物、落語に残るような、行きずりの人との暖かいコミュニケーションに成熟しないかな、と密かに思う。


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