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セキララな思考。
安井 文
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2013年04月18日(木)
私の世界

ここ数日「私の世界」という歌が頭の中をぐるぐるしている。

♪〜
だからお願い かかわらないで そっとしといてくださいな
だからお願い かかわらないで わたしのことはほっといて〜♪
(「私の世界」作詞:岡田惠和 より引用)
そして、なぜだろうと考えてみた。


この歌は1月から3月まで日本テレビ系列で放送されていた「泣くな、はらちゃん」というドラマの挿入歌だ。
長瀬智也演じる"はらちゃん"という漫画の登場人物が主人公。
彼はひょんなことから、麻生久美子演じる"越前さん"が日々の鬱屈を書きなぐっている漫画の中からやってくる。
そして、自分のいる漫画世界を楽しくするために"神様"である越前さんに幸せになってもらおうと現実世界で奮闘する・・・まあ、さくっとまとめるとこんな感じの物語だった。

なんとなく逆「不思議の国のアリス」といった感じ。
不思議の国の住人が、アリスの住む現実世界にやってきたら面白そうだ。

ちなみに漫画世界には"はらちゃん"の仲間もいて、ノートが閉じられているときは仲間たちで和気あいあいとやっている。ノートが開くと漫画のコマに固定されてしまう。
"はらちゃん"が現実世界にいる時にノートを開くと、彼が漫画世界に強制送還される。

"はらちゃん"はギターを抱えていて、漫画世界でメロディーのない歌詞を3本しかないギターもどきを鳴らしながら歌っている。
ギターの弦が3本しかないのは"越前さん"がいい加減に描いているからで、メロディーがないのも音符が書かれていないから。
歌詞だって本当は、"越前さん"が口で言えない自分の思いをつづっているだけで、正直なところ、メロディーがなければ歌詞とは言えない。

第1話の終わりあたりで、"越前さん"は半信半疑ながら、ノートの中の"はらちゃん"のギターに弦を3本追加して、歌詞のそばに音符を書き加える。
そして、「私の世界」という歌になるのだ。・・・ではなく、現実世界で"はらちゃん"が、支笏汐里演じる"越前さん"の同僚の"清美"の作った歌「初恋は片思い」のメロディーを聴いて帰ったので、なにしろ"はらちゃん"はそれしかメロディーを知らないので、まあ、ちゃっかりパクっちゃって歌になったというわけだ。

とまあ、前置きが長くなってしまったが、今回はドラマの話をしたいわけではない。
「私の世界」はそんなドラマの挿入歌だよという紹介は必要だろうと思い、ちょっと行数を割いた。

公式サイトに歌詞と楽譜が掲載されているので、全文を見てもらうとわかるが、「私の世界」は自意識過剰な内容だ。(脚本を書いた岡田惠和さんが作詞をした。)

はらちゃんギャラリー「私の世界」

とにかく、この歌が私の頭の中でぐるぐるしている。

なぜだろうと考えてみたのだけど、たぶん、今の私の気持ちなんだろうなあという結論に達した。

私自身が自意識過剰なのだと思う。

この頃、スマートフォンの普及でSNSの閲覧や投稿が簡単に出来るようになってきている。
わざわざパソコンを開かなくても、スマートフォンの画面をちょっと触れば、自分のSNSページを見ることが出来るので、ついつい空き時間に開いてしまう。
何か書いて誰かの反応を無意識に待ってしまい、反応がなければがっかりし、反応があっても意図した反応じゃなかったら、またがっかりする。
自分が心地よいと思う反応であっても、"この人は本当にこの話題に興味があってコメントしているのかな?"と思うことも時々ある。

そういう事ばっかり気にしてしまう毎日に疲れてしまった。

"じゃあ、見なければいいじゃん?"と言われてしまうだろうこともわかっている。

だけど、これがなかなかに難しい。
自分が想像していたよりも、そういうものに依存しているということなんだろう。
現在、極力"見ない書かない"ように習慣づけようとしているところだ。

極力見ないようにしてみて気が付いたことがある。

なにかニュースを見たとき、とっさに浮かぶ気持ちや考えがある。
そういうものというのは、すぐに誰かに喋りたい。
現在の私は、SNSにそれをする習慣になってしまっている。
当然、とっさの思い付きは、それ以後同じニュースの違う論調の記事を読むと、細かいところで多少意見が変更されることが多い。
そうすると、先に書いた自分の書き込みを修正したくなる。
だけど、修正できないから、自分で自分の書き込みにコメントすることになる。

それを繰り返しているうちにちゃんと考える習慣が劣化してきたような気がする。
右腕を痛めて字を書くのが難しかった時期があり、なんでもかんでもPCや電子メモ帳のようなもので入力するように変えたのだけど、それもあんまりよくなかったようだ。
紙に字を書くときには、極力修正したくないので、出来るだけ考えをまとめてから書き始める様に思う。
キーボードだと、修正は、削除してしまえば終わり、書き直す前に何を書いていたのかも簡単に忘れてしまう。
そんなこんなで、このままでは、なんだか今以上に薄っぺらくなってしまう〜と危機感も感じ始めていた。

幸い、治療の甲斐あって、右手の症状は改善され、また字が書けるようになった。
そこで、最近はまた、字に書いて考えをまとめるようにしている。

誰かの意見を引用するのもSNSでは簡単にできる。
そして、その引用に対しても簡単に意見を書くこともできる。
それがいいのか悪いのかちょっと今はわからない。
だけど、SNSが普及する前は、そういう事柄についてもブログに書いていたはずなのに、それをすっかり忘れてしまっていた。
せっかくこういう場を自分で持っているので、初心に帰ってみよう・・・ここ数日そういう気持ちになってきた。
興味のある事はたくさんあって、そういうものの吟味を自分自身の中でしながら、記事を書いていたはずなのになあ。
そういう時間と楽しみを私はちょっと忘れてしまっていたんだな。

インターネットにはたくさんの情報とたくさんの人の気持ちや思いがあふれてる。
そういうものにたくさん触れて、食あたりを起こしているような感じなのかもしれないな。
「私の世界」を耳にしたとき、"うわ、なんだこの歌詞"・・・と、正直なところ感じたのだけど、何度も復唱してみると"ああ、私もそう思ってるなあ"と共感していた。

あまりにも簡単に自分の意見を書きすぎて自意識過剰になってる。
あまりにも簡単に他の人の意見にコメントしてしまって、過干渉しすぎになってる。

これも一種のネット依存だよねえ。

「私の世界」
WORDS BY 、MUSIC BY 井上鑑、PLAY BY はらちゃん