**‡還ってきた‡**  姐さんの戯言
姐さん



 長身で長髪、ちょっと若作りないい男


『犯人に告ぐ・この秋ロードショー』

やっと
やっときましたか!

2005年に第7回大藪春彦賞を受賞した

「犯人に告ぐ」作/雫井脩介

いつ映画化されるかな〜、と心待ちにしていました。


まず、登場人物が魅力的

 ストイックで
 しかも人間味溢れる部分も併せ持つ主役刑事、巻島
 頭が良く仕事は出来るのだが
 上司からはあまり好かれていない
 およそ刑事らしくない風貌
 あだ名は「ヤングマン」
 長身で長髪、ちょっと若作りないい男

 その巻島が警察内部で唯一信頼している巡査長、津田
 地方に巻島がとばされた時に知り合う
 巻島は「津田長」と呼び、迷いが生じると彼に相談をする
 自分の立場、やるべき仕事を的確に判断し
 巻島を陰から支える男

 ちょー嫌な警視監と、警視
 力が全ての縦社会『警察庁』の内部を
 嫌と言うほど見せつけてくれる
 巻島を引き立てる大切な悪役たち

この登場人物だけで
ドロドロした警察内部が垣間見えてワクワクものなんだけれど
ここに更に犯人を捕まえるまでの
ミステリィ、サスペンスの要素が加わっているので
小説としたら、もうサイコー。


神奈川にて子供の誘拐事件発生
警察庁の敏腕刑事、巻島が陣頭指揮をとることになる
被害者は神奈川在住の住民だが
身代金の引き渡し場所が都内・新宿ということで
急遽、警視庁との合同捜査になる
しかし、どちらも面子を保ちたがり
どちらが主導権をとるかで争いが起こるが
「警視庁を黙らせろ」という警視監の言いつけ通り
巻島はなんとか警視庁に手を引いてもらう

ところが犯人は新宿には現れない
次に、引き渡し現場を原宿に指定し直すが
そこにも犯人は現れず
最後は横浜の花火大会会場を指定してくる
警察庁の総力をもって周囲を警戒するが
若手刑事のちょっとした先走り行為が元で
巻島は犯人らしき男を目の前にしながら取り逃がしてしまう
結果、子供は翌日に殺害されて発見された
警察を中傷する内容の手紙と共に…

こんな結果になったにも関わらず
警視監は記者会見に臨む巻島に向かい「謝るな」と一喝
記者や被害者の家族になじられながら
記者会見では警視監の言われたとおり
巻島が苦しい言い訳をするが
そこに巻島の娘が出産を前に倒れたとの連絡が入り
動揺した巻島は、記者を相手に暴言を吐いてしまう
それが元で、巻島は地方にとばされた

それから数年後

神奈川にてこどもの連続誘拐殺害事件が発生する
犯人は自らを「バットマン」と称し
テレビ局のある女性キャスター宛に手紙を送ってきた
なかなか捕まらない犯人
増える被害者

そこで警視監は、地方にとばしていた巻島を呼び寄せる
汚名を返上すべく巻島は事件に望む
その際、地方にて知り合った津田巡査長
彼の存在無くしては事件を解決できないと感じたため
津田を説得して一緒に警察庁に乗り込む
数年前の事件を胸に刻みながら…

事件を解決すべく巻島がとった捜査方法
それはTVを使った公開捜査だった
あるニュース番組から、定期的に犯人へメッセージを送る
警察には番組を観た視聴者から手紙が沢山届く

その中に、本当の犯人からの手紙が来るのか…
そして犯人「バットマン」は捕まるのか…
更には、数年前の誘拐殺人犯はその後どうなったのか…


映画では巻島の家族背景が小説と違っているようですが
ストーリーの大筋が変わらないようにはしている感じです。

  原作では巻島の娘が出産しますが
  映画では、巻島の妻が出産するようです


キャストも豪華

巻島には、豊川悦司
長身・長髪・いい男にはピッタリ
でも「ヤングマン=西城秀樹」ではなかったことが残念(笑)

警視監、石橋凌
警視、小澤征悦

津田長、笹野高史
巻島の妻、松田美由紀

他に、井川遥、崔洋一、石橋蓮司・・・


原作を読んでから映画館に行くもヨシ。
映画を観てから原作を読むのもヨシ。

とにかく、この秋1番のオススメです。



多謝



2007年10月02日(火)
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