***

近づきたかったあの子は

もういない


そう　思ってたんだけど


それは

僕の気持ち次第だったのかな。


今からでも

視界は開けるんだろうか。


***


大事に、想うよ

キミのこと、スキだよ


でも、僕のはそういう感情じゃなくて

尊敬に近い感情で



ねぇ

泣かないで？


***

着飾った甘い言葉を囁かれても

ちっとも感動しない


あら、そう
ありがとう


そうやって言葉を紡ぐのは

きっと誰に対してでも容易いのでしょう？

と、疑ってしまうから。


大体は、正解。


だから、彼らには

にっこり微笑んで

お礼を一つ

こちらからも賛辞の言葉をプレゼント

はい、御終い

こんなだから

そっけないとか理想が高いんでしょうとか
なかなか靡かないとか

色々言われるけど



あたしにだって

揺らぐものはある



さりげない言葉の中に感じる　優しさ

ゆったりとした空気が流れているかのような

暖かい眼差しを感じる　声

なんて事はない言葉なのだけれど

その音の　ひとつひとつが

柔らかく感じる瞬間がある


荒削りかもしれないけれど

その素直な気持ちが

ストレートに伝わってくる　言葉

包みもせず　きれいに飾ることもなく

だけれど　真っ直ぐな

澄んだ目で見つめられているような　音

たまに　心臓を射抜かれてしまうんじゃないかと思う




それが　本当にそうなのか

判らないけれど


無性に感じる心の感触が

酷く暖かくて　柔らかいと


不覚にも　くらり　と
来てしまうんだ


下心のない

純粋な　優しさとか　思いやりから来る

そんな言葉や音は

あたしにとって　

心地よく感じるから


すぐ　わかるんだよね



***

その気持ちに

決着をつけなきゃいけなくても


アノヒトは　キミを想い続けてる


もう　何年も経っているのに


そんな物語は

きっと　この世の中に

溢れんばかりに存在するんだと想う


誰しもが

自分の感情の高ぶった出来事は

酷く　ドラマティックに

感じるんだと想う


何かに記録したり

誰かに伝えたかったりするのも


それが特別な物語なのだと

ある種　そう感じているからだ



嗚呼　何て冷めたものの見方


情熱的に　自分の思い出を

忘れられない恋だったと熱く語れるアノヒトではなく


どうして

キミは

あたしを選んでしまったんでしょうね


あたしの中に

あたたかいものを期待したって


なかなか得られずにいるのに


***


この繋がりが、嬉しい。


二、三言だけでも

キミと会話が出来る距離が

僕とキミがする何気ない会話が

少しだけ盛り上がっているとわかる瞬間が


嗚呼、僕らは仲良しだね　と

想えるから


心地いい


盛り上がってたね、なんて

誰かから言われて

少しだけくすぐったさを感じた後

ごく自然に

だって僕ら仲良しだもの　と

言える関係が　心地いい


このくすぐったさの　理由は

まだ　内緒

仮にコレが　勘違いだったとしても

これくらい　許して？



キミと居る陽だまりが

まだ心地いいから　さ。


***