厚くてきれいな鮭の切り身が手に入ったので、舞茸やエリンギと共にホイル焼き(+バター)にした。
「あらー珍しい〜、久しぶりに食べる〜♡」 母喜ぶ。
彼女は四つ足肉を好まないので基本メインは海鮮か鶏肉である。 牛ならつなぎが入った挽肉、豚ならしゃぶしゃぶ用のなかでもできるだけ薄切りにされたのを、すき焼き風に煮込んでなければ口にしない。
何かける?と聞いたら「ポン酢がいいわ〜」と言う。 美味しそうに食べてくれる。
「久しぶりね〜、たまにはいいね〜」
覚えてるかな。これは私が子供の頃によくあなたが作ってくれた料理ですよ。 挽肉以外の肉を一切口にできなかった超変食の私に、少しでも口にできるものをと作ってくれてたメニューでしたよね。 とはいえあなたの作るホイル焼きは、鮭の上にスライス玉葱がのってマヨネーズがかかってたんですが、あれは正直好きではなかったので、私のホイル焼きは鮭キノコバターが定番ですけど。
……今考えると子供の頃の私の超変食はあなたの遺伝じゃないですか。 まあ、私は飲酒できるようになったとたん、生肉からゲテモノまでオラオラばっちこーい体質に豹変しましたけどね。あ、昆虫は絶対食べませんけど。
「秋って感じね、おいし〜い」 そうですよ。今はもう秋です。朝晩は少し涼しいよね。
「あっ、そろそろお盆なんじゃないの? 」 はい残念〜、お盆はとっくに終わってまーす。明日から大相撲九月場所でーす。
キャッキャと笑う彼女が、楽しそうなのでそれでいい。
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