旦那の弟さんが亡くなった。 ホスピスに入るまでの間、ずっと介護をしていた甥っ子たちには本当にお疲れ様と心から伝えた。
実はもうずいぶん前に、一番下の弟さんが亡くなっている。 男兄弟のうち長男である旦那がいちばん長生きときている。
訃報を聞いて旦那が「あー、とうとういったとか。はぁ〜次は俺の番か」などという。
「あのさー、そもそもあなたたち兄弟最初っから順番間違えてるからね?」
旦那は「えー」という顔をする。
そして「俺も具合が悪い」とか言いながら、海鮮丼を平らげる。それを横で見守る猫。そのうち横目で私におやつを催促する猫。猫にちゅーるを与えると、それを見ていた旦那が自分もおやつと催促する。こちらにはカットフルーツを与える。
そして私は今夜安眠を求めて買った新しい枕で寝る。 明日は旦那がうっかり何かを落として傷つけまくったフローリングの補修をせねばならん。 老人介護と日曜大工の腕だけが日々あがりまくる五十七の夜、と。
失敗しても怒らないし後片付けは私がするし、したいことだけしてていいから、残りの人生明るく生きてね、旦那。
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