若い頃、呼ばれてよく人の結婚式に参列したものだが 正直に言おう。一度たりとも心の底から「おしあわせに」なんて思ったことはない。
むしろ「へー、相手はあたしにレシピ聞いてまで飯作ってやってたほうの男じゃないんかいwww」とか「しっかし文金高島田が似合う女ってほぼおらんよな」とか「クリスチャンでもないのに教会wwwしかも神父がめっちゃ不機嫌やしwww」からの「はいきた業務用ホワイトソース乗せて2時間前に焼かれた冷凍伊勢エビ」あげく「ゴンドラ&スモーク&レーザービームとか何それサーカスかよwww」←バブルあるある「新郎新婦オープンカーでご入場ってなんじゃそりゃwwwギャグか」とか、まあなんの我慢大会だよってなくらい毎度毎度心の中で爆笑だったものでした。あと聞き飽きて耳栓モノの「お嫁サンバの替え歌」&「歌ってる本人だけが悦に浸る長渕の乾杯」。
実の兄の結婚式とかもうお嫁サンバ乾杯黒田節のフルコンボからの酒振る舞いすぎて泥酔客続出したあげく、酔って余興やってる人が舞台から転げ落ちるわ、花婿ガチ飲みしすぎて金屏風の裏でゲロ吐いてるわの地獄絵図ですよ。親族席で笑ってはいけない耐久披露宴でしたもん。お兄ちゃんの結婚がうれしくて感動して泣くのを我慢しているのかって思われたくらい一人ワナワナ震えてました。
なので自分は結婚するとき旦那から「式とか披露宴どうする?」と聞かれ「んなコントみたいなもんに金とか使わんでいいわ。金は生まれてくるだろう子供の教育費にとっといて」ってなことで写真すら撮りませんでした。←てかこの結婚が継続しなかったら写真も処分に困るしwww←といいつつ26年継続中。不思議ね〜。
んで現在ほぼ介護ってかヘルパーさんみたいな感じで後期高齢夫の面倒みてますけど、そんな私は最近車を運転中、信号のない横断歩道で停止したとき、歩行者さんがこっちを気遣って少し早歩きで渡ってくれたり、ちょこっと会釈してくれたりすると「ああ、どうかこの人がしあわせでありますように」とか「ずっと笑顔で暮らせますように」とか思うようになったりして、その度(え?今なんて思ってた?)と、自分でもびっくりします。
最近はよく街で赤ちゃんを抱いた若いパパと、その隣をベビーカーを押してあるいているママとすれ違うんですが、そのたびに自然と目で追っては「どうかしあわせに」とマスクの下でニコニコしながら思っているのです。
良い時代ですよね。普通にパパが赤ちゃんを抱っこしてて、ああ、同じ目線で育児してるんだなあと感じる若い夫婦が多いこと多いこと。
そんな家族を見ていると、私の心が勝手に相手のしあわせを願っているのです。知人友人身内の結婚式ですらそんなことひとっかけらも思ったことなかったくせしてwww※姪っ子甥っ子たちの結婚式はしあわせにって心から思いましたよ!ごめんね私の過去の友人知人&うちの兄www
で、ふと「いや、川の上流ではトゲトゲゴツゴツとしていた石も、時に流され流れ流れて下流にたどり着く頃には多少なりとも丸くなったってことだろうかしらん」などとも思いましたがいや違う。絶対違う。
ヘルパー生活に疲れた私は、街でみかける市井の天使に癒やされてるんだろうなと思う。 毎週トングとビニール袋を手に公園や歩道のゴミ拾いしているおじいちゃんとか、ベビーカーみかけてその横をゆっくり徐行している前の車とか、ペコンと挨拶して通る子供たちとか、紫やピンクに染めた髪を風になびかせて楽しそうにおしゃべりしている専門学校のおしゃれな学生さんとか、ニコッと笑って接客してくれるお店の人たちとか、おりこうさんに並んでよちよちあるく保育園の子供たちとか、お母さんにしがみついてぐずってる子供とか。
そんな人たちを見かけて癒やされたお返しに、いつの間にか心が勝手に「どうかしあわせに」とつぶやいてる。
これは私の成長とか努力じゃない。街の天使たちのおかげなんだなとつくづく思う。天使のような人たちが、私を癒して浄化してくれてるんだなと。
ありがたいことです。 なのでこの言葉を心の中で送ります。 「どうかしあわせに」
あ、道とか公園にゴミとかタバコ捨ててる奴は全員滅べばいいと思ってるけどね。うん、そこはやっぱ譲れないかな(にっこり♡)
|