| 2002年04月28日(日) |
と〜な〜り〜の〜お〜く〜しゃ〜ぁぁん・・・ |
本日、夫は仕事で外食とのことなので、 私はお給仕する相手のいない手軽なお夕食をのんびり楽しんでおりました。 が、 いきなりけたたましくドアのチャイムが鳴らされまくりました。
それはまさに「危険」「危機」といった不安なイメージがわき起こるような、 悲鳴のような鳴りかたで、私はおそるおそるドアスコープをのぞきました。
・・・・誰もいない・・・・
しかしまだ音は鳴り響き続けます。 ひぇーーーーーっっっっっっっっ!
そう思ったのはほんの一瞬で、 下のほうをのぞくと、それは隣のお婆ちゃんでした。
「おばーちゃんどーしたとー??」 「と〜な〜り〜の〜お〜く〜しゃ〜ぁぁん・・・でんきが・・○×□△×□○△・・」 「でんきがどーしたと?またヒューズがとんだと??」 「うん、うん(頷くのみ)」 「でんきがつくごとなればいいっちゃろ?」 「うん、うん(しきりに頷く)」
そして私は、息子を連れて隣のお婆ちゃんの部屋へ。 ※もちろんこのお婆ちゃん、うちの「隣人」というだけで他に何のご縁もございません。 「あれ?電気ついとーよ?どこばどげんするとー?」 「・・・ごはんのせんが・・・○×△□○×△□○×・・・」 「ごはんのせん?ああ、炊飯器のコード?」
・・・と、見れば炊飯器のコンセントが抜けている状態。 「これば差し込んどけばいいとね?そお?」 「うん、うん、うん(我が意を得たりとばかりにそーとー頷く)」
どーもお婆ちゃん、抜けたコンセントをも一度差し込もうと思ったが、 コンセント口にある電子レンジが邪魔で、自分の力では差せなかった様子。 そして炊飯器にはめでたく「保温中」のランプがともり、 私のレスキュー911任務は無事終了した。
ところでこの隣のお婆ちゃん、 ずーっと一人暮らしをされているらしいのだが、 カラダがだいぶ不自由で、目も結構悪い。 よくうちを自分の部屋と間違えて鍵を差し込んでは、 開かない開かないといいつつガチャガチャまわしていたりしている。
思い起こせば三年前、ベランダで転んで起きあがれなくなった彼女から、 「と〜な〜り〜の〜お〜く〜しゃ〜ぁぁん・・・」と呼びかけられたのが、 私のレスキュー人生の始まりだった。 その日、私がベランダに出たのは夜の8時近くで、 (その日は12月25日で、しかも私は妊婦真っ最中だった) お婆ちゃんは3〜4時間倒れたまま、 延々「と〜な〜り〜の〜お〜く〜しゃ〜ぁぁん・・・」と呼びかけていたようだった。
このときはホントのレスキューを呼ぶことになり、 やってきたオレンジ色のウルトラ警備隊的隊員たちが、我が家のベランダから非常出口用板をぶち破って突入していったものだった。
その一件以来、お婆ちゃんは何かあるごとに、 「と〜な〜り〜の〜お〜く〜しゃ〜ぁぁん・・・」と言いながら、 うちのチャイムを激しくならしまくるのであります。
きにせんでいーよ、おばーちゃん。お礼とかいいって。 カラダも不自由なのにがんばって一人暮らししよーけん偉いよ。 いつもビシッと化粧してアクセサリーいっぱいつけて、 金無垢の時計してハデな服きて病院いきよー後ろ姿はそーとー目立つよ。
できたら遺言にも「と〜な〜り〜の〜お〜く〜しゃ〜ぁぁん・・・」に何か残してくれるごと、 一筆書いてくれとったらもっとうれしーっちゃけどね、おばーちゃん・・・
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