某突起名の人生つぶやき日記

某突起名の独り言。
あくまで独り言ですので・・・まぁ、お気になさらず。

2019年05月16日(木) 入院。












・・・母が。

全身が弛緩し切って、最早ただの肉塊となった其れを

渾身の力で車に押し込んで、S木先生にTEL。



「母がおかしいんです。

 声も出ないし、歩けないし、

 トーストのちぎり方がいつもの母じゃないんです。」



「あ〜。それは緊急だね。紹介状を今すぐ書くから

 うちのクリニックへ寄って受け取ったら

 急いでT病院の受付でそれを出しなさい。」



とにかくラパンでSクリニックへと走らせる。

Sクリニックに着いたら母は車に置いて、クリニックへ駆け込んだ。




受付に「あのう、○○と申しますが・・・」と言いかけると、

おねえさんがバッと封筒を突き出して

「○○さんのお母様の紹介状ですよね。早く!」と渡してくれる。

「ありがとうございます!」挨拶もそこそこに車に戻る。

顔パスなのがありがたい。



T病院に着いたら、貸し車椅子を取りにダッシュ。

息を切らして車まで戻るが、母が既に車から足を出すことも

できなくなっており、自慢の怪力でなんとかしようともがいていると、

上品そうなご婦人が通りかかり「どうかなさったの?」と問われ、

肩で息をしながら「母が重くて車椅子に移せなくて・・・。」

と、答えるのがいつの間かやっとになっていた。



ご婦人が、ひとかたまりの男性陣に目を留め、

「どなたか!どなたか〜!!」と呼び止める。

男性陣がわらわらと私の車に近づいてくる。



「車椅子に移せばいいの?おい、お前、足持て。」

リーダー格っぽい男性が母の後ろから脇に手を通すと、

他の男性が母の足を車から引きずり出した。



「受付に行けばいいの?」

「あ、いえ、(車椅子に)移していただいただけで十分ですので。」

「いいよ、うちらも受付行くところだから。

 おねえさん疲れてるみたいだし。」

「はあ・・・。」と、放心している場合ではない!

「あの!お名前を!」

「これくらい大丈夫だから。受付行くついでだから。つ・い・で。(笑)」

つられて笑った。

そういえば最近笑ってないな。と思った。



「その紹介状出すんでしょ?」

いつしか握り締めていた紹介状を指して男性が言うので、

( ゚д゚)ハッ!という感じで受付に診察券と紹介状を受付に出す。

手続きが終わって母の車椅子へ戻ると、男性陣は消えていた。



あとはもう検査!検査!検査!

CTスキャンやらMRIやら最新の機械で先日入ったばっかりの

某突起名の頭では到底理解しがたい、

ドーパミン?エンドルフィン?なんかその辺の

脳内ホルモンの動きを見るとか言う、検査とか。

ひたすら検査室に運ばれ、検査中はひたすら待ち、

また別の検査室に運ばれ、を繰り替えていると、

いつの間にか、まあ!?もうお昼?



「検査結果が出るのに一時間かかります。」と言われて、

人がどんどんはけていき、ポツンと二人の某突起名と母。

看護師さんたちすら休憩のようでさっさと持ち場を離れ。

あ〜、お昼ごはんの時間が来たのね。うちらお金無いから

待ち合い室で待つしかできないし。



あ〜、お腹空いた。

ね、こんな状態じゃなかったら、うちらも外に食べに行くのにね。

・・・って、しゃべれないんだっけ。瞬きくらいできない?

とか、30分ほどやっていると、担当の先生がやってくる。

「○○さん(←本名)だっけ。これからどうするの?」

「と、言いますと・・・?」

「こんな状態のお母さんを連れて帰って介護するの?」

介護、という単語が初めてリアルになる。

母がこのままの状態から何年も回復しなくても、

今の状態だったら?・・・考えただけでゾッする。

覚悟ができていたつもりでできていなかった。



「入院した方がいいよ。お母さんにとっても○○さんにとっても

 それがベストの選択のハズだよ。」

「でも、うちには入院費をお支払いするような経済的余裕は。」

「救済策なんていくらでもあるからそれは後で考えればいいよ。」

「はあ。」

「後見人の叔父さんが居るって言ってたよね。

 今、ちょっと相談してみてくれない?」

「あ、はい。」



携帯エリアでスマホを取り出して電源を入れる。

立ち上がったら間髪入れずにLINEで叔父に話しかけた。

『にいちゃん、今、T病院なんだけどね。』
 
『丁度いいじゃん、入院させちゃえば?』

『は?私まだ何も言ってないんだけど。』

『○○がLINEで"オハヨウゴザイマスコンニチハコンバンハ"

 忘れるのはそれくらいの緊急時だけ(笑)』

『なら話は早いけど、本当に入院させちゃっていいの?』

『いつも言うけど○○は遠慮しすぎなんだよ。

 おかあさんが入院してる間くらい自分の時間作ったら?』

『今、先生にも入院勧められてるところだから、

 本当に入院させちゃうよ?』

『マカセナサイ!』

『ありがとう。』

携帯エリアから出て、母と先生の待つ診察室へ帰る。



「お待たせしました。」

「叔父さんの返事は。」

「入院させろと。」

「話の分かる叔父さんで良かったね。」

「そうですね。」

「じゃあ、これで君と僕は患者の娘と担当医だ。

 僕はS井。貴女は?」

「○○○○(←本名フルネーム。)と申します。

 母をよろしくお願いいたします。」










・・・というところから、T病院に毎日通う日々がスタートした。






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