| 2003年04月23日(水) |
血の繋がらない双子。 |
「おまえは自分を買いかぶりすぎだ。」
「完璧な人間なんて気持ち悪いだろう?
おまえはその『気持ち悪いもの』になろうとしてるんだ。」
「おまえはそのままが一番いいよ。」
「ぼくはおまえが他人を楽にさせるまえに
おまえに楽になって貰いたいけどな。」
まるで血の繋がらない双子みたいな、彼。
彼の生き方は至極シンプルで、
自分を研いで余計なものを削ぎ落としたように
ニュートラルな人間に、私には見えた。
何故その彼が、余計なものをゴテゴテ考えながら
無駄な思考力だけを上げて徐々にニュートラルになっていく
まるで正反対のベクトルで生きているこの私と
こうも似ているのかそれは未だに分からない。
けれどとにかく彼の一見馬鹿の戯言にしか見えない言葉の
隅々から私が彼の哲学を聞き取り
私の言葉に現さない心の内を彼が聞く。
そんな関係が初対面(?)からわずか2ヶ月足らずで出来上がった。
たった数言交わしただけで明らかに同類と分かったけれど、
恐らく同類ならばお互い干渉しあうのは好きではなかろうと
今まで見て見ぬフリのようにして
どこか微妙な距離とタイミングで避けていて
つい最近まで必要最低限のコミュニケーションしか
取る事がなかったにも関わらず、の話。
冒頭は、そんな相手が発した言葉。
いいや、昨日の午前4時まで言い続けていた言葉。
「・・・なぁ、私は高慢か?」
私のひと言であっさり私の心の内を了解した彼が
言い続けていた言葉。
理解はできた。
自分でもそれはそうだと思っていた。
何故こうも自分でこうなのか、悪いのはここだと
はっきり分かっているのにどうしても上手く壁に風穴が開かなくて。
もう少しで楽になるのに。
そう思いながら苦しむ私に彼は。
「手を伸ばせ。
引き上げてやる。」
言葉に現さないくせにそう語る。
そうしてくれているのに一向に私の殻は割れる気配がない。
一度頼ってしまったもののちっとも結論に辿り着かないのも
なんだか申し訳ない気がするし、
別の事でもちょっと自己嫌悪していて
くさくさした気分でずっと起きていた。
明け方過ぎに殻が割れた。
突然彼の言葉を了解した。
きっかけは何時間経っても24時間経っても
そのまんま現状からピクリとも動かない
頑なな私に、懲りも呆れもしないで彼が
つい10時間ほど前にかけた言葉。
「100匹の野良犬より一匹の愛犬。極端だけどな。
一匹の愛犬は無上の愛情をくれるだろ。
いるじゃねーかここに。愛犬。」
・・・愛されてるね、私。
それを眠る前に思いだして笑ってしまったら、
突然何かが壊れる衝撃が来て風穴どころか
あっさり壁自体が壊れてしまった。
多分これから日記にちょくちょく出現するであろう彼を
仮に「K」としておこうか。
いつかKが心の何処かで泣いている時に
私は彼を引き上げてやれるんだろうか。
例え私にそれができなくてもどうか彼が真っ直ぐに
自分の人生歩んでいけるようにと切に願っている自分が居て。
恋人でもなく友達でもなくただ一瞬すれ違っただけなのに
まるで半生をずっとくっついてきたような
そしてこれからもずっと一緒にいるような錯覚を起こさせる
そんな全くの無償の関係って、あるもんなんだな、と。
この年ではじめて知ったような気がする。
彼は血の繋がらない双子。
私が勝手に思っているだけかもしれないけれど。
とにかく今は、そう思う。
|