| 2013年01月21日(月) |
一寸ショックだった事 |
小学校の頃、急遽クリスマス会をする事になって、母の許可を得て慌てて頂き物の中から可愛い食器を持って行ったら、後でそのプレゼントが当たったお友達の親から、わざわざ家にお礼の電話を貰った事があった。 高級品ではなかったけれど、子供には一寸贅沢品だったらしい。あれには驚いたと、幼馴染が言った。 彼女に言わせると、私の実家は、お金持ちだったらしい。 と言っても、一等地にある広大な敷地のお屋敷に住んでいるとか、お手伝いさんがいるとか、別荘を持っているとかいう本当のお金持ちではなく、昔の田舎の平均的一般家庭と比べれば少し余裕があったという程度である。 借家住まいだったし、親は無類のもったいないお化けだし、あれこれ買え与えて貰っていた訳でもないので、私はそれが普通だと思っていたし、妹に至っては高校で進路を決めるまで、我が家は貧乏だから大学に行かせて貰えないのだと思い込んでいたほどである。 そこまでではないが、私も家がお金持ちだとは思っていなかった。 お小遣いはなるべく使わないようにした。同級生の女の子達が持っているような可愛い文房具が欲しかったが、もったいないお化けの子なので、貰い物の筆記用具で我慢した。 それでも今思えば、父の仕事関係で頂き物は多かったし、結婚して実家を離れた現在より良い物を食べていた気がする。 「シオンちゃん、60色入りの色鉛筆持ってたでしょ。あれがすっごく羨ましくてさ」 嗚呼あれって60色だったんだ。今の今まで存在すら忘れていたけれど。 「親に頼んでも買って貰えなかったんだ。うちにはお金が無いからって」 うちの親だって買ってくれなかったと思うよ。だってあれ、頂き物だし……。 「だから、自分の子供にはそんな思いをさせたくなくて買ったんだけれどさ、60色入り! 実際は嵩張って持ち運びが面倒だから、結局12色入りのが大活躍だよ……」 と話す彼女の隣で、子供は12色入り色鉛筆で塗り絵をしていた。
というのが昨年の話。 自分の家に帰って来て、その話を主人にしたところ、彼はこう言った。 「自覚の無い金持ちほど嫌味なものは無いよな。シオンの実家は充分お金持ちだよ。洋梨はラフランス、さくらんぼはなら佐藤錦、ピオーネにあらずんば葡萄にあらずだなんて、どこの富豪だよ全く。僕なんて竪穴式育ちの土人だから、葡萄なんてデラウェアでいいんだよ、もう何年もデラウェア食べてないよ」 別に禁じてないし! 買って来て食えよデラウェア!
|