さて、私は1人で東京に残る事にした。 折角来たのだから、最低3泊はしないと勿体無い!
あんまり美術には興味が無いのだが、何となく惹かれたので、日本橋三越で絵画展を見ようと思っていたのだが、残念ながら日程が合わず。 そこで、第2候補の東京都庭園美術館に行ってみた。 目的を持って目黒に行くのは、寄生虫博物館以来である。 元々宮様のおうちだとかで、アールデコ様式の豪奢な佇まい。 建物自体が美術品で、こんな所までと驚くほど芸が細かく、どこもかしこも凝っていて素敵であった。 そして広い。 この1室で今借りているマンションの広さぐらい……?といちいち比較しながら見て回る庶民の悲しさよ。 お手伝いさんがいないと住むのは無理だと思った。全部自力で掃除してたら日が暮れるわ。 そして台所が無かった気がする。自力で料理しなくていいなんて非常に羨ましいと思った。
建物内部だけではなく、更に広いお庭も見所のひとつだったのだが、入館したのが夕方だったため、一通り見終わって外に出た時には既に日没後で、辺りはとっぷりと暗くなっていた。 後で主人に土産を渡しながらその話をすると、 「シオンは悉く外してくれるよね、そういうとこ!」 と大ウケであった。 私だって別に外したくて外している訳じゃないんだけれど! 日程的に仕方無かったんだもん!
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